4大カスタムシャフトメーカー「フジクラ」、「三菱ケミカル」、「グラファイトデザイン」、「USTマミヤ」の2019年新作シャフトがついに出揃った。それぞれどんな性能なのか、今回は50グラム台の4モデルを、ギア好きプロの中村修とノリーこと堀口宜篤が徹底試打!

シャフト4大メーカー新作シャフトを打ち比べ!

今回試打するのは2019年の新作カスタムシャフト、三菱ケミカル「ディアマナZF50」、グラファイトデザイン「ツアーAD XC-5」、USTマミヤ「アッタス11(ジャック) 5S」、フジクラ「スピーダー569エボリューションⅥ」の合計4モデル。様々な重量帯、フレックスのバリエーションを各モデルが用意するなか、今回試打したのはすべて重量50グラム台・硬さSフレックスの軽量カーボンシャフトだ。

画像: シャフト4大メーカーの新作モデルをギア好きプロ2人が試打した!

シャフト4大メーカーの新作モデルをギア好きプロ2人が試打した!

かつては硬いシャフト=重いシャフトという図式が成り立っていたが、近年では技術の向上によって軽くて硬いモデルが当たり前。なかでも2019年の新作は「全体的に手元でなくて中元調子だったり中調子だったりと、キックポイントが中央寄りにあるモデルが多い」(中村)という。さっそくその実力をギア好きプロ2人にたしかめてもらおう。

試打に用いるドライバーヘッドはコブラ「キングF9」のロフト10.5度モデル。「非常にニュートラルな性能」(中村)のため、組み合わせるシャフトの特徴が試打結果に反映されやすくなっている。

画像: コブラ「キングF9」(ロフト角10.5度)。非常にニュートラルな性能のため、シャフトの特性が反映されやすい

コブラ「キングF9」(ロフト角10.5度)。非常にニュートラルな性能のため、シャフトの特性が反映されやすい

ドライバーのロフト角調整機能は用いずニュートラルな状態で使用。シャフトの硬さはすべてSフレックス、長さは45.25インチに統一し、試打した。ちなみに試打者のノリーはパワーヒッターをイメージしヘッドスピード(以下HS)45m/sで、中村にはアベレージゴルファーはイメージしHS40m/sで打ってもらった。

画像: 弾道計測器「フライトスコープ」で計測しながら試打を行った

弾道計測器「フライトスコープ」で計測しながら試打を行った

しっかり叩ける三菱ケミカル「ディアマナZF50」

まず試打したのは三菱ケミカル「ディアマナZF50」。ノリーが打ってまず感じたのは「手元の強さ」だ。

画像: 三菱ケミカル「ディアマナZF50」(硬さSフレックス)。キックポイントは中元調子

三菱ケミカル「ディアマナZF50」(硬さSフレックス)。キックポイントは中元調子

「50グラム台でもしっかりしている感じで、とくに手元の強さを感じました。ヘッドスピード45m/sでも全然振っていけます。切り返しからダウンスウィングにかけての粘り感は自分で作らなくても(シャフトが)勝手に作ってくれていますし、ダウンスウィングからインパクトにかけてもこちらのタイミングに合わせてシャフトが走ってくれる感覚がありましたね」(ノリー)

続けて3球打ってもらい、その結果を弾道計測器「フライトスコープ」で計測した。3球の平均値を見てみると、飛距離は274ヤード、スピン量も2489rpmと、ロフト角10.5度にしてはスピン量も下がっている。この結果に「これはパワーヒッターでも振っていけますね」とノリー。

画像: ノリーのディアマナZF50試打結果

ノリーのディアマナZF50試打結果

40m/sで打った中村も「しっかり感は十分あります」という。

「50グラムのSフレックスとは思えないくらいしっかりしていますね。どんどん振っていきたくなる感じで、先端がしっかりしているぶん当たり負けも全然ないです。コースでのティショットの際に力んでしまうことがあるかと思いますが、そういった場面でもあまり大きなミスにならなそうですね」(中村)

画像: 中村のディアマナZF50試打結果

中村のディアマナZF50試打結果

3球計測した平均値を見てみると、トータル242ヤード、高弾道・低スピンを両立していることがわかる。ディアマナZF50に関しては「40m/sで打つならSRフレックスのほうがもっとしなりを感じられて良さそう」と中村が言う一方で、「45m/sならSフレックスで全然いけちゃいます」とノリー。しっかり感が強く、叩いていくゴルファーに合う1本と言えそうだ。

実際、4本のなかで平均的にもっともスピン量が少なかったのがこのシャフト。とくにスピン量が多いタイプのゴルファーは、劇的な飛距離アップが期待できるだろう。

しなりが強いグラファイトデザイン「ツアーAD XC-5」

続いて、ツアーAD XC-5を打つ2人。こちらは「しなり感が強いです」と両者は口をそろえる。

画像: グラファイトデザイン「ツアーAD XC-5」(硬さSフレックス)。キックポイントは中元調子

グラファイトデザイン「ツアーAD XC-5」(硬さSフレックス)。キックポイントは中元調子

「切り返しからちょっとグニャっとした(シャフトがしなる)感触があるんですけど、それがインパクトまでタメられて一気に開放されている感じです。球も重い感じがしますね」(ノリー)

