いよいよ男子ツアーも閉幕し、トーナメント中継を観る機会が減る季節となってきた。「プロにとってはオフの時期は、アマチュアにとってしっかりと自分の攻め方を作り上げたい時期」だというのは関東在住匿名5下シングル氏。その真意は!?

アマチュアはいつだって「最終日最終組のゴルフ」をしている

テレビでゴルフ中継を観ると、ついついプロの攻め方に目がいってしまいますよね。

池を越えてすぐのピンを果敢に攻める。ワンオン可能なパー4で林の上空めがけてドライバーを振りちぎる……プロの攻め方は、見るものをワクワクさせてくれます。

ただ、そんな彼らの攻め方を真似ることは、アマチュアにとって百害あって一理なしだと私は考えています。池を越えてすぐのピンなんて狙うべきではないですし、パー4でワンオン狙いなんていうのも、悪い予感しかしません。

そもそも、プロだってそんな攻め方は普段しないんです。9割のプロは池越えのホールではグリーンセンターを狙いますし、ワンオン可能なパー4では、普通にレイアップを選択します。狙ってくるのは残りの1割。その日、優勝争いをしているプロたちだけなんです。

プロ野球でも、シーズン中の1試合と、日本シリーズの第7戦では戦い方が違いますよね。ゴルフでも同じで、優勝争いしている選手はいつもと違う戦い方をします。勝利をつかむために、いつもより多くリスクをとってくる。そんなプレーだけを、僕らは普段眺めているんです。

そして、僕らのゴルフは無意識にそんなプロたちのゴルフに影響を受けています。みなさんは、パー5で届く距離となったらなにがなんでも2オン狙いしていませんか? グリーン手前にバンカーがあるんですよ? でも、細い花道を駆け上がれはイーグルチャンスにつくかもしれないって? それができるのはタイガー・ウッズくらいですし、タイガーだって普段ならきっと刻みますって。

画像: リスクをとってピンぎりぎりを狙っていく、プロのゴルフは魅力的だが……(撮影/小林司)

リスクをとってピンぎりぎりを狙っていく、プロのゴルフは魅力的だが……(撮影/小林司)

というわけで、仲間との気の置けないラウンドにも関わらず、プレーの中身はプロの試合の最終日最終組のようリスクを最大限とりにいくゴルフをしているゴルファーは非常に多いと思うんです。でも、スコアメークするために必要なのは真逆のゴルフ。リスクをヘッジするゴルフです。むしろ、そちらがゴルフの本質と言っていい。

グリーン手前にバンカーが口を開けているパー5では届くとしても2オンを狙うべきではないですし、ガチ当たりしなければ池に入るという状況では刻んだほうがいい。そんなゴルフをして楽しいの? と思われるかもしれませんが、ショット力に大して差がないスコア90の人とスコア80の人の差は、このようなマネジメントの差であるケースはよくあります。

そして私は、ラッキーパンチは1回あったけどスコアは悪かった1日より、我慢してプレーした結果満足のいくスコアでまとめられた1日のほうが、ゴルフの満足度は高いと考えています。もちろん、ベストスコアの更新につながるのも後者です。

最後に、蛇足ながら、シングルクラスになってくると、今度はリスクを背負って2オン狙いをしなければならない場面が出てきます。5番ウッドで刻んで、ウェッジで乗せてパーは誰にでもとれる。でも、たとえばパープレーや60台というスコアを目指すには、ふたつで乗せてバーディを狙う必要が生じるケースもあるんです。2オンを狙って成功したという体験を積み重ねるために、私も2オンを狙う場面は多くあります。でも、それはスコア80を切ってからの話。

すべてのパー5で2オンを狙わない。そう決めるだけでも、スコアは意外と縮まってしまうかもしれませんよ。

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