石川遼の2019年シーズンはシーズン3勝を挙げ、最多勝という結果となった。開幕戦を腰痛のため欠場し、自身の初戦となった中日クラウンズではゴルフ人生初の棄権を経験。いわばどん底から見事なカムバックを見せたこの1年、石川遼になにが起き、昨年とどう変化したのだろうか? データから読み解いた。

ティショットの指標が大幅に良化。2オン率が上昇し、パー5のバーディ率が1位に

石川遼のスタッツで注目したいのは全体の1位となっているバーディ率、なかでもパー5のバーディ率だ。石川のスタッツを見ると、昨年はパー3、パー4でのバーディ率はともに3位タイだったが、パー5でのバーディ率は30位タイだった。

それに対して、今年はパー3が3位タイ、パー4が4位タイだったのに対して、パー5は1位。数字も0.40から0.56と大幅に良化している。

画像: 今季3勝を果たした石川遼(写真は2019年のパナソニックオープン 撮影/有原裕晶)

今季3勝を果たした石川遼(写真は2019年のパナソニックオープン 撮影/有原裕晶)

これを実スコアの面から見ると、昨年はパー5で通算75アンダー(23試合)だったのに対し、今年は通算104アンダー(19試合)と、高いバーディ率を背景にパー5で大きくスコアを伸ばしていることがわかる。

そして、それを支えているのが、パー5での2オン率。昨年7位に対して今年は1位の21.53%と、より高確率で2オンに成功している。

そしてパー5での2オン率上昇の背景にあるのはなにかといえば、ドライバー平均飛距離の向上(289.35ヤードでで22位から300.92ヤードで9位へ)と、フェアウェイキープ率の上昇(44.50%で96位から52.33で66位へ)だろう。

昨年まではティショットに苦慮する姿が見られた石川だが、今年は飛距離・正確性ともに大幅に向上。それが2オン率の向上をもたらし、パー5でのスコア向上をもたらしたようだ。

10代のころの、恐れを知らずにドライバーを振り切る印象的な姿から、石川=ドライバーの印象があるが、近年はドライバーショットはむしろ石川にとって悩みのタネだった。実際、石川はシーズン開幕前、契約先のキャロウェイの新製品発表イベントの際、インタビューにこう答えている。

「ここ5年ぐらいドライバーで悩んでいて、一番悩んでいたのはスウィングのタイミングが他のクラブと比べてずれてしまうんですね。テストするといいデータのクラブはあるんですけど、シーズン通してみるとどうしてもアイアンに近づけたくなっちゃって、スピンを増やしていっちゃうんですよね、ドライバーで」

実際、この日に昨年のエースドライバー「XR-16」で打った弾道はスピン量3000回転ほどと多めの数字を計測していた。アイアンと同じ感覚で打つとそのような数字になると石川は説明し、「(新しいドライバーでは)スピン量を2200から多くても2300回転くらいに留めたい」と語っていた。

迎えたシーズン終盤、その数字はどうなっていたか。三井住友VISA太平洋マスターズの練習日に計測したトラックマンのデータを見ると、スピン量は2143回転で、キャリー301.6ヤード、トータル326.4ヤードという見事な数字。新たなエース「エピックフラッシュ トリプルダイアモンド」と、地道に取り組み続けたスウィング改造の成果が、そこには現れている。

画像: 三井住友VISA太平洋マスターズの練習日に計測したトラックマンデータを見ると、スピン量は2143回転。スウィング改造の効果が表れている

三井住友VISA太平洋マスターズの練習日に計測したトラックマンデータを見ると、スピン量は2143回転。スウィング改造の効果が表れている

シーズン最多勝を決めた「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の開幕前、石川は、2019年を向こう2、3年を戦うための土台ができた1年と総括した。その言葉は、実績の上からも、データ面からも実証されたといっていいだろう。

首の皮一枚つながったと語る五輪出場権を賭けた石川遼のオリンピックイヤーは、2020年1月16日開幕のSMBCシンガポールオープンからフルスロットルの戦いが求められることになる。今年築いた土台の上で躍動する石川遼のプレーを見るのが、早くも楽しみになってきた。

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