画像: ノリーのツアーAD XC-5試打結果

ノリーのツアーAD XC-5試打結果

「切り返しでしなるぶんタイミングが取りやすいです。挙動が素直だし、ミスヒット時のブレも感じないです。ゆっくり切り返しながら加速していくタイプのゴルファーにマッチしそうですね」(中村)

画像: 中村のツアーAD XC-5試打結果

中村のツアーAD XC-5試打結果

こちらは「より振れる人ならばXフレックスなどもっと硬いシャフトを選ぶのもアリですね」とノリー。叩くというよりは、しっかりしなりを感じながら打つタイプに合いそうなシャフトだ。

オートマチックに走る! USTマミヤ「アッタス11(ジャック)」

続いては、USTマミヤ「アッタス11(ジャック)」。ノリーはこのシャフトを「非常にオートマチック」と評した。

画像: USTマミヤ「アッタス11(ジャック)5S」(硬さSフレックス)。キックポイントは中調子

USTマミヤ「アッタス11(ジャック)5S」(硬さSフレックス)。キックポイントは中調子

「(インパクトにかけて)走ってきますね。自分で持ってくる必要がないです。無理しなくていいなという感じ。非常にオートマチックに振っていけるシャフトです」(ノリー)

計測した3球の平均値を見てみると、トータル飛距離が275ヤード。打ち出し角11.2度でスピン量は2472rpmだった。

画像: ノリーのアッタス11 5S試打結果

ノリーのアッタス11 5S試打結果

「しなりや走ってくる感覚は強いんですけど、それがダウンスウィングからインパクトにかけてパッと開放される感じではなくて、(インパクトまで)少し耐えてくれている感じがします。ただ、思い切り叩いていく人にはしなりが急激に来てしまうかもしれません。もうちょっと硬め、重めのスペックを選んでも良さそうですね」(ノリー)

一方の中村は「HS40m/sの感覚で振っている」はずなのに、計測した3球の平均値を見るとHSは40.9m/s。しっかりシャフトが走ってヘッドを加速してくれているようだ。

「これは走りますね。これはHSを上げてくれるシャフトと言っていいでしょう。しなり戻りの状態でちゃんと打てます。SフレックスならHS40~42m/sくらいでちょうどいい感じですね」(中村)

画像: 中村のアッタス11 5S試打結果

中村のアッタス11 5S試打結果

しぶこシャフトの実力は? 「スピーダー569エボリューションVI」

最後はフジクラの「スピーダー569エボリューションVI」。渋野日向子が使用しているシャフトで、全英女子オープン優勝の一助となった一本でもある。

画像: フジクラ「スピーダー569エボリューションVI」(硬さSフレックス)。キックポイントは中調子

フジクラ「スピーダー569エボリューションVI」(硬さSフレックス)。キックポイントは中調子

「走ってくるけど、嫌な走り方ではないです。(インパクトまで)粘ってきて、ボールをしっかり乗せて飛ばしてくれます」(ノリー)

6代目のスピーダーをこう表現したノリー。「45m/sを超えてしまいそうなので少し抑えめに打った」というノリーだが、それでもHSは45.7m/s。高弾道・低スピンで今回試打したうち唯一、トータルで280ヤードを飛ばした。

画像: ノリーのスピーダー569エボリューションⅥ試打結果

ノリーのスピーダー569エボリューションⅥ試打結果

「球も上がるし、弾き感もあります。しっかりしなって走ってくれるから、つかまりも良い。パワーヒッターでも叩いていけますね。きちんとHSに合わせてスペックを選べば、この高バランスな感触がずっとキープされそうですね」(ノリー)

どちらかと言えばアッタス11 5Sと同様に、シャフトのしなり戻りによってヘッドが走ることでHSを上げてくれるシャフトのようだが、「走り方は違いますね」と中村は言う。

「アッタス11 5Sはシャフトのねじれ(=トルク)によって走らせていましたが、スピーダー569エボリューションⅥは、中間部分から押していってくれる感じです。インパクトにかけて段々と(スピードが)上がっていきますね」(中村)

画像: 中村のスピーダー569エボリューションⅥ試打結果

中村のスピーダー569エボリューションⅥ試打結果

それぞれ特徴的な部分があった全4モデル。試打を終えた2人にそれぞれ良かったシャフトを聞いてみると、ノリーはツアーAD XC-5、中村はアッタス11 5Sとスピーダー569エボリューションⅥをチョイスした。

「しなりを感じながら振っていきたいので、僕はツアーAD XC-5ですね」(ノリー)

「アッタス11とスピーダー569エボリューションⅥの、ヘッドスピードを上げてくれる走り性能がすごく魅力的。自分ではHS40m/sに抑えて打っているつもりが、HS41~42m/sになってしまうくらいです」(中村)

今回の4モデルをカテゴリ別に分けるとするならば、もともとHSが速く、しっかり叩きたい方に合うのは「ツアーAD XC-5」と「ディアマナZF50」。一方、シャフト性能によってHSを上げたい人は「アッタス11 5S」、「スピーダー569エボリューションⅥ」が良さそうだ。

シャフト性能はクラブの中でも重要な要素で、ゴルファーとの相性が非常に重要となる。まずは2人の意見を参考に、可能であれば店舗で実際に試打して最新シャフトの性能を実感してみてはいかがだろうか。

協力/PGST

画像: 50グラム台の2019年最新カスタムシャフト4モデルを比較試打! www.youtube.com

50グラム台の2019年最新カスタムシャフト4モデルを比較試打!

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