三井住友VISA太平洋マスターズでアマチュア優勝の快挙を成し遂げた東北福祉大3年。金谷拓実が、オーストラリアのナショナルオープンである、オーストラリアオープンで4日間トータル9アンダー、3位タイという好成績を収めた。そのプレーぶりを現地で取材したゴルフスウィングコンサルタント・吉田洋一郎が語る。

ガルシア、アダム、ウーストハイゼンらメジャー王者を含む猛者たちと戦った

先週の土曜日の1日だけですが、金谷選手のプレーを現地で見ることができました。

画像: 15番パー3でティショットを放つ金谷。バーディパットはカップ淵で止まり、思わず頭を抱え……た直後にカップイン。ギャラリーを沸かせた

15番パー3でティショットを放つ金谷。バーディパットはカップ淵で止まり、思わず頭を抱え……た直後にカップイン。ギャラリーを沸かせた

まず最初に会場の雰囲気をお伝えすると、オーストラリアローカルの試合というよりも、れっきとした国際試合という印象です。立ち位置的には日本オープンと同じナショナルオープンですが、ルイ・ウーストハイゼン、セルヒオ・ガルシア、ポール・ケーシー。アダム・スコット、マーク・リーシュマン……と錚々たる顔ぶれが集まり、セッティングも難しく、メジャーの裏開催、あるいは翌週開催のPGAツアーの平場の試合くらいのフィールド(出場選手層)の厚さです。

冠スポンサーはエミレーツ航空で、スタンドも大きく、お客さんもたくさん入っていました。ナショナルオープンだけに、地元オーストラリアの選手たちは気合十分。インターナショナルプレーヤーたちの中には、今週開催の世界選抜と米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」のための貴重な調整の場でもあり、レベルは非常に高い試合と言えます。その中で3位タイ。もちろんアマチュア最上位フィニッシュですから、見事です。

私が見た土曜日は風が強く、ピンも難しいところに切ってあって、なかなかスコアを伸ばせない展開でしたが、金谷選手はパーオンを逃したホールでも上手く寄せワンでしのぎ、とくに2、3メートルのパットをよく沈めてスコアメークをしていました。

金谷選手について歩いていると、ナショナルチームで金谷選手を指導する、ガレス・ジョーンズコーチを見かけたので、声をかけてみました。金谷選手の強さはどこかを聞くと「一番はメンタル。自分に自信を持っているのは彼のベストウェポン」と教えてくれました。技術的にも年々良くなってきているといい、ジムで鍛えている成果で距離も出てきているそうです。そして、「グレートパターの持ち主」という言葉には深く納得がいきます。タッチも読みも良く、スコアメークの能力は非常に高いと思います。

タイプ的に似ているのはジョーダン・スピースでしょうか。飛ばし屋ではありませんが正確性の持ち主で、パッティングの冴えでスコアを作るゴルフです。もちろん、だからと言ってショットが悪いわけではありません。基本ドローボールで、逆球も見られません。

この大会の結果が良かったからというわけではありませんが、やがてPGAツアーでも勝てる逸材だと思います。さらに上に行くためには、今よりもっとスウィングに磨きをかけ、飛距離アップを果たしたい……といったところでしょうか。

まだ大学3年生、時間は十分にあります。

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