ゴルフをプレーする人の多くは社会人。それだけに、仕事やプライベートで問題を抱えているとそのモヤモヤをコースに持ち込んでしまい、せっかくのゴルフなのにプレーに集中するのが難しくなってしまうということもある。そういったモヤモヤを消すためにはどうするべきか。プロも教えるメンタルコーチ・池努からメンタルテクニックを教えてもらった!

「未完了」が少ない状態でコースに行こう

あなたはゴルフでこんなことはありませんか?

「仕事で担当しているプロジェクトでトラブルが起こっていて、解決しなければ進捗が遅れ納期に間に合わなくなりそうだ。週明けの月曜日が憂うつだ……。さらに先日から奥さんとは夫婦喧嘩の真っ最中。これも解決しておきたいけど、なかなか難しいよな……」

さあ、あなただったらこのような状況でゴルフに十分に集中できるでしょうか? 多くの方はこのような状況下でのゴルフに集中したくても高い集中力は発揮できないのではないかと思います。このように私たちは未完了なことが多くなればなるほど頭のモヤモヤが増えていき、パフォーマンスに影響してしまいます。

画像: モヤモヤの原因である「未完了」を整理していこう!(撮影/大澤進二)

モヤモヤの原因である「未完了」を整理していこう!(撮影/大澤進二)

スポーツ心理学ではこのようにゴルフのプレー以外のことに気を取られてしまっているような状態を「処理資源不足理論」と呼びます。

今の状況で何のためにどんなプレーをすべきか、そしてそのために何に注意をすべきか、このような意識や注意のことを「処理資源」といい、例にも出したようなプレー以外の未完了ごとや他人からの評価や結果への不安などにより、プレーに割り当てる資源が不足するとパフォーマンスが低下する可能性が高いのです。

つまり、ゴルフへの集中力をあげるにはこの処理資源不足につながるような気がかりを減らしておくことが重要なのです。

私がメンタルコーチとしてアスリートへメンタルトレーニングを行っていく際、はじめに選手の現状の状態を知るためにいくつかのヒアリングを行っていきます。当然、競技でのメンタル的な課題も詳しくヒアリングするのですが、以外に思われるのが「競技外の現状」もヒアリングするということです。

とくに大事にしているのが「解決したいけど先延ばしにしていることは?」「やろうと思っていてやっていないことは?」という未完了ごとについての問いです。
「パートナー(結婚相手など)との関係性がストレスになっている」
「お世話になっている会社の社長の圧力が大変」
「連絡をしようと思ってできていない友人や先輩、家族がいる」
「自分の競技を考えると付き合うべきではない先輩がいる」
「練習環境を変えたいと思っている」
「試したいと思っていてできていない練習方法がいくつかある」
「提出しないといけない書類関係が結構ある」
「トレーニングをとケアを十分にやりたいけどできていない」
「家や車の中を片付けたいけど散らかっている」

このようにアスリートも沢山の「未完了」を抱えているものです。大きな未完了ごとがある、または小さな未完了が多くあると練習でも試合でも処理資源不足につながる可能性があります。これは私が数多くのプロアスリートをサポートしてきた中での主観にもなりますが成果をあげ続けるアスリートほどこの「未完了」が整理されており、処理資源不足につながる要素が少ない傾向にあります。

もし最近、あなたがゴルフをしていてモヤモヤが多いなと感じるのであれば「未完了」を一度紙に書き出し、一つづつ完了することをおすすめします。そうするとゴルフに集中するための意識や注意などの処理資源が元通りに戻ることでゴルフのパフォーマンスもあがるかもしれませんね。

This article is a sponsored article by
''.