新型コロナウイルスの感染拡大は留まることがなく、政府が緊急事態宣言を発令する意向を固めたという報道もある。様々なスポーツ界で延期や中止が発表され、女子ツアーも8試合連続中止が確定している。女子ツアーの今後について、成田美寿々らを指導するプロコーチ・井上透が緊急寄稿してくれた。

どうすればツアーを開催できるようになるのか

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国内女子ツアーは開幕から8試合連続で中止が決まりました。

最近になってからプロ野球・阪神タイガースの藤浪晋太郎選手やサッカー界ではヴィッセル神戸の酒井高徳選手などの感染が発表され、スポーツ界にも確実に忍び寄ってきています。

さてツアー再開を待っているプロゴルファーたちがどの様な気持ちで待っているかというと、選手の立場によって様々です。元気な姿をファンの皆様にお見せしたい反面、ワクチンや薬が開発されてから再開という意見の選手もいます。また、試合そのものは再開して、感染リスクを軽減するため無観客のほうが良いという意見もあります。

画像: 昨季は渋野日向子や若手の選手らの活躍により盛り上がった女子ツアー。今季はさらなる盛り上がりが期待されたが、一体いつ開幕となるか(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

昨季は渋野日向子や若手の選手らの活躍により盛り上がった女子ツアー。今季はさらなる盛り上がりが期待されたが、一体いつ開幕となるか(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

正直、今のヨーロッパやアメリカの状況を考えると、プロスポーツを楽しむといった状況を超えてしまったように感じられます。ウイルスとの戦いも長期戦になると思いますが、ある程度、収束したタイミングでしかゴルフトーナメントも再開できないように思います。

なにが正解でなにが不正解かはこの新型コロナウイルスとの戦いが終わってからしか評価できません。しかしトーナメントを開催するにせよ、一気に元どおりという状況にはならないかもしれません。

それは、もしワクチンや薬のない状態で、一定の収束を持ってトーナメントを開催する場合であれば感染拡大を防ぐ様々な注意事項があります。ギャラリーの立ち入りの可否の判断はもちろんのこと、クラブハウスへの関係者の立ち入り制限、レストランの使用禁止などが考えられます。

また選手や関係者に感染者が出てしまった場合、濃厚接触者が特定できる仕組みが必要ですし、クラブハウスに入る際の検温も必要になるでしょう。検査の結果、「陽性」が出た場合や規定以上の体温だった場合、強制的に試合を休ませるルールも必要となるでしょう。

いつ始まるか分からない中で、出場義務試合数やリランキングの時期も当然ながら変更になってく
ると思いますが、これに関しても再開のタイミングに大きく関わることなどでまったく不透明です。

問題はプロテストにも及んできます。今後、爆発的に感染が広がると、プロテスト開催が予定されている9月でも流行が収まっていない可能性もあります。時期の変更なども余儀なくされるかもしれません。

このようにツアー再開には、事前の制度作りが重要になります。もちろん前提としてスポーツを楽しむためには安心と安全が欠かせません。

今はゴルフ界のみならず、スポーツ界、日本、世界規模で新型コロナウイルスとの戦いに打ち勝つべき時です。この戦いに打ち勝った時こそ、ゴルフトーナメントの「感動」や「勇気」を与える力が必要になる時だと思います。

画像: 【飯田真梨×秋山真凜】難コース、どう攻略する?女子プロゴルファーのラウンド生レポート! 【きみさらずGL10番パー5】 youtu.be

【飯田真梨×秋山真凜】難コース、どう攻略する?女子プロゴルファーのラウンド生レポート! 【きみさらずGL10番パー5】

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