2019年は渋野日向子がAIG全英女子オープンを制し、彼女が使用するピンのクラブに注目が集まった。2020年はどんなゴルフギアが注目されるのだろうか。ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが予測した。

トレンドは「曲がらないクラブ」。今年はそこに“振り切りやすさ”がプラス!?

編集部から、来年のゴルフギアのトレンド予測をして欲しいという依頼があったので書いてみたい。機能面でいえば、近年は大型慣性モーメントのドライバーが隆盛で、いわゆる曲がらないクラブに人気が集まった。2020年もその傾向は続くだろう。

2019年に関していえば、ピン「G410プラス」が大ヒット、テーラーメイドでいえば、ツアープロが多数使用する「M5」よりも、よりやさしい「M6」に人気が集まった。ヤマハ「RMX120/220」のように、国内メーカーからも大慣性モーメントに舵を切るところが出てきて、今後はさらにそのトレンドに追随するメーカーが増えるのではないだろうか。打点のブレに強く、大きなミスになりにくいこれらのクラブは、今後も人気になると思う。

画像: 全英女王・渋野日向子のエースドライバーも「ピン G410̟ プラス」(写真は2019年のリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

全英女王・渋野日向子のエースドライバーも「ピン G410̟ プラス」(写真は2019年のリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

その中で、2020年のトレンドを予測するならば、より振り切りやすさを強調したモデルが増えるのではないか。大慣性モーメントのクラブは、物理的なやさしさがある反面、人が使う道具としては振りにくい、扱いにくいというデメリットがある。そのあたりは、ゴルファーにも周知されてきているので、大きな慣性モーメントを維持しながら、つかまりやすさや扱いやすさに、より配慮したクラブが注目されるのではないだろうか。

オリンピックがあることで「プロ使用モデル」に例年以上の注目が集まる!?

そしてもう一点。2020年はなんといっても東京五輪イヤーだ。ツアーの盛り上がりに加えて、五輪の代表選手決定プロセスや自国で行われる五輪のゴルフ競技は、大きな注目を浴びるだろう。秋には、今年も「ZOZOチャンピオンシップ」の開催が予定されていて、例年以上にプロゴルフが盛り上がりそうな雰囲気がある。

2019年の大きなニュースと言えば、渋野日向子の全英女子オープン優勝。そして、タイガー・ウッズのマスターズでの劇的復活優勝と「ZOZOチャンピオンシップ」での圧巻優勝だ。その影響はゴルフギアの領域でも絶大だ。渋野が契約するピンは空前の人気。もともと昨年あたりから売れていたところに、渋野の大活躍で突風並みの追い風が吹いた。彼女の愛用するパター、「シグマ2 アンサー」は、全英女子以降、パター部門で圧倒的なヒット商品になっている。

タイガーは、クラブもさることながら、ボールへの影響が大きい。彼が愛用するブリヂストン「ツアーB XS」は、昨年のツアーチャンピオンシップ優勝、マスターズ優勝、ZOZO優勝とタイガーが勝つごとに、シェアが大きく拡大したという。

画像: クラブだけでなくタイガーが愛用する「ブリヂストン ツアーB XS」も影響が大きかった(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

クラブだけでなくタイガーが愛用する「ブリヂストン ツアーB XS」も影響が大きかった(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

強い選手、華のある選手への憧れは、自然と同じ道具を使いたいという気持ちにさせる。プロゴルフの盛り上がりは、使う道具への注目に通じるだろう。ツアー前半戦や東京五輪本戦、そして賞金王争いが加熱する秋の陣と、活躍するプロが使う道具に、より注目が集まると予測する。渋野の例を見るまでもなく、ゴルファーは道具に機能だけでなく、その奥にあるストーリー性を強く求めているからだ。

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