国内女子ツアー最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」の初日、渋野日向子は2アンダー3位タイで上々のスタートを切った。4パットあり、イーグルありのラウンドの模様を、プロゴルファー・中村修が現地からレポート。

寒さと風のなか、危なげないゴルフを見せた

今日の宮崎CCの天候は冷たい海風が強く吹く寒い一日。気温は14度程度までしか上がらず、多くのギャラリーがダウンジャケットを着ていました。朝のうちは雨も混じる難しいコンディションの中、首位は5アンダーのテレサ・ルー。

賞金女王争いで注目の鈴木愛は途中3アンダーまで伸ばしましたが最終的にはパープレー、10位タイでホールアウト。賞金ランク2位のシン・ジエは3オーバー、26位タイで初日を終えました。そして、ランク3位で最終戦に臨んでいる渋野日向子選手はといえば、2アンダー3位タイと上々の滑り出しを見せました。

画像: 国内女子ツアー最終戦「LPGAツアー選手権リコー杯」の初日を2アンダー3位タイで終えた渋野日向子

国内女子ツアー最終戦「LPGAツアー選手権リコー杯」の初日を2アンダー3位タイで終えた渋野日向子

データを見ると、今日はフェアウェイキープ10回、パーオン13回といつもよりも少なめ。ただ、グリーンを外したホールでも難しいエリアに外していないことからピンチらしいピンチもなく、難なくパーをセーブする姿が見られました。

前半はショットが定まらず、5番、6番、7番とグリーンを外しますが、しっかりと寄せパーを重ねます。そして9番のパー5では206ヤードをユーティリティの4番でピン奥10メートルに2オン成功。しかしこれを1.5メートルショートし、バーディパットを外し、返しのパーパットも外すというまさかの4パットでボギーにしてしまいます。結局前半は伸ばせず、1オーバーで折り返します。

画像: 7番ホールでグリーンを外すもしっかり寄せてパーで切り抜けた

7番ホールでグリーンを外すもしっかり寄せてパーで切り抜けた

久しぶりのイーグルに「お久しぶりですね」

10番で2オン2パットのパーのあと、本日のハイライトは11番パー5でした。ドライバーでフェアウェイをとらえると残り202ヤードを9番ホールで使ったのと同じ4番ユーティリティで1メートル少しに2オン成功。見事、イーグル。ホールアウト後の記者会見では「ニトリレディス」の第2ラウンド以来と聞いて「お久しぶりですね」と“しぶこ語”でコメントしていました。

12番からも危なげなくパーを重ねます。15番で再びグリーンを外しますがしっかり寄せてパー。そして16番171ヤードのパー3で5番ユーティリティを振り抜くと1メートル少しにナイスオン。これもしっかりと決め2アンダー。

昨年よりも距離が長くなった18番ホールではドライバーをフェアウェイセンターに運び残り約180ヤードの打ち上げを2オン2パットのパーで締めくくりました。

画像: 11番パー5でこの距離に寄せてイーグルを奪う

11番パー5でこの距離に寄せてイーグルを奪う

今日も18ホールついて歩きましたが、今日のような難コンディションであっても簡単にゴルフをしているように見えました。風に合わせて弾道の高低を打ち分け、無理してピンを狙わずにグリーンを外した5回を寄せワンのパーでしのぎ、ボギーは4パットしたひとホールのみ。まるで”大人のゴルフ”です。いつの間にこんなゴルフができるようになったのかと改めて今シーズンの成長を感心しました。

選ばれた選手だけが出場する大会で2アンダーの3位タイでのスタートは上出来ではないでしょうか。本人は4パットがあったので70点と評しましたが、青木翔コーチはこのコンディションの中では合格点をあげてもいいと話していました。

今シーズンの集大成と本人も話しているように、要所要所を締めるゴルフができていました。芝目の強いコーライグリーンや、風の吹く難しいコンディションを攻略できたのは、ひとつには台湾で開催された米LPGAツアー「スウィンギングスカーツLPGA台湾」で強い風や芝目の強いグリーンを経験したことが生きていると思います。

もうひとつ、キャディを務める定由早織さんが働いていたコースがコーライグリーンだったこともあり、ラインやタッチの読みがばっちり。その辺りがしっかりとマッチした結果だと思います。

好スタートを切りましたが、賞金女王争いを繰り広げる鈴木愛選手とシン・ジエ選手も明日以降盛り返してくることは必至。ですが、最終日までそのことは考えずに自分のプレーに集中してプレーすれば、もしかして逆転で賞金女王なんてこともあるかも……そう思わせてくれるくらい、上出来の初日でした。

明日も、渋野選手のプレーを追いかけてみたいと思います。

This article is a sponsored article by
''.