PGAツアー「メキシコ選手権」の2日目、松山英樹が「64」のビックスコアをマークして通算9アンダー4位タイに浮上。現地で取材中の月刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウが絶好調の“3つの要因”を分析した。

好調の要因1:ドライバーもアイアンも好調

HOLA! こんにちは。ケンジロウです。メキシコシティのチャプルテペックGCよりお届けしております。メキシコ選手権2日目が終わりました。

デシャンボーが今日8アンダーを出して11アンダーの単独首位、続いて9アンダーを出したパトリック・リードらが10アンダーパーで並んでいます。

リーダーズボードの彼らのすぐ下にいるのが7アンダーを出してトータル9アンダーの松山英樹です。2日目の今日は出だしからバーディを重ね、後半の6番までで9バーディノーボギーというまさに「オンファイヤー」状態。同じく爆発していたデシャンボーと一時はトップタイで並んでいたのですが、7番、8番の連続ボギーでスコアを落としてしまいました。それでも9バーディ2ボギーの「64」ですからね。首位と2打差の4位タイで週末を迎えられるのは上出来でしょう。

画像: 絶好調の松山英樹。メキシコ選手権2日目のスコアは「64」と絶好調

絶好調の松山英樹。メキシコ選手権2日目のスコアは「64」と絶好調

今年はファーマーズインシュランスオープン、フェニックスオープンと彼のプレーを見てきましたが、今週の松山英樹はそのときよりさらに完成度が高まっている印象です。

調子が上がっている理由のひとつは、「スウィング面」なのは間違いないでしょう。

ファーマーズのときと同様にドライバーのパフォーマンスの高さは持続しています。昨年は一日で何ホールか右へのミスが出ていたものですが、今年は左へのミスが一日に1回あるかないかという落ち着いた状態。ドローもフェードも自在に打てそうで、自信をもって振っているような印象を受けますね。

画像: ティショットを打つ松山。ファーマーズと同様、パフォーマンスの高さが持続している

ティショットを打つ松山。ファーマーズと同様、パフォーマンスの高さが持続している

さらにそこに今週はアイアンの精度の高さが加わっています。「ドライバーが良くなるとアイアンが悪くなってしまう」(松山)とファーマーズのときには言っていましたが、今の松山は“ドライバーもアイアンもいい状態”。

2日目の今日、4つのパー3で彼がアイアンを使って寄せた残り距離を見てもらえればそれもうなずけるかもしれません。

13番・217Y 約3m(ツアーの平均は約10m)

17番・143Y 約1.8m(同平均約7m)

3番・161Y  約2.2m(同平均約9.2m)

7番・223Y  約6.3m(同平均約10.9m)

まあまあ近い距離でバーディパットを打てていますよね。パーオン率は二日間通して83.3%で全体の3位タイです。それは7アンダーも出せますわ。

画像: ドライバーだけではなくアイアンも好調な松山

ドライバーだけではなくアイアンも好調な松山

以下、2日目を終えて本人のコメントです。

「ミスは当然しますけど、その範囲がすごく狭まっているので、いい傾向かなと。そしてミスしても次のショットでは修正できているのでこれを続けていきたいですね。スウィング自体がよくなりつつあって先週(ジェネシスOP)の2日目からこういうのかなというのが見つかったのでこれを忘れないようにしなきゃいけないなと」

ショットの調子がいいというのを本人もまさに感じているんでしょうね。

好調の要因2:パッティングの安定

そして調子が上がっているもうひとつの理由はパッティングです。

昨日はタッチが合ってなくてショートしているシーンがありましたが、今日は10、11番とバーディを奪うと、15番、1番、3番、5番と決めごろのパットをけっこう入れていました。

ファーマーズのときにも記事を書きましたが、今季はパッティングスタイルが変わって、パットの安定感が出てきたように見えます。今までは短いパーパットを外すシーンが多かったですが、今は3パットがほとんどないですよね。

画像: パットの安定感が見られる松山。

パットの安定感が見られる松山。

パットの貢献度を表す「ストロークゲインドパッティング(以下SGPT)」ですが、今日は0.811で、全体の22位。初日は0.052で40位。松山英樹のSGPTはマイナスが多いですから、プラスになっているだけでも「パットの調子が上がってきた」と言えるでしょう。ちなみに昨シーズンの平均SGPTは-.486です。

それでもまだ本人は満足しておらず、試合後にパッティンググリーンでストロークの調整に励んでいましたよ。

好調の要因:固まってきたクラブ選び

好調の三つ目の要因はクラブが固まったことです。

試合前の会見では、「クラブは落ち着きましたね。あと微妙なところが2、3本(UT、PT、4I)とかで、そこら辺をマスターズに向けて調整していこうかな」と言っていました。

クラブに関して“落ち着いた”と言い切るのは珍しいことで、ウッドとアイアンに関してはそれだけよっぽど信頼できるものが見つかったということでしょうね。

思い返せば、ファーマーズでテーラーの新しい「SIM MAXドライバー」に替えて飛距離も出ていましたが、その後トラブルでヘッドを以前のM5ツアーに戻さざるを得ませんでした。それが先週のジェネシスを迎える前にいいヘッドが見つかって、再び「SIM MAXドライバー」に戻せたのは大きかったかもしれません。気づけば3番ウッドもUTも同じ流れで「SIM MAX」に替えていましたね。

画像: 「SIM MAXドライバー」でティショットを打つ松山。クラブに関しては“落ち着いた”と言い切る

「SIM MAXドライバー」でティショットを打つ松山。クラブに関しては“落ち着いた”と言い切る

またアイアンもジェネシスから新しいスリクソンの「Z-FORGED」に変わって、こちらの移行はすんなりといった様子。

このタイミングでアイアンを変えたことに少しびっくりしたのですが、「調子も悪くないし変えておこうかな」(松山)とのこと。

調子がいいときはクラブをいじりたくないものですが、ここにきてアイアンを替えるということは、よっぽど“いいもの”ができあがってきたんでしょうね。

いい状態で、いい位置で週末を迎えることになった松山英樹。残り2日間の戦い、ますます楽しみになってきましたね。

以上、メキシコシティからお届けしました。

写真/姉﨑正

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