ミズノのニュードライバーST200、ST200X
ミズノが発表したニュードライバー「ST200」、「ST200X」。元々は海外で展開されていたシリーズで、今作が3代目にあたる。
フェース素材は、高反発を規制するSLEルール施行前に使われていた高反発素材「βチタン」を現在のルールを守りつつ採用。フェース中心部を厚肉にして、そのぶんフェース周囲部を薄くすることで、たわみを増幅させ、さらなる高初速を実現している。
さっそくプロゴルファー・中村修とノリーこと堀口宜篤がST200ドライバー2モデルを試打した。ちなみにノリーはドローが持ち球、中村はフェードヒッターだ。
試打クラブのロフト角はST200が9.5度、ST200Xが10.5度で、ネック調整機能はニュートラルな状態で使用。シャフトは、ST200が「ツアーGM 200 D」のSフレックス、ST200Xが「ツアーAD XC-5」のSフレックスを使用した。
左に行かないから叩いていける「ST200」
まずはST200から見ていこう。元々海外向けクラブだったこともあり、形状も「外ブラっぽい雰囲気です」と中村は言う。
「シャフトを地面と垂直にした状態でクラブをトウ側から見てみると(写真A)、ソール後方が上がっていて、接地したときにロフトがちょっと寝てフェースがカブらない、外ブラ的な作り方をしています」(中村)
「洋ナシっぽいディープさがありますね」と印象を語るノリーがそのままST200を一振りすると、カァン! と甲高い打音が響く。
計測結果を見てみると、キャリーは252ヤード、トータル279ヤード。打ち出し角は12.0度。ヘッドスピード45.3m/sに対してボール初速は67.4m/s。スピン量は2400rpmだった。
「(打音は」結構金属音っぽいんですけど、打感は柔らかいですね。そのあたり、ミズノっぽさはちゃんと残っています。左に行きづらく、高弾道かつ低スピンなのでランも出やすいですね」(ノリー)
続いては中村がST200を試打。キャリーは250ヤード、トータル278ヤード。打ち出し角は14.6度。ヘッドスピード44.2m/sに対してボール初速は65.7m/s。スピン量は1678rpmというかなりの低スピンに。
何球か打ったのち、中村は「振っていけるクラブです」とST200を評価する。
「どちらかと言えばつかまりにくいクラブで、ヘッドスピードがあってフックの傾向が強い方が使うと、安心して思い切り振っていけそうです。スピン量が少ないとバカ飛びしますよ」(中村)
やさしくつかまえる「ST200X」
続いて、ST200Xを見てみよう。ST200と比べてややシャローフェースで、ソール部ヒール側にウェートビスが装着されていることで重心距離が短く、つかまりやすい設計となっている。
まずノリーがST200Xを打つ。キャリーは256ヤード、トータルは284ヤード。打ち出し角は13.3度。ヘッドスピード45.2m/sに対してボール初速は67.3m/s。スピン量は1840rpmという結果になった。
「僕はST200Xのほうが好きですね。こちらのほうがつかまえてくれるイメージがあって、アドレスしてもやさしく感じます。スピン量も少ないですし、打感も柔らかいです」(ノリー)
続いて中村がST200Xを打つ。すると、キャリーは246ヤード、トータル263ヤード。打ち出し角14.6度。ヘッドスピード44.9m/sに対してボール初速は66.9m/s。スピン量は3507rpmだった。
「球は高くて曲がり幅は狭いです。スピン量はそこそこ多めで、たとえばドローに打とうとすれば応えてくれます。そういうコントロール性も高いですね」(中村)
興味深いのが、ドローで打ったノリーが低スピンなのに対してフェードで打った中村はスピン量が多かったこと。「この傾向はST200、ST200Xの両方に言えることです。両モデルともスピン量は当たり所やクラブ軌道でだいぶ特性が変わってきそうです」と中村。
では最後に、ST200とST200X、それぞれどんなゴルファーにオススメなのだろうか。
「ST200Xは、ネック調整機能やシャフト選びによって、どのヘッドスピードのゴルファーでも扱えそうなモデルです。対してST200はやはりヘッドスピードが速くて叩ける方向けのクラブと言えるでしょう。とくにドローヒッターの方は、スピン量もグッと少なくなってくるのでかなり飛びそうですね。ティの高さや入射角でマッチするモデルが変わってくるので、試打して合うほうを選んでほしいですね」(中村)
協力/PGST