キャロウェイのニュードライバー「マーベリック」、「マーベリックSUB ZERO」、「マーベリックMAX」の3モデルを、ギアオタク店長ことクラブフィッター・小倉勇人が試打。性能比較・解説してもらった。

モデル別に設計された新AIフェースを搭載

「芯を外しても飛ぶ」「どこで打っても飛ぶ!」等、アマチュアには夢のようなキャッチコピーを使い、注目を集めているのがキャロウェイの最新モデル「MAVRIK(マーベリック)」。マーベリックとは、「型破りな」という意味を持つ英単語「maverick」からつけられたネーミングで、驚きのやさしさと飛びを兼ね備えた型破りなシリーズという意味が込められている。

契約プロによるドライバー試打の模様が収められているVTRには、プロがそのミスの強さに驚く様子が映っており、実際にほとんどのプロが前作からスイッチしているようだ。高い結果が求められるツアープロが認めたミスに強いドライバーなら、アマチュアの我々に間違いない結果をもたらしてくれるはず! 高い期待を持ってクラブフィッターの小倉氏に試打、解説をお願いした。

ドライバーは3モデルあり、スタンダードである「マーベリック」(以下スタンダード)、小ぶりで低スピン性能を狙った「マーベリックSUB ZERO」(以下サブゼロ)、そして最大限の優しさを狙った「マーベリックMAX」(以下マックス)だ。

画像: キャロウェイのニュードライバー「マーベリック」(中)、「マーベリックSUB ZERO」(左)、「マーベリックMAX」(右)を、クラブフィッターの小倉勇人氏が試打!

キャロウェイのニュードライバー「マーベリック」(中)、「マーベリックSUB ZERO」(左)、「マーベリックMAX」(右)を、クラブフィッターの小倉勇人氏が試打!

今モデルの注目すべきテクノロジーは前作「EPIC FLASH」からさらに進化した、AI(人工知能)を使って設計したフェース「FLASHフェースSS20」。

「それぞれのモデルで異なる対象ゴルファーのミスの傾向等のデータをAIで細かく解析し、対象となるゴルファーがもっとも安定して高いボールスピードを生み出しやすいように設計されています。このFLASHフェースSS20は、それぞれ対象ゴルファーの異なるモデルごとに専用設計されているので、スタンダード、サブゼロ、マックスすべてでフェース内部の形状が異なる非常に凝った仕様になっています。フェース素材もそれに合わせて変更しています」(小倉、以下同)

画像: 進化したAIフェース「FLASHフェースSS20(写真はマーベリックのフェース面)」

進化したAIフェース「FLASHフェースSS20(写真はマーベリックのフェース面)」

さらに、テーラーメイド「SIM」をはじめ、最新ドライバーのトレンドとなっている空気力学を応用した設計も取り入れられている。

「特に顕著なのがスタンダードのモデル。クラウンを平らにして、ソールは後方に向かって高くなっていくような形状にすることでヘッドの空気抵抗を軽減させています。他のモデルも空力を最大限考えていますが、他の機能を優先するためにスタンダードほどこの形にはなっていませんね」

画像: スタンダードモデルのマーベリックは空気抵抗を軽減するためハイバック形状を採用

スタンダードモデルのマーベリックは空気抵抗を軽減するためハイバック形状を採用

過去モデルから好評だったクラウンとソールを2本のバーでつなぐことでインパクト時の余計なヘッドのゆがみや振動を抑える「ジェイルブレイクテクノロジー」は継続してウッド類すべてに搭載。さらに進化したAIフェースと合わさることでどこまでミスを減らしてくれるのか? モデルごとに試打の感想を聞いてみよう。

ちなみに小倉氏のヘッドスピードは44m/s。フェードが持ち球で、ベストスコアは68、2019年のアベレージスコアは78というスキルの持ち主だ。

ミスヒットでも弾道に差が出にくい「マーベリック」

まずはスタンダードから見ていこう。使用したのはロフト角10.5度のモデルで、シャフトは「ディアマナ 50 for Callaway」のSフレックス。ネック調整機能はいじらずにニュートラルな状態で試打を行った。まず、構えた印象はどうだろうか。

「形状はキャロウェイらしい丸みを帯びた顔をしています。前作(EPIC FLASH)と大きく変わった印象は無いですね。空力ボディを採用していますが、アドレス時にそういった部分を意識させるところはありません」

画像: マーベリックドライバー

マーベリックドライバー

数球打ってみると、弾道は「ロフト設定よりやや高めに飛び出す」イメージで、「適度な低スピンで直進性の高い弾道が打ちやすかった」と小倉氏。つかまり性能に関しては「ニュートラルから少しつかまる程度でとても扱いやすい味付け」だという。

画像: マーベリックの球筋はストレートからややつかまる形で、スタンダードモデルらしく「とても扱いやすい」と小倉は評した

マーベリックの球筋はストレートからややつかまる形で、スタンダードモデルらしく「とても扱いやすい」と小倉は評した

試打を重ねるなかで、新AIフェースの性能についても「たしかにミスへの強さはありますね」と評価した。

「私は結構トウ側でヒットするミスが多く、フックが出やすいのですが、同じような打点で打っても芯で打った時とほとんど弾道に差が出ない。ヒール側で打ってもボール初速が落ちにくく、軽くフェード気味にはなりますが、スライスにはなりませんでした。インパクトでフェース面さえ目標に向けられれば、大きなミスをかなり軽減できるのではないでしょうか」

