元プロ野球選手の秋山幸二を父に持つ、スポーツキャスター・秋山真凜。自身もジュニア時代にはプロゴルファーを目指し、日本女子アマチュアゴルフ選手権にも出場経験がある秋山が、YouTubeのレッスン動画の総再生回数2500万回超えの人気レッスンプロ・原田修平のレッスンを受講! 上半身のキレを作るストレッチを教えてもらった。

秋山:前回は足首と股関節のキレをアップさせるストレッチを原田プロに教えていただいて、短時間で10ヤードも飛距離を伸ばすことができました。今回もよろしくお願いします!!

原田:よろしくお願いします。今回は肩から肩甲骨周り、そして腕までと、上半身のキレをアップする体操、ストレッチを紹介しましょう。

秋山:前回は下半身のキレでしたが、今回は上半身のキレがテーマですね。

原田:秋山さんのこれまでのスウィングイメージとしては、やっぱり体全体を使って打つという感覚ですか?

秋山:そうですね。上半身の動きというのは、意識したことがないかもしれないです。

画像: 秋山真凜(左)と原田修平(右)

秋山真凜(左)と原田修平(右)

原田:ですよね。それは秋山さんがジュニア時代からゴルフをしてきたのが理由。肩から肩甲骨周りの筋肉が柔軟で、腕力に頼ってクラブを振ることができないから、上半身の理想的な動きがある程度、自然にできるようになるんです。でも、一般のアマチュアは大人になってからゴルフを始めたという人が多いでしょう。だから、上半身を上手く動かせないというか、使えていない人が圧倒的に多いんですよ。

画像: ロリ―・マキロイのドライバーショットの切り返し。上半身が約90度回ったところからダウンスウィングに向かっている(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ロリ―・マキロイのドライバーショットの切り返し。上半身が約90度回ったところからダウンスウィングに向かっている(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

秋山:ジュニアの子たちにとって、ゴルフクラブは長くて重くて振りにくいから、自然と体全体を使って振ろうとしますよね。でも大人の、とくに男性にとっては、クラブは軽くて手先でいくらでも操作できてしまう、と。

原田:そうなんです。ゴルフのスウィングにおいて、前回のテーマだった下半身の動きももちろん重要なんですけど、それだけでは不十分で、飛ばしには上半身の動きも不可欠なんです。もう少し具体的に言うと、上半身の“うねり”です。肩や肩甲骨周りが柔らかく動いて、上半身のうねりが使えるようになると、腕を振るスピードがアップして、それがクラブヘッドにまで伝わるようになるんです。

秋山:たしかに、アマチュアの方には、上半身がカチカチに固まった状態で打っている人も多いですよね。

原田:なので、まずは肩甲骨周りの柔軟性を高めることでスムーズに動かせるようにして、それによって腕を鋭く振れるようになるための体操、ストレッチを紹介しましょう。

秋山:分かりました。よろしくお願いします。

原田:まず、両腕をまっすぐ伸ばした状態からひじを曲げて、指先を肩に当てます。ここからひじで円を描くように後ろから前へと回していきます。

秋山:左右一緒ではなく、交互に回す感じですね。

画像: ひじを曲げて、指先を肩に当て、ひじで円を描くように後ろから前へと回す

ひじを曲げて、指先を肩に当て、ひじで円を描くように後ろから前へと回す

原田:このとき、頭が左右に動いたり、首が倒れないように注意しましょう。地面と垂直の軸を意識して、顔はまっすぐのままです。これを行うと、肩甲骨がしっかり動いているのが分かると思います。

秋山:肩や肩甲骨の緊張が取れて、筋肉がほぐれますね。

原田:肩甲骨が動くと、体の背中側だけじゃなくて、前側の胸やお腹の周囲も自然と動きますよね。ゴルフはクラブを持って構えた瞬間に、胸周りの筋肉が固まって、動きにくくなってしまうんです。たとえば、プロのなかには、アドレスした後に上半身を左右に揺さぶったり、うねるように動かしている人が、けっこう多いでしょう。松山英樹プロなんて、まさにそうですよね。これはジュニアゴルファーにも多くて、秋山さんも以前はそうだったんじゃない?

