「これを入れたらバーディ」「これが入ればパーセーブ」といった“ここぞ”というときのパッティングほど、いつも通りストロークできなくなってしまうもの。そんなときどうすればいいのか、プロも教えるメンタルコーチ・池努にパッティングで使えるメンタルトレーニング法を教えてもらった。

目の前のワンパットにいかにして集中するか

前回、前々回と「グリーン上でのメンタル」をテーマに重要な3つのポイントの「思考を変える」「行動を変える」の2つについて解説をしました。

これまでにも解説をしてきたように、私たちはそのパッティングを重要だと認識するときほど、目の前のワンパットに対して不要な思考をしてしまうものです。

「また前みたいにミスをしそう」というように過去の失敗のことを考えたり、「ここで外したら負ける。絶対に決めたい」というように未来のことを考えたりもします。「あの人の視線を感じる」「あの人には負けたくない」と他者に対しての思考、また「この(グリーンの)傾斜がいやらしいな」というような環境への思考もあったりします。

そのような思考を減らすために行動目標に意識を向けること、そして、プレパフォーマンスルーティンなどの行動自体に集中することをおすすめしました。今回の記事では3つのポイントの最後である「脳を変える」についてご説明していきます。

1日10分の「瞑想」で集中力が高まる!?

目の前のワンパット、目の前のプレーに没頭できる、集中できるような脳を手に入れてしまえば過去や未来、他人や環境に心を奪われることもなくなりますがそんなことが可能なのでしょうか? これが可能なのです。

しかも、1日数分の簡単なトレーニングで手に入るとしたらどうでしょうか。これを実現させるためには脳を鍛える、具体的には額の裏側にある前頭葉を鍛えることが近道になります。前頭葉には自己コントロール、つまり集中力や意志力を維持するという役割があります。

その前頭葉を鍛えるトレーニングで効果的なのが「瞑想」です。筋トレで筋肉に負荷を掛け、筋肉に血が巡って鍛えられるように、瞑想をしているとき、前頭葉に血流が集中し、活発に循環することで前頭葉は発達します。

画像: 渋野日向子らトップ選手は目の前のパットにマックス集中できているように見える。一般ゴルファーが集中できる脳を手に入れられるメンタルトレーニングとは?(写真は2019年のTOTOジャパンクラシック 撮影/岡沢裕行)

渋野日向子らトップ選手は目の前のパットにマックス集中できているように見える。一般ゴルファーが集中できる脳を手に入れられるメンタルトレーニングとは?(写真は2019年のTOTOジャパンクラシック 撮影/岡沢裕行)

この瞑想により自分の脳を集中しやすい脳にしていくのです。最近では、瞑想の効果も広く知られるようになり「瞑想(マインドフルネス)がいいらしいよ」という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、「瞑想を継続的に続けている」という方とはほとんど出会ったことがありません。なぜ、継続することが簡単ではないのかというとおそらく瞑想を続けることで集中力や感情コントロールの向上が実感できるまでにタイムラグがあるからです。

今日、瞑想をやったからと言って明日に集中力が高まるという実感は持てないのです。ちなみに瞑想の効果は合計時間が3時間を超えたあたりから出ると言われています。3時間ですので1日10分を18日間継続すると集中力や自制心が良くなることを実感できるというのです。

さらに合計時間が12時間を過ぎた頃から、集中力を司る神経のつながりがよくなってくるとも言われています。12時間ですので1日10分なら72日、2カ月半くらいですね。瞑想の方法は以前に紹介した記事に任せるとして、実際に私がサポートしているゴルファーやプロ野球選手、Jリーガーなどにも瞑想はおすすめしていまして、サポート選手たちは1カ月以上継続した後に、次のような感想をくれています。

「まわりの評価など他人に左右されにくくなった」「試合でミスをしてもそこにとらわれずに次のプレーに集中できるようになった」「切り替えたいときは呼吸に意識を向ければ気持ちをリセットできるようなった」。科学的にも証明されているように継続することで確実に脳は変化し、感情や注意力をコントロールしやすい状態になっていきます。

ポイントはとにかく習慣化するまで瞑想を続けられるかということにつきます。今回の記事を読んで自分に必要な要素だと感じた方はまずは1日10分を18日間継続することをおすすめします。2週間と少しと考えれば継続できそう……ですよね?

画像: 癒し系女子プロ・蛭田みな美のラウンドを秋山真凜が生レポート!バーディなるか!? youtu.be

癒し系女子プロ・蛭田みな美のラウンドを秋山真凜が生レポート!バーディなるか!?

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