叩いていけるアスリート向けの「マーベリックSUB ZERO」

続いて、小ぶりで低スピンが売りのアスリート向けモデル、サブゼロはどうだろう。こちらはロフト角9度のモデル、シャフトは「ツアーAD SZ-5 Type Ⅱ」のSフレックスを使用した。

「サブゼロは、サイズが450㎤と他のモデルと比べて10㎤だけ小さくなっています。構えてみると投影面積は少しだけ小さいかな? 程度でそんなに小ささは感じませんね。スタンダードと比べるとヘッド後方にクラウンが下がっていく感じが目に入りますが違和感はありません。フェースはややオープンの設定でしっかり叩いていけそうな感じをアドレス時から醸し出しています」

画像: マーベリックSUB ZEROドライバー

マーベリックSUB ZEROドライバー

打った印象としては、「かなりつかまりを抑えた強弾道仕様といった感じです」と小倉氏。

「私がストレートの弾道を意識して打つとやや強めのフェードの弾道が飛んでいきます。ドローを狙ってもまだ逃げていき、フックを意識してやっとストレートぐらいでした。これならかなり強振してもフックは出なそうですね。良いなと思ったのは。フェース管理のしやすさ。つかまりは抑えられていますが、狙ったところにボールは出しやすいので、安心して振っていけますね」

画像: マーベリックSUB ZEROは、フックを打とうとしてほぼ真っすぐの弾道になるくらい「左にいかない」

マーベリックSUB ZEROは、フックを打とうとしてほぼ真っすぐの弾道になるくらい「左にいかない」

一方で、ミスへの強さに関しては「スタンダードと違って打点のミスによる曲がりを補正してくれるといった機能は感じません」と小倉氏。

「ミスしたらミスしたなりの曲がりで飛んでいく印象です。そのぶん弾道のエネルギーロスが少ないですね。これは上級者にとっては使いやすいと思いますよ。少々打点を外しても狙った弾道から外れない、逆球が出ないので安心して振っていけると思います」

やさしくつかまえて飛ばす「マーベリックMAX」

最後はやさしさを最優先にしたマックス。こちらはロフト角10.5度のモデル、シャフトは「ディアマナ 40 for Callaway」のSフレックスで試打を行った。3モデルのなかではやさしさに特化した1本ということもあり、見た目からやさしさを感じると小倉氏は言う。

「投影面積は一番大きく、クラウンも大きく後方に向かって下がっています。安心感がありつつ、上がりそう! と思わせてくれる、見た目からもやさしさが伝わってくる形状です」

画像: マーベリックMAXドライバー

マーベリックMAXドライバー

弾道についても、クラブにやさしさを求めるゴルファーにマッチしたものになっている。

「スタンダードよりも直進性が高めです。少々の打点のズレではほとんど曲がりませんし、高さもしっかり出ますので安定した強い弾道が打てますね」

つかまりに関しても、ニュートラル寄りのスタンダード、つかまりが抑えられたサブゼロに対し、マックスは「慣性モーメントを高めながらつかまりを高めているので、サラッと振るとインパクトでややつかまりぐらいの最高の弾道が打てます」と小倉氏。

画像: マーベリックMAXは3モデル中もっともつかまり性能が高い

マーベリックMAXは3モデル中もっともつかまり性能が高い

「ただ、強振したりインパクトを強めようとするとヘッドが返り過ぎてしまう時がありました。最初から右に打ち出さない限り、右に逃げる弾道は出ませんね。インパクトを叩かないスウィンガーが使うと安定した弾道が打てそうな仕上がりです」

それぞれ個性がある3モデルだが、「どのモデルも打点のミスには非常に強いです」と小倉氏。ただ対象ゴルファーに合わせてフェース設計を変えているだけあって、「ミスした時の補正の仕方が違いましたね」と続ける。

「スタンダードは曲がりを減らし、飛距離ロスを軽減するという特性がありました。一方サブゼロは、曲がりはほとんど補正せず弾道のロスだけを減らす方向に。マックスはつかまる方向への曲がり補正プラス飛距離ロスの軽減。それぞれミスへの強さに違いがありますね」

クラブ選びの際にはこれらの特性を把握し、しっかり対象ターゲットに入ったモデルを使わないと「ミスへの強さがマイナスに働いてしまう可能性があります」と指摘する。

「たとえばフックが悩みの人がやさしいモデルが欲しいからとマックスを選んでしまうと、より左のミスが増幅されてしまうかもしれません。自分のミスの傾向に合わせてヘッドを選ぶことができれば、かなり平均飛距離を伸ばせると思います。どれを選べば良いかわからないという方は、スタンダードがオススメですね」

協力/ユニオンゴルフクラブ

画像: キャロウェイの新ドライバー「マーベリック」3兄弟を比較試打!3モデルのうちアマチュアにおすすめなのはどれ? www.youtube.com

キャロウェイの新ドライバー「マーベリック」3兄弟を比較試打!3モデルのうちアマチュアにおすすめなのはどれ?

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