日本女子ツアー2020年シーズン開幕に先駆け、プロゴルファー・中村修が注目女子プロをご紹介。今回は初のシード権を獲得し初優勝を目指す大西葵をピックアップ!

兄・大西翔太のアドバイスでパターイップスを克服

来たる日本女子ツアー2020年シーズン、注目しておきたい要注目の女子プロの一人が大西葵選手です。2019年シーズンでは賞金ランク43位となり、自身初となるシード権を獲得しましたが、今季はさらなる飛躍が期待できると思っています。

画像: 2020年注目の女子プロ・大西葵(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

2020年注目の女子プロ・大西葵(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

大きなきっかけとなったのは、昨年9月開催の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」での2位タイフィニッシュでしょう。その後「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で7位タイ、「日本女子オープンゴルフ選手権」で13位タイと、上位に顔を見せる機会も増えた印象です。

ただ、2019年シーズン前半、彼女はパターイップスに苦しんでいました。ミスへの恐怖心からパターが打てなくなってしまうという、ゴルファーが陥りがちな病のひとつですね。読者の方の中にも、その症状に悩まされている方がいるかもしれません。

私が見た限りでも、4月開催の「フジサンケイレディスクラシック」の練習日では、キャディバッグの中にパターを7本も入れていました。パターイップス改善のため様々なパターを試していたそうなんですが、転戦続きで自宅に送る暇がなく、気付けばこんな状態になっていたのだと当時語ってくれました。

画像: フジサンケイレディスの練習日、大西のキャディバッグには合計7本ものパターが入っていた

フジサンケイレディスの練習日、大西のキャディバッグには合計7本ものパターが入っていた

パターイップスから大西を救ったのは、実の兄で青木瀬令奈選手のコーチ兼キャディを務める大西翔太コーチでした。「腹筋に力を入れてやって(打って)みたら?」という兄からのアドバイスでパター復調のきっかけをつかんだようです。

石井忍のサポートでショットの精度も向上

後半戦で好成績を出した要因として、石井忍コーチのサポートを受けるようになったことも大きいでしょう。石井コーチに話を聞いたところ、もともと左へのスライドが多いスウィングだったのを、トルク(回転)を重視するスウィングへとチェンジ。加えて、インサイドアウト軌道が強くなり過ぎないように指導しているそうです。

石井コーチも「彼女はゴルフがうまい」という表現で、大西のポテンシャルを評価しています。ここでいう“ゴルフがうまい”というのは、“スコアをまとめる力が高い”ということ。大西の持つその強みと、ウィークポイントであるパッティングとショットの精度が向上したことで、日本女子プロ選手権での2位タイという結果が生まれたわけです。

オフシーズンでは、アプローチの強化にも取り組んでいると石井コーチ。

「アプローチもちょっとワンパターンだったので、今は質の高い、ボールを押せるピッチ&ランに取り組んでいます。シャローな軌道でクラブが入ってくるので、アイアンやロングショットにも好影響があると思います」(石井)

2020年の目標として、「1勝と賞金5000万円」を掲げているという大西。1勝とは、すなわち彼女にとっては「初優勝」と同義です。アグレッシブに攻めないと予選通過も厳しい日本女子ツアーですが、十分目標を達成できるポテンシャルがあると私は思います。

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