米ツアーで3年以上優勝から遠ざかっていたアダム・スコットが混戦を制し久々の雄叫びを上げた。一時世界ランク78位まで順位を下げていた元世界ナンバー1は昨年末の全豪プロゴルフ選手権(豪州ツアー)に続くジェネシス招待での勝利で3年ぶりに世界トップ10以内に返り咲いた。

「勝っていない日々が長いだけに優勝が近づいている」という予想を現実に

「信じられません。3年も勝っていなかったんですからね。自分にとってはこれ以上ない特別な勝利!」と感慨深げにつぶやいたスコット。3日目を終え世界ランク1位に浮上したばかりのロリー・マキロイ、初日からトップを守ったマット・クーチャーとともに最終日を首位タイでスタートさせていた。

画像: 2016年のWGCキャデラック選手権以来、約4年ぶりの勝利を挙げたアダム・スコット(写真は2019年のシュライナーズ・ホスピタルズ for チルドレン・オープン 撮影/姉崎正)

2016年のWGCキャデラック選手権以来、約4年ぶりの勝利を挙げたアダム・スコット(写真は2019年のシュライナーズ・ホスピタルズ for チルドレン・オープン 撮影/姉崎正)

ラウンド前、何人もの解説者が優勝予想しマキロイの勝利を予想する声が9割を占めた。昨年来の安定感といい世界ランクの定位置に戻ったことによる自信もあり、誰の目にもマキロイ優位は揺るがないように見えた。

ただひとり異を唱えたのがスコットと同じオーストラリア出身のスチュワート・アップルビー。母国の先輩は「ここのところ勝っていないからこそ優勝はある」と断言した。さすがスコットをよく知る先輩というべきか。

最終日は難コース相手に各選手とも苦戦を強いられた。大会ホストで最下位に沈んだタイガー・ウッズは「悪いことばかりだったけれど良かったのは球を後ろに打たなかったこと」と自虐的に苦笑いするほど。

本命のマキロイは5番でまさかのトリプルボギーを叩き、スコットも4番でボギー、5番でダブルボギーで優勝戦線から脱落したと思われた。しかしスコットは続く6番のバーディで息を吹き返し最後は後続に2打差をつけ先頭でゴールを駆け抜けた。

画像: カットラインぎりぎりで予選通過するも、3日目に猛チャージし「64」を叩き出した松山英樹。5位タイでフィニッシュしている(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

カットラインぎりぎりで予選通過するも、3日目に猛チャージし「64」を叩き出した松山英樹。5位タイでフィニッシュしている(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

ところでリーダーボードが乱高下するなかきらりと光るプレーを見せたのが松山英樹だ。カットラインぎりぎりで予選を通過しながら、3日目ベストスコアの64を叩き出し11位タイに浮上。最終日も2つ伸ばし、終わってみればマキロイらと並ぶ5位タイでフィニッシュした。

つくづくオーバーパー(とはいえ1オーバー)にした2日目のプレーが悔やまれるが、ここ数試合は悪い日が1日あっても必ず巻き返し尻上がりに順位を上げている。

松山も2017年にWGC-ブリヂストン招待でツアー5勝目を挙げて以来勝星から遠ざかっているが、アップルビーの言葉を借りれば「勝っていない日々が長いだけに優勝が近づいている」ように見える。

ゴルフに浮き沈みはつきもの。勝ちはじめれば次々とチャンスが舞い込んでくる。松山の4年ぶり勝利は近い?

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