新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続いている今だからこそ、しっかり目標設定したいもの。ただ目標をどこに立てていいのかわからない、という方も多いはず。そこでプロも教えるメンタルコーチ・池努は「SMART目標設定が役立つ」のだという。果たして一体どんなことだろか。

2020年の目標は一旦白紙に戻し、1年後の目標を立て、そこに向かっていく

新型コロナの影響で先が見えにくい状況になっている影響でサポートしている学生ゴルファーやプロゴルファーから「目標をどこに設定していいかわからない」というご相談を複数もらっています。今回の記事ではこのご時世での目標設定について考えていきたいと思います。

学生もプロも同じですが自分が目指していた試合が続々と中止、延期となっています。そして、そこを目標に練習をしていたゴルファーはモチベーションがなくなってしまいますし、さらに次の目標も当然立てることが難しくなります。

そうすると、ゴルフの練習は最低限するけど、「レベルアップのための練習」というより「現状維持のための練習」になりがちだと思います。これはゴルフ以外の競技者も同じような状況だと感じます。ちなみに、効果的な目標設定を行う際のポイントとして知っておくと役立つのが「SMART目標設定」です。

画像: まずは3~1年後の目標に矛先を向けてみよう(撮影/田中宏幸)

まずは3~1年後の目標に矛先を向けてみよう(撮影/田中宏幸)

SMARTとは、
「S→specific(具体的に)」
「M→measurable(測定可能に)」
「A→achievable(達成可能に)」
「R→realistic(現実的に)」
「T→time bound(期限)」
の頭文字をとったものです。このSMART目標に沿った形でゴルファーもこれまでの日常では「3カ月後の公式戦で~なプレーを発揮し、スコア●●で〇位以内に入る」というような目標設定をつくっていたのですが現在はこの3か月後や半年後が見えません。

つまり「T→time bound(期限)」が設定できないことがアスリートたちの目標設定が難しいと言っている理由です。そして、この状況でアスリートに提案する目標設定があります。あなた自身のゴルフや仕事にも当てはめて考えてみると良いと思います。結論を言うと「2020年の目標設定は考えない」これが大事です。

実際に今の状況を踏まえアスリートには3年後、2年後、1年後と目標を改めて設定していきます。(※考えられる方は5年後なども設定します)そして、本来であればその長期的な目標に到達するための「今年の目標」を設定していきますがここで一旦、今年の目標については白紙に戻し忘れてもらいます。

まずは1年後以上先の目標にモチベーションの矛先を向けるわけです。そして、次に1年後以上先の目標につながる「成長目標」をリストアップします。成長目標とはゴルフスキルやフィジカル、メンタルスキル、知識習得(語学など)のレベルアップについての目標です。これらを紙にもしくはスマホに箇条書きにします。

ポイントは1年後以上の目標を見てモチベーションを高めた状態で成長目標に集中していくことです。先の目標を見つめずに「今できることに集中」もいいですが、それではどうしても今へ集中するためのエネルギーが減ってしまいます。1年後以上先の目標を確認してモチベーションを上げ、今にできる成長目標に集中する。「4月のテーマは〇と△と□」「今週のテーマは●と▲」という風に。

これが実際にプロゴルファーやその他プロアスリート、学生アスリートとセッションしてきたこのご時世に適した実践的な目標設定です。アスリートたちも「この目標設定に切り替えたらモチベーションも湧いてくるし、毎日の地道な練習や学習も楽しめる」と言ってくれています。先が見えない状態だからこそ、メンタルトレーニングも教科書通りではうまくいきません。アスリートたちの現状を知り、メンタルトレーニングも実践的に進化させていくことが重要だと現場レベルで感じています。

今回の目標設定のポイントは3つでした。

【1】3~1年後の目標設定をする

【2】2020年の目標は白紙に戻す

【3】【1】にいくために必要な成長目標をリストアップ

ちなみに、数か月後に公式戦がスタートする可能性もあるのでそこは目標設定しないで良いですか?という質問ももらいますがそこについては今後の状況を見ながら臨機応変に変化させていくことが大切だと考えています。

今回はコロナ時代の目標設定について考えていきました。ぜひ、ご参考なれば嬉しいですね。

画像: ジョニ男挑戦!ドライバーをまっすぐ飛ばす「スプリットハンドドリル」と「ステップドリル」【講師:小澤美奈瀬】 youtu.be

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