数あるパター形状の中でもとくに異質と言えるのが、ヘッドの中心にシャフトが刺さっている「センターシャフト」。いったいどのようなメリットがあり、どのようなゴルファーに合うのか。特徴から打ち方までまとめて解説。

センターシャフトとは

センターシャフトとは、パターのネック形状のバリエーションの一種。文字通りシャフトがパターヘッドのセンター(中央部分)に取り付けられたモデルを指す。

画像: センターシャフトとは?

センターシャフトとは?

シャフトの延長線上に重心があるため、重心距離がゼロ、あるいは限りなくゼロに近い数値となっているのが最大の特徴だ。

画像: センターシャフトはほぼシャフト軸線上に芯がある

センターシャフトはほぼシャフト軸線上に芯がある

プロ・アマどちらのシーンでも、他のクラブと同様ヒール側にシャフトが取り付けられているパターが一般的で、センターシャフトは「パター巧者向けの難しいクラブ」と考えている方も多いのではないだろうか。

センターシャフトが許されるのはパターだけ

センターシャフトのパターはあっても、センターシャフトドライバーやアイアンをショップで見たことのある方はいないはず。と言うのも、この形状が許されているのはパターのみなのだ。ゴルフ用具規則の中には以下のような記載がある。

『シャフトはクラブヘッドのヒールに直接か1つの単純なネック(またはソケット)を介して取り付けられなければならない。(中略)パターについての例外:パターのシャフト、ネック、ソケットはクラブヘッドのどの部分に取り付けてもよい。』

このようにパターに限り、センターシャフトはルール適合クラブとして扱われる。余談になるが、実はセンターシャフトパターは初めてルールによる規制を受けたクラブでもある。R&Aで用具に関するルールが初めて作られたのは1907年のことだったが、そのきっかけになったのが、1904年の全英アマで米国のウォルター・トラビスが使って優勝したセンターシャフトのスケネクタディパターだった。

ウォルター・トラビスは英国人以外で最初に全英アマを制した選手である。それも原因になったかどうか定かではないが、直接的には彼が使ったパターを規制するため、用具に関するルールが取り決められたというわけだ。

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畑岡奈紗はセンターシャフトパターを愛用

現代のツアーシーンではヒールにシャフトが取り付けられた一般的なパターが主流だが、米女子ツアーを主戦場にする畑岡奈紗や、2007年のマスターズ、2015年の全英オープンを制したPGAツアー選手ザック・ジョンソンなど、センターシャフトを好むプロも一定数いる。

画像: 畑岡が愛用しているセンターシャフトパター、ピン「スコッツデールTR PIPER C」

畑岡が愛用しているセンターシャフトパター、ピン「スコッツデールTR PIPER C」

センターシャフトのメリット

芯に当てやすい

そもそもゴルフクラブは、シャフトの中心線とヘッドの重心位置にズレがある特殊な道具。この特性上、芯でボールをとらえるためにはある程度の技術、そして再現性が求められるわけだが、センターシャフトパターの場合は持ち手の延長線上にヘッドの重心があるため、芯をとらえるイメージがとてもわかりやすくなっている。

操作性・フィーリングがバツグン

センターシャフトのメリットとして挙げられるのは、操作性やフィーリングが非常に優れている点だ。

シャフトの延長線上に重心があるセンターシャフトパターは、芯でヒットできれば自分のタッチがダイレクトにボールへ伝わるし、インパクト時の感触も手元で感じやすい。要は、転がり方や距離感のイメージがより繊細になるのだ。使いこなせればショートやオーバーのミスを抑えることができるだろう。

画像: 操作性やフィーリングが良く、距離感がつかみやすい(写真はイメージ)

操作性やフィーリングが良く、距離感がつかみやすい(写真はイメージ)

打ち出し方向を意識しやすい

シャフトの刺さっている位置が違えば、当然見た目の印象も大きく変化する。センターシャフトパターはシャフトとフェースが直線でつながっているため、ベントネックなどのネックが湾曲しているパターよりも打ち出し方向を意識しやすいのも利点。構える段階でフェースを目標方向へスクェアにセットしやすいし、シャフトの付け根=芯の位置なのでボールにセットする際の目安にもなる。

引っかけにくい

また、手元の動きとヘッドの動きも同調しやすい。オフセット量が多くなるほかのネック形状では、ストロークに対してわずかにヘッドが遅れてインパクトすることになるが、センターシャフトでは自分のストロークの感覚とインパクトするタイミングにズレが生じにくいので、引っかけのミスが出にくくなっている。

センターシャフトのデメリット

打点のブレに弱い

お手元にセンターシャフトパターがある、もしくは量販店等で見かけた際は、試しに両手でグリップを左右から挟み、ヘッドをクルクル回してみてほしい。抵抗感なく回るのがわかるはずだ。これが、センターシャフトが“難しい”とされる所以。

センターシャフトは非常に操作性・フィーリングが良い反面、ちょっとしたトウ・ヒール方向の打点のブレにものすごく敏感で、簡単にフェースが開いたり閉じたりしてしまう。つまり、寛容性は低いと言っていい。

センターシャフト+マレットヘッドで弱点をカバー

操作性は良いがミスへの寛容性がないセンターシャフトと、高慣性モーメントでストローク中のヘッドのブレを抑えてくれる大型マレットヘッドの相性は良い。実際に、テーラーメイド「スパイダー」やオデッセイ「ストロークラボ」をはじめ、センターシャフトをラインナップに加えたシリーズは多い。

画像: 大型マレットヘッドとセンターシャフトは相性が良い

大型マレットヘッドとセンターシャフトは相性が良い

センターシャフトの打ち方

センターシャフトパターを用いる場合は、なるべく直線的にストロークをするのが望ましい。逆に、弧を描くようなインサイドイン軌道でフェースの開閉を積極的に行うアークタイプのストロークだと、ヘッドの挙動が不安定になり芯でボールを外す可能性が高まってしまう。

センターシャフトはオフセットがないぶん、その他のパターよりもボールを若干左寄りに置くといい。まずは左目の真下を目安にセットし、微調整していくのがいいだろう。

センターシャフトが合うのはどんなゴルファー?

もともと直線的なストロークでパッティングを行っていたゴルファーならば、センターシャフトパターを使えばより芯でヒットする確率が上がる可能性が高い。その結果、距離感も養われやすいだろう。

逆にセンターシャフトが合わないのは、前述の通りアークタイプのストロークでパッティングをするゴルファー。加えて、14本全体の振り心地はなるべくそろえておきたいという方にも、1本だけ大きくフィーリングが変わってしまうためオススメはできない。

ピーキーな面もあるセンターシャフトパターだが、それゆえにハマれば強い味方となるはず。気になった方は一度試してみてはいかがだろうか。

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