往年の日本プロ野球セ・パ両リーグでチームドクターとして活躍した吉松俊一氏によれば、「幼少期からの運動が脳の活性化につながる」という。吉松俊一氏とその息子・吉松俊紀氏の共著「頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論」から、頭のいい子どもを育てるヒントをご紹介。

「頭がいい」とは「大脳の働きがいい」こと

遊びやスポーツにより大脳が鍛えられる、活性化するのは、次のようなメカニズムによるものです。

脳のなかでもっとも大きなものが大脳です。この大脳は遊びやスポーツにより体を動かすことで刺激を受けます。この刺激が大脳を活性化させることは、多くの研究が証明するところです。

同時に体を動かしている間は、大脳からさまざまな指令が神経を通じ、体中の筋肉に伝えられます。その指示どおりに正確に、かつ素早く機敏に体を動かせることが、いわゆる「運動神経がいい」といわれる状態です。体を動かすことで活性化された大脳ほどその指令は正確で緻密、また体中に張り巡らされた神経系統を通じた指令の伝達のスピードも速くなります。

体→大脳→体→.......といった双方向で、エンドレスに続く刺激と指令の情報交換が、さらに大脳を活性化させてくれるのです。

画像: 体を動かすことが大脳にいい刺激を与えてくれると吉松氏は言う(撮影/田中宏幸)

体を動かすことが大脳にいい刺激を与えてくれると吉松氏は言う(撮影/田中宏幸)

ちなみに刺激と指令を伝達するのが体中に張り巡らされた神経系統。いわば脳と体をつなぐ情報ネットワークですが、これも体を動かすことでしか発達しないことが明らかになっています。さらにいえばこのネットワークの基礎は、ゴールデンエイジと呼ばれる12歳前後までにはほぼ出来上がってしまいます。

スポーツ界では多くの競技で、ゴールデンエイジまでにスポーツを体験させることを推奨しているのは、こうした理由によるものです。

それはともかく、たとえば本ばかり読んでいれば、たしかに知識は増えるでしょう。しかし脳だけの活動は、刺激、指令という双方向の情報伝達がなされず、大脳を活性化させるには不十分です。つまり知識は増えたとしても、必ずしも頭がよくなるとは限らないのです。

また、まったく体を動かさない弊害は単に生活習慣病にとどまらず、うつ病や不安症など心の病気、さらに社会問題にもなっている引きこもりや自殺者の増大、さらには毎日、ワイドショーで報道されるビックリするような驚く事件につながっているとしたら......。特に小さい子どもには「もっともっと遊びなさい」が、賢明な親の使命ではないでしょうか。

「頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論」(ゴルフダイジェスト社)より

画像: 頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論 野球漫画の名作「あぶさん」にも登場したプロ野球選手やオリンピック選手を50年以上診てきたスポーツドクターが教える「スポーツをすればするほど頭がよくなる子育て論」。 2020年、オリンピックの年、世界のスポーツが身近になる。活躍する選手に憧れ、そのスポーツを始めてみたいと思う子どもたちが増えるだろう。しかし「どのスポーツをいつ始めたらいいか」「スポーツはひとつだけすればいいの」「スポーツばかりしていて、勉強は大丈夫」など、親子ともども多くの悩みを抱えるはず。 そんな悩みに答えるのが「オリンピック子育て論」。スポーツをすればするほど頭がよくなる理由もよくわかる一冊! www.amazon.co.jp

頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論

野球漫画の名作「あぶさん」にも登場したプロ野球選手やオリンピック選手を50年以上診てきたスポーツドクターが教える「スポーツをすればするほど頭がよくなる子育て論」。
2020年、オリンピックの年、世界のスポーツが身近になる。活躍する選手に憧れ、そのスポーツを始めてみたいと思う子どもたちが増えるだろう。しかし「どのスポーツをいつ始めたらいいか」「スポーツはひとつだけすればいいの」「スポーツばかりしていて、勉強は大丈夫」など、親子ともども多くの悩みを抱えるはず。
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