プレジデンツカップ敗戦をバネにアダム・スコットが欧州&豪州ツアー共催のオーストラリアPGA選手権で復活優勝を飾った。豪州ツアー通算11勝目、世界通算30勝目を挙げた39歳が3年9カ月ぶりに勝利を掴んだ要因とは?

勝てなかった数年間「自分のスウィングを見直した」

スコットのスウィングはよく“教科書のよう”と評される。海外のプロにベストスウィンガーは誰かを尋ねると決まって名前が挙がるのがスコット。アマチュアだけでなくプロもその美しいスウィングに憧れる選手は多い。

しかし勝てなかったここ数年本人は改めて「自分のスウィングを見直した」のだという。

まず取り組んだのがバックスウィング。「トップでクラブフェースが少しだけ空を向いていて欲しい。クローズにフェースを使いたいというのがあったんだ。口じゃ上手くいえないけれど“ここ”に上
げるっていうポイントが見つかったのが大きかった」

もうひとつはインパクト。「最近はインパクトが以前よりずっとクリーンになってきたと思う。ここ18カ月、インパクト前後で手をより低い位置に通せるようになった。振り方を変えたというよりは、ポスチャーの改善が功を奏したんだと思う」

画像: 笑顔が爽やかで“イケメン”のアダム・スコット。いい人オーラも身にまとう(2019年全米オープン 撮影/有原裕晶)

笑顔が爽やかで“イケメン”のアダム・スコット。いい人オーラも身にまとう(2019年全米オープン 撮影/有原裕晶)

トップとインパクト。スコットほど完成されたプレーヤーがどれほどの時間を費やし改善を行ったのかを思うと気が遠くなる。

以前から「ポスチャーさえ正しければあとはなにも考えずに振るだけでナイスショットは打てる」といっていたスコット。今回スウィングの微調整がハマり久々の勝利を挙げたことで「これからいくら
でも勝てそうな気がする。この自信が大事。来年が楽しみになってきた」。

18年には一時70位台に低迷していた世界ランクも母国での勝利で13位に返り咲いた。「マスターズ(優勝)も視野に入っている」という。

スコットといえば日本オープンにも毎年参戦する親日家でもある。 18年&19年と欧州ツアーで孤独な戦いを続けた宮里優作と同じ年(39歳)で、ツアーで会えば「ミヤザトさん!」と気さくに声をかけてくれるのだとか。

見た目は端正でスウィングは美しい。その上性格も非の打ち所がない優等生とくれば。なにか裏がありそうだが、それがない。“いい人アダム”は40代になっても活躍し続けて欲しい選手のひとりだ。

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