クラブセッティングにおいて、重さや長さまでしっかりと調整している人は多くない。距離や弾道を明確にするためには重さや長さまでしっかり調整するのが大切だと話すのは業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。理由を聞いた。

打ちたい距離は同じでも「打ちたい弾道」が変わればクラブを見直すべき

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今日はフィッティングさせて頂いたお客様からこんなご相談を頂いたのでそれをお話したいと思います。相談は「同じ距離を飛ぶ弾道の違うクラブを2本作れないか」といった内容でした。

詳しくお聞きすると、ホームコースには、200ヤード前後のパー3が3つもあり、ひとつは打ち上げ、ふたつが打ち下ろしになっていて、どのホールも実質打っていく距離が190ヤードぐらい。今はウッド型UTの23度で対処しているが、打ち下ろしのホールが苦手で狙ったところに出なかったり、風に流されてしまったりと上手くいかない。同じ距離を打ててもう少しライナー性の低く強めの弾道を打てるクラブが欲しいとのこと。

狙った飛距離を打てるクラブを作るには、その飛距離を打つための基準が重要になります。その基準とは、打ちたい距離に一番近い距離が打てるクラブです。そのクラブのスペックやモデルを確認し、使用したときにどんな弾道で飛んでいくかをチェックすることで希望する弾道に合わせてヘッドやスペックを決めます。

画像: ひとことでユーティリティといっても、その弾道はモデルによって様々だ

ひとことでユーティリティといっても、その弾道はモデルによって様々だ

今回のお客様の場合は、ライナー性の低く強い弾道を希望されていましたので、アイアンタイプのUTをチョイスし、ロフトは19度、長さは今お使いのウッド型UTより短く仕上げてお渡ししました。お客様からは調子が良いと気に入ってもらっています。

正直こんなケースはほとんどないと思います。お伝えしたいのは、打ちたい距離は同じでも打ちたい弾道が変わるとヘッドはもちろん、ロフトや長さ、重さも変わってくるということ。とくにUTはフェアウェイウッドとアイアンの中間に位置するクラブなため、求められる距離はもちろん、ウッドのように高い弾道が打ちたいのか、ロングアイアンに近いライナー性の弾道が打ちたいのかなどの弾道にもリクエスト、理想があるはず。

弾道の質や高さは、ヘッドの性能やロフトが大きく作用しますが、クラブの長さや重さを軽視してしまうと余分なスピンを生んでしまったり、思った高さが出なかったりと狙った弾道が打ちにくくなります。

高い弾道で長い距離を打ちたいならクラブを長めにして軽くし、フェアウェイウッドに近いスペックで組むと良いですし、ライナー性の弾道が打ちたければクラブを短め、重めにしてアイアンとの流れを考えて組むとミートしやすいクラブに仕上がるはずです。

単に飛距離を打ち分けるだけならここまで気にしなくても良いとは思いますが、言い換えれば弾道を作っていきたいと考えるなら、ここまでこだわる必要があると私は思います。そこまではこだわらないけど、UTのミート率を高めたい!という人は、このコラムでも私が良くお話しする「短いクラブになるほど重くなる」重さの流れに当てはまるようにスペックを選んでくださいね。それだけでもだいぶ違いますよ!

This article is a sponsored article by
''.