プロが使用するレベルのパフォーマンスを発揮して、なおかつソフト。最近では、そんな高性能ソフト系ボールが人気だ。というわけで、その代表モデルともいえるキャロウェイ「クロムソフト」に、ブリヂストンの「ツアーB XS」、そしてタイトリスト「AVX」の3モデルをアマチュアゴルファーがコースで試打。一体どのモデルを選んだ? プロゴルファー・中村修がアマチュアゴルファー3名とラウンドして確かめた。

柔らかいながらも特徴が分かれる3モデル

ピックアップしたのはウレタンカバーで高性能かつソフトであることを売りにする3モデル。まずはその代表格ともいえ、最近モデルチェンジしたキャロウェイの「クロムソフト」。そして、タイガー・ウッズの使用球でもあるブリヂストン「ツアーB XS」。さらに、タイトリストのプロV1・V1Xと並ぶ第3の選択肢として話題の「AVX」もソフト系です。

画像: キャロウェイ「クロムソフト」、ブリヂストン「ツアーB XS」、タイトリスト「AVX」の3モデルをアマチュアゴルファー3名に6ホールづつ試してもらった

キャロウェイ「クロムソフト」、ブリヂストン「ツアーB XS」、タイトリスト「AVX」の3モデルをアマチュアゴルファー3名に6ホールづつ試してもらった

この3ボールを3人のアマチュアに3ホールずつ使ってもらい、一番お気に入りのものを選んでもらいました。

試打者のプロフィールを紹介すると、まずはイラストレーターでシングルの腕前を持つ野村タケオさん。ドライバーでスピン量が多いのがお悩みです。続いては、当たると280ヤード飛ぶという飛ばし屋の大野祐明さん。そして最後は、シャフトメーカー「シンカグラファイト」の辻垣内柾好(つじがいとまさよし)さん。辻垣内さんは職業柄さまざまなシャフトをテストする必要があり、普段ボールはプロV1しか使わないそうです。

クロムソフトを選んだ理由はドライバーのスピン量が少ないから

さて、まずイラストレーターの野村タケオさんは、キャロウェイの「クロムソフト」でした。スピン量が多いのが悩みだけに、ドライバーも低スピンモデルを選んでいた野村さん。「やわらかいボールはスピンが多いイメージがあって、自分に合うのはないかも?」と思っていたといいますが、思わぬ好結果が得られたようです。

「やわらかい打感は好きなんだけど、ドライバーでスピン量が多いのが僕の持ち球。だからいつもは『X』系の硬くてスピンの少ないボールを使っているんです。でもクロムソフトはドライバーで曲がりも少なくアプローチではスピンが効いてくれて距離感もバッチリ。これからはソフト系のボールも使ってみようかな」(野村)

画像: 柔らかさと絶妙なスピン量のバランスからキャロウェイ「クロムソフト」を選んだ野村タケオさん

柔らかさと絶妙なスピン量のバランスからキャロウェイ「クロムソフト」を選んだ野村タケオさん

最近のボールは本当に高性能で、正直、ナイスショットの場合パフォーマンスにそこまで大きな“差”は現れにくいんです。しかし、芯を外してスピン量が多くなるようなミスショットでは、ボールの個性が如実に出ます。野村さんの場合、芯を外したときの距離の曲がり幅、距離の落ち込みがもっとも少なかったのが「クロムソフト」であるのは、近くで見ていてもよくわかりました。

普段はブリヂストンの「ツアーB X」をエースにしているという野村さんですが、クロムソフトで打ったボールはスライス系のショットでも曲がりの幅が少なく、アプローチでは少し薄い当たりでもピンの周りに止まっていました。

「ツアーB XS」と「AVX」で悩んだ末に……飛ばし屋アマが選んだのは?

