オーストラリアのロイヤルメルボルンGCを舞台に幕を開けた、米国選抜と欧州を除いた世界選抜の対抗戦、ザ・プレジデンツカップ。その初日の模様を、ゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎がレポート!

タイガー・ウッズは一人気を吐く

プレジデンツカップ初日、タイガー・ウッズの組を数ホールと、松山英樹選手の組をほぼ全ホール見てきました。

終わってみれば、世界選抜チームが4勝、米国選抜が1勝と、米国圧倒的有利の下馬評を大きく覆す結果となりましたが、米国チームで唯一気を吐いたのがタイガー・ウッズ、ジャスティン・トーマス組でした。

画像: 米国チームに唯一の勝ち星をもたらした、プレーイングキャプテンのタイガー・ウッズ

米国チームに唯一の勝ち星をもたらした、プレーイングキャプテンのタイガー・ウッズ

対戦相手はオーストラリアのマーク・リーシュマンとチリのホアキン・ニーマン組でしたが、1番ホールからタイガーがセカンドショットの40ヤードのアプローチをビタッと寄せてバーディで先制パンチ。2番もバーディ。5番ではチップインバーディを決めるなど、付け入る隙がありません。

終わってみれば4&3(3ホールを残して4マッチ差)で勝利し、とったホールは8ホール。リーシュマン・ニーマン組も4ホールとっているのですが、これでは勝ち目はありません。タイガーがアメリカチームのキャプテン兼エース、という雰囲気になってきましたね。

松山英樹は初日からガッツポーズ!

さて、一方の松山英樹選手は世界選抜のエース格の一人。今日は台湾のC.T.パンと組んで、パトリック・リード、ウェブ・シンプソンのメジャー王者組とのマッチです。

画像: 松山英樹はC.T.パン(左)と組み、パトリック・リード(右から2番目)、ウェブ・シンプソン(右)組と対戦した

松山英樹はC.T.パン(左)と組み、パトリック・リード(右から2番目)、ウェブ・シンプソン(右)組と対戦した

C.T.パンは、身長も低く、飛距離も出ない選手。今年PGAツアーで勝っているとはいえ、松山選手が引っ張らないと厳しいマッチになるかなと勝手に思っていましたが、米国選抜がバーディを決めたあとで難しいパットを入れ返したりと、随所で勝負強さを見せていました。

「僕が微妙なパットが残っているときに全部(先に)決めてくれたのですごく助かった」と松山選手もコメントしていますが、本当にいいパットを沈めていました。

さて、松山選手はショットが好調。コースはグリーンが非常に硬く、3番パー3ではシンプソンのピン手前に落ちた、普通だったらナイスショットという1打が3メートルくらい上に跳ね、グリーン奥まで行ってしまいましたが、同じホールで松山選手はピンの20メートルくらい手前に落として上手く寄せ、バーディ。

「ショットに関してはアーニーの指示通りにできたかなと思う」とは松山選手の弁。前日の練習ラウンドで、アーニー・エルス主将が事細かに指示を出す姿が見られましたが、それを的確に実行できるのはさすが。スピン量の多さと、スピンコントロールの上手さを持つ松山選手とコースの相性は悪くなさそうで、明日以降も活躍が期待されます。

マッチは16番でリードが難しい下りのパットを沈めてタイとした直後、17番ホールで松山選手がねじ込んだバーディパットが事実上のウイニングショットとなったのですが、ボールがカップに沈んだ瞬間、松山選手は派手にガッツポーズを見せてくれました。普段なら最終日の優勝争いの中でしか出さないようなガッツポーズが初日から出るのは、チーム戦ならではですね。

一方、少々気の毒だったのがリード。先週の試合でバンカーから打つ際、バックスウィングで故意に砂を飛ばしてライを改善したとして2打罰を課せられたのですが、それが大きな話題となっており、リードがバンカーに入れるたびにギャラリーが大歓声。その屈辱(?)に耐えながら、よくプレーしていました。

とにもかくにも初日に3ポイントリードしたのは世界選抜。米国選抜としては明日の巻き返しがマストという状況の中、松山英樹選手は韓国のアン・ビョンフンとチームを組み、ひとつのボールを交互に打つ「フォアサム」を戦います。

注目は、その対戦相手。松山ペアにタイガーキャプテンがぶつけてきたのは……なんとタイガー・ウッズ、ジャスティン・トーマス組! 初日に唯一勝利を挙げた“切り札”を松山選手チームにぶつけてきました。これは「相手のエースをつぶす」という意図でしょう。それだけタイガーが松山選手を警戒していることがわかります。

画像: 明日は松山VSタイガーの“エース対決”が実現!

明日は松山VSタイガーの“エース対決”が実現!

日本のゴルフファンにとっては最高の展開になったプレジデンツカップ。世界選抜リードの状況に、「みんながいいプレーしたのがこの結果だと思う。明日も続けていきたい」と松山選手は気力十分。明日も目が離せません。

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