今年のプロテストに合格すると、迎えたQTファイナル(来季の出場権を賭けた予選会)で初日トップに立って注目された河野杏奈。果たして彼女はどんな選手? 本人に話を聞いた。

河野杏奈は「黄金世代」と「プラチナ世代」に挟まれた1999年生まれ

河野杏奈(こうの・あんな)は東京都世田谷区出身で1999年11月7日生まれ。渋野日向子ら黄金世代のひとつ下、古江彩佳・安田祐香らプラチナ世代の間、稲見萌寧らと同じ世代だ。

画像: 2019年シーズンからレギュラーツアーを主戦場とし戦う河野杏奈(撮影/大澤進二)

2019年シーズンからレギュラーツアーを主戦場とし戦う河野杏奈(撮影/大澤進二)

ゴルフの強豪校して知られる千葉・麗澤高校を卒業した2018年に初めて挑んだプロテストでは合格を勝ち取ることはできなかったが、2019年、2度目の挑戦となるプロテストで15位タイ。見事、合格を果たした。

QTファイナル上位通過で2020年ツアー前半戦出場権獲得

そして迎えたQTファイナルでは初日「66」の6アンダーを叩き出し、木戸愛と並んでトップにたった4日間のトータルでも6アンダーと、その後さらにスコアを伸ばすことはできなかったが、最終順位は7位と上位。2020年シーズン前半戦の出場権を確保した。

木戸愛らツアー優勝経験者がひしめくQTファイナルの場で、新人女子プロの河野がいきなり活躍できた理由を聞くと、その背景にはプロテスト合格組は翌年のステップ・アップ(下部)ツアーには出られるという仕組みが大きいようだ。

「もうステップは出られると決まっていたので、思い切ってやるだけだなと、けっこう気軽にやっていました。緊張はそんなになくて、自分のゴルフがちゃんとできたかなと思いました」(河野、以下同)

万が一失敗しても、来年プレーする場がなくなるわけではない。その心の余裕がリラックスしたプレーにつながったようだ。もっとも、「でも多分最初(のQT)だからだと思います。来年もしQT受けるとなったら緊張しちゃうと思います(笑)」と本人。いずれにせよ、緊張せずに参加できる立場を生かしてきっちり結果を出すのは実力のある証拠だろう。

河野杏奈の飛距離は260ヤード級。葭葉ルミ、穴井詩クラス!?

そんな河野の最大の武器はなんといっても“飛ばし”だ。

「得意なクラブはドライバーです! 飛距離は260(ヤード)……くらいかな。持ち球はほぼストレートですけど、ドローです」

ちなみに、2019年の女子ツアーの部門別データを見ると、平均飛距離260ヤードを超えているのはただ一人しかいない。すなわち、1位の穴井詩(260.67ヤード)だ。ただ、本人のこの言葉はなにも“盛っている”わけではない。

画像: 260ヤードという圧倒的な飛距離を武器にレギュラーツアーで戦う河野杏奈

260ヤードという圧倒的な飛距離を武器にレギュラーツアーで戦う河野杏奈

とある女子ツアーに詳しいプロゴルファーが見たところ、「穴井詩、葭葉ルミ級の飛距離の持ち主」だと太鼓判を押す。となればツアー屈指の飛ばし屋ということになり、来季は河野の飛距離がツアー会場をザワつかせるかもしれない。

「ドライバーで飛ばして、セカンドで短いクラブで打てるのでそれをピンそばにつけ……たい! 今はつけられてません(笑)。なので、オフの間にショートアインを練習して、レギュラーではそういうプレーをしたいと思います」

河野杏奈の憧れは「成田美寿々」。最終目標は賞金女王!

自分の長所と短所は把握済み。ドライバーで飛ばしてピンを狙っていく攻撃的ゴルフを、今は磨き上げている真っ最中のようだ。そんな河野はプロコーチ・井上透の門下生。憧れのプロを問うと、同門ということもありかねてから親交のある成田美寿々の名前が挙がった。憧れの成田と同じ舞台での同組プレーを、河野は楽しみだと語る。そしてもちろん、“目標”はそれとは別にキチンとある。

「(2020年シーズンは)リランキングで上位に入って、シードを取りたいです!そして(将来的には)レギュラーツアーで勝って、賞金女王になりたいなと思います!」

夢はでっかく賞金女王。来季ルーキーイヤーを迎える河野杏奈が自慢の飛距離でどこまでやってくれるか、大暴れを期待したい。

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