契約先のピンの新製品発表会に鈴木愛とともに登場して会場を沸かせた渋野日向子。今年もツアーの中心選手となるのは確実だ。

渋野が使う「シグマ2 アンサー」は今も数カ月待ち状態

「G410」シリーズがバカ売れし、2019年に大きな躍進を遂げたピン。その新製品発表会が都内で行われた。会場に行くと、いつもよりもかなり来場者が多く、地上波のTVカメラも入って、何やら物々しい雰囲気だ。その理由は、契約プロである渋野日向子が登壇するためだった。

新製品の情報はすでに多く出ているので、本記事では、発表会に登場した渋野の様子をレポートしてみたい。ちなみに渋野と一緒に、昨年の賞金女王、鈴木愛も登壇していた。この記事ではほとんど言及しないが、他意はないので、ご容赦願いたい。

画像: ピンの発表会に登壇した渋野日向子(左)と鈴木愛(右)

ピンの発表会に登壇した渋野日向子(左)と鈴木愛(右)

余談だが、ピンは、こうした仰々しい雰囲気とは無縁の、家庭的な雰囲気があるメーカーだ。創業者一族のソルハイム家が今も経営に携わっていることもあるし、ピンゴルフジャパン内に社歴が長い人が多いこともその理由だろう。そして、彼らにピンのフィロソフィーへの共感を強く感じる。

昨年、渋野がルーキーながら早々と2勝を挙げた頃、ピンゴルフジャパンの岡田健二副社長に、この活躍を予見していましたか? と聞いてみたことがある。岡田氏は「いえいえ、年初に挨拶に来てくれたときは、まずはツアーの雰囲気に慣れようねと言っていたくらいですから」と笑った。その時点でもルーキーとしては十分すぎる成績だったが、渋野はその直後に、全英女子オープンに優勝し、一躍、時の人となった。

シブコ効果は絶大で、ピンゴルフジャパンでは売れ行きが好調すぎて在庫が足らず、他の国の在庫を日本に持ってきているという。渋野が愛用する「シグマ2 アンサー」というパターは、全英優勝後のわずか3カ月の間に、パターの部門で年間のモデル別1位を取るほど売れていて、現在も数カ月待ち。おそらく、世界中の「シグマ2 アンサー」が日本に集結しているだろう。

渋野の代名詞となっているピン型の「シグマ2 アンサー」だが、当の渋野からは、「マレット型のほうが正直好きなんですけど、コーチからピン型を使ったほうが良いと言われて、一昨年からピン型を使っています」と驚くようなコメントが聞かれた。筆者なりにその意図を推測すると、フェースの開閉を感じやすいパターで、しっかりとボールをとらえるストロークを身につけて欲しいという指導ではないかと思う。ここは青木コーチに直接聞いてみたいところだ。

画像: 「シグマ2アンサー」を愛用している渋野。本当はマレット型が好きだが、青木翔コーチの勧めもあって使用しているという(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

「シグマ2アンサー」を愛用している渋野。本当はマレット型が好きだが、青木翔コーチの勧めもあって使用しているという(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

発表会会場には、全英女子オープンのウィニングパットを再現した、強い下りスライスラインのパターマットが用意されていた。これは実際に見ると、よくこれが入ったなと思えるほど強い傾斜で、覚えている人も多いだろうが、渋野はドキッとするほど強いタッチでねじ込んだ。正直、あんなに強気で打てるラインにはとても見えない。大きめに膨らませて、タッチを合わせたい局面だろう。

しかし、渋野は何発か打った後に見事カップインさせていた。渋野も鈴木愛も直線的でやや強めのタッチで狙う。これはツアープロらしい、バーディを狙うためのパッティングで、アマチュアとは次元の違う、プロの凄みが垣間見られた。

スマイリングシンデレラと呼ばれる渋野だけに、笑顔を見せると一斉にバシャバシャとフラッシュが焚かれる。彼女は常に笑顔を求められているわけで、これは大変だなと改めて感じた。途中、渋野は「顔が疲れてきた(笑)」と、笑顔を求められることを笑いにしていたが、彼女らしいウィットを感じるコメントだった。若さに似合わず懐が深く、周囲の機微をとらえるのが上手い。

発表会が一旦終わるとそれから囲み取材、TV各局のインタビューとさらに1時間あまりを対応。その都度、東京五輪での意気込みを繰り返し聞かれている。各局はそれぞれコメントを撮らなくてはいけないのだろうが、スターは大変だと感じさせられる。

ツアーが始まれば、こんな日々が毎日続くことになる。二重三重にメディアが囲み、質問を繰り返す。十分な練習時間や休息が取れないこともあるだろうと思うと、筆者もメディアの端くれとして申し訳ない気持ちになった。

スター選手はこんな調子でハンデを背負って戦っているようなものだ。しかしそれでも勝つのが真のスターなのだろう。今年も何事もなく、活躍して欲しいと願わずにはいられなかった。

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