「成人の日」の13日。ゴルフ界でもS・ランクンや稲見萌寧など、1999年生まれの新成人の仲間入りをした。そんな人生の門出の日を迎えるにあたり、この年代の出世頭でもある稲見は「もちろん大人の女性は目指しますが、これだけは……」というものがあるという。

成人の日も「練習です!」(稲見)

昨年の「センチュリー21レディス」で見事、プロ初優勝を飾った稲見萌寧。賞金ランキング13位と初の賞金シード権も獲得し「2度目の優勝はもちろん、毎週、優勝争いをすることが今年の目標です」とプロ2年目にさらなる飛躍を目指している

当初は成人式で着る予定で稲見家では祖母の代から伝わる着物も、新人賞に輝いた昨年のLPGAアワードの晴れ舞台で着用し「着物も着れたので成人式は行きません。練習です!」とキッパリ。「日本一になるためには、日本一の練習をしないと」と20歳はまったく浮かれた様子がない。

画像: 新人賞に輝いた昨年LPGAアワードでは祖母の代から伝わり、成人式で着用予定だったという晴れ着で登場した稲見萌寧(写真は19年「LPGAアワード」撮影/岡沢裕行)

新人賞に輝いた昨年LPGAアワードでは祖母の代から伝わり、成人式で着用予定だったという晴れ着で登場した稲見萌寧(写真は19年「LPGAアワード」撮影/岡沢裕行)

男前コメント「多分、これからも勝手に出ちゃう(笑)」

「もちろん成人になったので、より大人の魅力を出せる女性を目指す気持ちは高めていきたい」と話す稲見だが、一方で「これからも多分、勝手に出ちゃうと思います」と話すのが、高橋彩華ら他の同年代プレーヤーからも「男前」と言われる発言の数々だ。

これまでの‟男まさり“発言を以下に紹介したい。

「今日は前半、勝負にかける執念が足りなかった。8番、9番は‟ガッツパー“です。技術でなく気持ちで獲りました。あれがきっかけで勝負師としてのスイッチが入りました」(『富士通レディース』最終日ホールアウト後)

「自分のなかの闘争心が蘇りました。これから最終戦まで『休み』はなしです。初優勝してから今までがぬるかった。自分に甘さがある限りは勝てない。明日から闘争心むき出しでプレーしようと思います」(『NOBUTA GROUP マスターズGCレディ―ス』最終日ホールアウト後)

「燃えています。『ここでやらなきゃ、いつやるんだ?』という気持ち。石にかじりついてでも上位に入りたいです!気合いを入れるためにネイルも真っ赤に塗り直しました。『燃える赤です!』」(『LPGAツアー選手権 リコーカップ』練習日)

ツアー屈指の高い女子力も「そういう気持ちでやっていかないとダメ」(稲見)

普段はおしとやかで周囲のツアーメンバーからも「女子力の高さ」を評価されることが多い稲見。だが、大会中のコメントは男子プロ!? と勘違いするほどの力強い文言が並ぶ。なぜそうなってしまうのか、本人に聞いてみた。

「よく言われますね(笑)。それは私が普段からいつも男子とばかり練習しているから、どうしてもそういう言葉の表現になっちゃうのだと思います(笑)」

試合直後はアドレナリンが出ていることもあり、どうしても発言が逞しくなりがちになるのは想像できるところだが、稲見自身、成人を迎えた後も「そこに関しては、ありのままで」という気持ちが強いという。

画像: LPGAに続き、GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)での「新人賞」に輝いた稲見。普段はおしとやかなお年頃の女性も、ひとたびコースに足を踏み入れると豹変⁉する

LPGAに続き、GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)での「新人賞」に輝いた稲見。普段はおしとやかなお年頃の女性も、ひとたびコースに足を踏み入れると豹変⁉する

「実際、そういう気持ちでやっていかないと私はダメだと思っています。どこかで弱音を吐いてしまったら、それが『負け』だったり『ミス』だったり、負の要素になる何かになってしまうのではないか、という気持ちがあるからです。そうなってズルズルといってしまいそうな自分が怖い。だからあえて、そういう表現の言葉を発するのだと思います」

無意識とはいえ、精神面で弱気に陥ることのないように、自分自身に‟暗示”をかける意味でも稲見にとって「男前ワード」は欠かせない要素でもあるようだ。

最後に今後のプロ人生の意気込みを聞いた。

「『何が何でもやってやる!』。お気に入りワードですね(笑)」

美しき勝負師として、これからも女子プロゴルフ界を男前に生き抜いていくつもりだ。

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