大野祐明さんは学生時代はアメリカンフットボールで鳴らしたアスリートゴルファー。当たればドライバーの飛距離は280ヤードは飛んでいました。そんな大野さんは、野村さんと同じくツアーB Xがエースボール。そして、3モデルを打ち比べて選んだのは、同じブリヂストンの「ツアーB XS」でした。その理由は、飛ばし屋らしくやはり飛距離。

「打感が柔らかいのに飛んでくれましたね。ミスすると大きく曲げてしまうのでスピン系のボールは敬遠していたんです。でも思いのほかドライバーで曲がり幅が少なくて飛距離も出ていました。もちろんショートゲームでのスピン性能は言うまでもなく、ラフからでもピタリと止まったのは驚きましたね」(大野)

画像: 飛距離が自慢のアスリートゴルファー大野祐明さんはブリヂストン「ツアーB XS」を選ぶ

飛距離が自慢のアスリートゴルファー大野祐明さんはブリヂストン「ツアーB XS」を選ぶ

飛距離の出るゴルファーは曲げるとケガも大きくなります。それを怖がっていては振れなくなってしまうので余計に曲がりますし、持ち味の飛距離が生かされません。でも「曲がってもこれくらい」とボールとの信頼関係が生まれてくることで安心して振れるようになりますね。

タイガー・ウッズが実使用しているボールだけに、今回テストしたボールのなかでも飛ばし屋との相性がいいボールということもできるかもしれません。

この大野さんが最後まで悩んだのがAVX。打感の柔らかさ、アプローチでのスピン性能の良さからAVXも気に入った様子でしたが、最終的にツアーB XSのほうが飛ぶ印象を持ったようです。

弾道はプロV1によく似ている。それでいて柔らかいのが「AVX」

シャフトメーカー「シンカグラファイト」の辻垣内柾好(つじがいとまさよし)さんが、シャフトの性能を比較するため普段は同じ銘柄のボール(プロV1)だけを使っているといいます。そんな辻垣内さんの選んだのは「AVX」。その理由は芯のある手ごたえだといいます。

「もともと打感の柔らかいプロV1を使っていたのでAVXでも違和感は感じませんでした。少し弾道がV1より高かったと思います。V1と同じように柔らかさの中にも芯がある感じがしたので、ドライバーでもアイアンでもフェースのどこに当たっているのか感じ取ることができました。手ごたえを感じられるとコントロール性にもつながるので、技術の高いプレーヤーでも使える高性能なボールだと感じました」(辻垣内)

画像: シャフトメーカー「シンカグラファイト」の辻垣内柾好さんはタイトリスト「AVX」を選んだ

シャフトメーカー「シンカグラファイト」の辻垣内柾好さんはタイトリスト「AVX」を選んだ

軽いドローボールが持ち球でしっかりハンドファーストでインパクトする辻垣内さんは、ボールの手ごたえを重要視するという上級者のコメントでした。実際、AVXで打った弾道は他の2ボールモデルに比べて高かったように見えました。

大野さんと同じように、辻垣内さんもツアーB XSとAVXで悩んでいましたが、「弾道が普段使っているプロV1に近い」ということで、AVXを一押しに選んでいました。

三者三様の理由でボールを選んでくれましたが、この3名は全員がかなり熱心にゴルフをしているシリアスゴルファーだけに、ボールに求める要求も高いですし、ボールの違いがプレーにそのまま表れていました。それだけに、今回のような実際にコースでプレーしながら打ち比べるテストは興味深かったようです。なかなかクラブと違ってテストしにくいボールですが、このように実地で比較すると、より自分に合うものが選べるのではないでしょうか。

最後に、実は私・中村も三人のアマチュアと一緒に6ホールずつ3つのボールを試していましたので、個人的な好みを少しだけお話しします。

私は普段、プロV1XやテーラーメイドのTP5Xなど、打感硬めのX系ボールを使っていますが、今回の3モデルの中から選ぶとすれば、ツアーB XSです。ソフトな分だけ曲がりの幅も大きく飛距離性能も落ちるのかと思っていましたが、アゲンストでも強い弾道で前に進んでくれましたし、X系のボールに比べて飛距離が劣っていませんでした。自分でイメージする飛び方をしながらもしっかりグリーンで止められるように感じましたね。

みなさんにはどんなボールが合うか、ぜひ、試してみてください!

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