柏原明日架の勝利で幕を閉じた「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」。競り負けてしまったものの優勝した柏原明日架と最後まで優勝争いを演じたのは、イ・ボミだった。現地でその様子を見ていたプロゴルファー・中村修は「(イ・ボミの)復活優勝は近いです!」と話す。詳しく聞いてみよう。

柏原と1打差の2位。強いイ・ボミが帰ってきた?

トータル13アンダーで最終結果は単独2位。優勝こそ逃したものの、イ・ボミ選手の復調がマスターズGCレディースでは印象的でした。

ここのところ不調が続いていたボミ選手。一時期は下を向いていることも多かったのですが、「自分が楽しめた1週間でした」と最終日プレー後の会見で本人が話していた通り、笑顔が多く見られましたね。

初日を4アンダーで好スタートし、あまりスコアを伸ばしきれなかった第2ラウンドから尻上がりで調子を上げて最終日は4アンダー。約2年ぶりの優勝争い、ホステスプロという立場、昨年は予選落ちを喫したコース。様々なプレッシャーがかかる局面でこういったスコアの伸ばし方ができたことからも、スウィング、ショットが安定してきたことが見て取れます。

画像: マスターズGCレディースを13アンダーの2位で終え、復調の兆しを見せたイ・ボミ(撮影/岡沢裕行)

マスターズGCレディースを13アンダーの2位で終え、復調の兆しを見せたイ・ボミ(撮影/岡沢裕行)

スウィングについて、ボミ選手のトレーナーを務める渡邊吾児也(わたなべ・あるや)さんに話を伺うことができました。

「体の状態も良いです。あとは上半身と下半身のバランスだったり、ほんのちょっとしたスウィングのタイミングとか(が大事になってくる)。いかに同じようなテンポで振ることができるか、ですね。今週(マスターズGCレディース)はそれが非常に良い感じでできていました」(渡邊トレーナー)

やはり復調の兆しは見られるようです。不調が続いていた時期はコースではなくスウィングと戦っているように見えたボミ選手ですが、しっかりコースと向き合ってプレーができていました。

練習場では韓国時代からの女子プロ仲間で、現在はレッスンプロのチョ・ヨナさんがかけつけ、スウィングをチェックしてもらっている一幕も見られました。周囲のサポートもあり、スウィングに安心感を持ってプレーに入れたというのも大きな要因かもしれませんね。

数々の選手を優勝に導いた名キャディの存在も大きかった

もうひとつ、今週ボミ選手と4日間戦った、名キャディ・佐藤賢和さんの存在も好調の大きな要因と言えるでしょう。佐藤さんは石川遼選手をはじめ、数々の選手たちのバッグを担いで優勝に導いてきた名キャディで、選手の良いところを引き出すのが非常にうまいんです。

風の吹き方やグリーンのタッチ、打ち上げ打ち下ろしの距離感など、開催コースの“今週のクセ”を掴み取る能力が非常に高いキャディで、その情報を元に、選手に合った番手選びや戦略を伝えることで最大限選手のポテンシャルを引き出してくれるんです。

画像: イ・ボミのショットが安定していた理由として、佐藤キャディの手腕も大きな要因のひとつだと中村は言う

イ・ボミのショットが安定していた理由として、佐藤キャディの手腕も大きな要因のひとつだと中村は言う

実際にボミ選手も試合後の会見でこのように話しています。

「キャディさんとのコミュニケーションがすごく良かったので、プレーがすごく楽しかったです。でも本当にすごくいいところは、迷わなくて、私がそのクラブを信じて打つために、ちゃんと言ってくれるのが、私のショットにいいイメージで、信じて打てたので、ありがたいです。その部分も大きかったです」

さらに、最終日終了後にはこうコメント。

「キャディさんと2人で悪いイメージで打ったことがなかったので、私はすごいプレッシャーあったけど、横にいるパートナーが、ちゃんといいことを言ってくださるから、私もドキドキじゃなくて、集中できましたし、ビックリしたし、自分が楽しめた1週間でした」

本人の発言からも、佐藤キャディの存在が今回の好結果に多大な影響をもたらしていることがわかりますね。

アグレッシブにピンを攻め、冴えたパットを見せていた全盛期の状態に徐々に戻りつつあるボミ選手。先週のプレーを見て、復活優勝する日も近いのではないかと感じました。12月に韓国の人気俳優イ・ワンさんと結婚することを発表されたボミ選手ですが、結婚後もぜひ日本ツアーでプレーし続けてほしいですね。

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