秋山:たしかに、やっていたかも。アドレスでモジモジしているみたいだけど……、

原田:実は、上半身をカチカチに固めずに、柔らかく動かすための準備動作として、とても重要なんですよ。前回の足首や股関節のストレッチ同様、ラウンド前の準備体操として、この肩甲骨のストレッチを行うと効果的です。

秋山:固まった筋肉を伸ばすだけのストレッチじゃなくて、動きを入れたストレッチも大事なんですね。

原田:人間はひじから先の前腕や手先がいちばん器用に動かせるので、どうしてもそこをメインに使ったスウィングになりやすいんです。肩甲骨までしっかり使ってスウィングするには、ひじから先ではなく、ひじから上の上腕、肩を動かす意識が必要なんです。

秋山:たしかに、手でクラブを握っているし、どうしても器用に動かせるところを、無意識に使おうとしてしまいがちですよね。

原田:クラブを持つと、どうしてもひじから先で操作しようとするので、肩や肩甲骨周りが固まった状態になりやすいんです。このストレッチを行うことで、肩から肩甲骨周りの動きを意識できるようになるし、柔軟性も高くなって、ヘッドスピードのアップにも繋がると。これが第一段階になります。

秋山:ここからさらにステップアップするんですね。

原田:第一段階のストレッチでは、両ひじを後ろから前に回しましたよね。でも、ゴルフのスウィングの場合、動かし方としては逆方向になります。

秋山:逆ということは、後ろから前ではなくて、前から後ろに回すんですね。たしかに、そのほうがスウィングしている感覚に近いですね。

原田:この肩甲骨の逆回しの動きから、さらに腕を振るという動きに繋げていきます。腕の先を速く振る動きをいちばんイメージしやすいのが、体温計を振る動きなんですよ。

秋山:体温計を振る? ごめんなさい、ちょっと意味が分からないんですけど……。

画像: 腕の末端を速く振れる動作を説明する原田。20代前半には通じないが、水銀の体温計を振る動きと同じ

腕の末端を速く振れる動作を説明する原田。20代前半には通じないが、水銀の体温計を振る動きと同じ

原田:そっか、秋山さんの世代だと、みんな電子体温計だもんね。昔の水銀体温計なんて、見たこともないか……。失礼しました(笑)。じゃあ、他で例えると、たとえば手を洗った後、ハンカチやタオルがなかったら、手を振って水をピッピッと飛ばしますよね。

秋山:あまりお行儀は良くないですけど、やっちゃいますね。

原田:それが腕の末端を速く振れる動作で、たとえば、野球のピッチャーがボールを投げるときも、まったく同じ動きを使っています。肩甲骨の動きとこの腕の末端を速く振る動作を繋げることで、効率よくクラブのスピードをアップさせることができるんです。

秋山:どうすれば、肩甲骨と腕の動きを連動させることができるんですか?

原田:ここまでは両ひじを曲げて、指先を肩に当てた状態で回しましたよね。次は両ひじを伸ばして腕をフリーにした状態で、後ろから前に肩と肩甲骨を回していきます。これって、どこかで見覚えがないですか?

秋山:アッ、分かりました。メジャーリーグで活躍している前田健太投手が、試合前やインニングの合間によく行う“マエケン体操”ですね。

画像: 腕に力を入れず、後ろから前に肩甲骨を回す。秋山は動きの激しさに若干引いている

腕に力を入れず、後ろから前に肩甲骨を回す。秋山は動きの激しさに若干引いている

原田:正解です!! 実際にやってみると、肩や肩甲骨をどう動かせば、ひじから先を速く振れるかが分かるでしょう。

秋山:ひじから先は脱力させて、肩甲骨で動かすというか振る意識がないと、スムーズに動かせないですね。

原田:肩甲骨や胸周りがやわらかく動かないと、ぎこちない感じになっちゃうでしょう。ジュニアからゴルフをやっていた秋山さんは、慣れればすぐにできてしまうけど、一般のアマチュアはこのストレッチで肩甲骨と腕の連動を、脳と体にインプットする作業が必要なんです。

秋山:マエケン体操は後ろから前に回しますけど、ゴルフのスウィングは逆だから……、

原田:後ろから前だけじゃなく、前から後ろに回すストレッチも行うといいんです。

秋山:“逆マエケン体操”になるわけですね(笑)。

原田:ゴルフのスウィングはクラブが時計回りの動作になるので、“逆マエケン体操”の動きがなめらかにできるようになると、手先で当てに行かなくても、勝手に当たるようになるし、クラブを振るスピードもアップするんです。

秋山:練習場やゴルフ場で“逆マエケン体操”をやるのは、ちょっと恥ずかしいかもしれないけど、上半身を正しく動かして、キレのあるスウィングで飛ばすためには、とても効果的だと実感しました。私自身、ちょっとジュニア時代のスウィングの感覚を思い出しました。

原田:男性も女性も大人になると、ある程度は筋肉がついてくるから、ジュニアから始めた人でも、手先に少し頼るようになって、そのときの感覚を忘れてしまいがちですよね。

秋山:大人になってからゴルフを始めた人でも、練習前やラウンド前にこのストレッチを行うことで、肩や肩甲骨周りをやわらかく、しなやかに使えるようになると思います。

原田:手打ちが直って、確実に飛距離もアップするので、ぜひ試してみてください。

秋山:原田プロ、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします!!

協力/新橋ゴルフスタジオ

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