上級者ゴルファーや、プロゴルファーが「フェースに乗る」と表現するのをよく耳にする。果たして「フェースに乗る」というのはどういう意味なのか、ギアライター・高梨祥明がわかりやすく解説!

フェースに「乗る」と「ポッコン」の違いはどこに!?

ウェッジをテストしているプロや上級者が「すごくフェースに乗っていいね」とか、「このウェッジはフェースに乗りやすい」などと表現することがある。正確に書くと、インパクトで、フェース面に、ボールが、長く、乗っている感じがする、ということである。

画像: フェースに乗るとはどういうこと?

フェースに乗るとはどういうこと? 

その対義語として使われるのが「ポッコン」。インパクトの瞬間に、ボールが、フェースの上で、スリップしてしまう現象だ。フェースに乗ったアプローチよりも、ポッコン!と高く上がってしまうのが特徴で、打感も軽めだ。

さて、ではこのフェースに乗った状態をアプローチでどう作ればいいのか? 基本的にはインパクトで必要以上にフェースを上向きにしないことが肝心だろう。今回、タイトリストが発表したボーケイ・デザインSM8ウェッジ(3月発売)でも、ここに力点を置いて開発しているというから、その内容について紹介してみたい。

インパクトロフトを正しく保つ。新・重心設定とソールグラインドが鍵。

ボーケイ・デザインSM8ウェッジの製品説明を見ると、そのポイントが新しいロフト別の重心設定にあることがわかる。進化したプログレッシブCGというやつである。

ボーケイ・デザインウェッジでは、もともとSM6ウェッジからロフト角別に重心設計を変える独自設計を行なってきたが、今回は特にロフトの大きいモデルについて、さらにインパクトロフトが大きくなりすぎない工夫を施しているという。しっかりとボールをロフト通りにとらえることで、想定外にボールが高く上がってしまうことを防いでいるのだ。

画像: SM8を試打。フェースセンター付近に打点が集中、これも「フェースに乗った」ことの証し。

SM8を試打。フェースセンター付近に打点が集中、これも「フェースに乗った」ことの証し。

最近のウェッジがいくらフェース面の平滑性を高め、溝の容積を増やし、エッジをシャープにすることでスピン性能を高めていても、フェースの角度を適正化できなければその最新加工技術は活かされない。スピンをかけたければ、まず、ボールをフェースの上でスリップさせないことが鉄則なのである。

さらに正しいアングルでインパクトを迎えられても、それだけでは完璧にフェースに乗った状態が作られるわけではないという。万全を期すなら、もう一つの重要なポイント「目標方向に正しくソール(ヘッド)を滑らせる」ことが必要なのだ。それによってヘッドを正しい向き(角度)のまま動かすことができ、ボールを長くフェースに乗せ続ける(ホールドする)ことが可能になるのだ。

ボーケイ・デザインウェッジを設計しているボブ・ボーケイ氏にウェッジ選択の極意を聞くと、必ず「バウンスと友達になってください」と言われるが、これは自分のアプローチスタイルに適したグラインド(バウンスの効き方)を選ぶことで、ヘッドが目標方向に滑り、フェースにボールが長く乗ってきますよ! という意味でもあるのだ。

画像: ヘッドを正しい方向に導いていくのがソールのグラインド(バウンス角)の役割。自分のスタイルに合わせて選びたい。

ヘッドを正しい方向に導いていくのがソールのグラインド(バウンス角)の役割。自分のスタイルに合わせて選びたい。

筆者も先日、SM8ウェッジでアプローチを試してみたが、確かにボールがフェースに乗りやすく、コントロールしやすい感じがした。これまでのウェッジではどうしてもフェースが上を向いてしまうため、54度か56度のサンドウェッジを使っていたが、SM8なら58度や60度でも結構抑えの効いたアプローチが出来そうな気がした。

もちろん、ポッコンを防ぐにはウェッジだけではなく、ボール選びも重要だ。ツアープロが数多く使っている道具を安易に真似することはあまりオススメしていないが、グリーン周りでのアプローチならば、プロもアマも、性別も関係なく“低ヘッドスピード”だから、プロに人気のモデルに乗っかってみる価値はある。そうすることで、今までピンと来ていなかった上級者ワード「フェースに乗る」ということの意味、感覚を実感できるかもしれない。

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