「使い方、効果がいまいちわからない……」、そんな理由から標準ポジションのままで使っている人も多いカチャカチャ系ドライバー。しかし、PGAツアーの選手はこまめにカチャカチャと付け替えて、調整に余念がない。月刊ゴルフダイジェスト2020年6月号では、人気ドライバー10機種のカチャカチャによる変化を完全網羅。そのうち「SIM」のネック調整機能をコーチ、クラブフィッターが使い倒した結果わかったことをレポート!

ダスティン・ジョンソンのSIMは“低いフェードボール”仕様

PGAツアー屈指の飛ばし屋、ダスティン・ジョンソンはSIMドライバーの使い手だが、彼もカチャカチャをフルに活用している。

「10.5度のロフトを9.75度に。フェースの向きは1.5度オープンに。さらにソールのウェートを目一杯トウ寄りにして重心距離を長く設定、絶対に左に行かせない“強弾道フェード”が打ちやすい仕様にしています」と言うのは、スウィングとギアに精通するノリー堀口コーチ。

画像: PGAツアーの飛ばし屋ダスティン・ジョンソンも、理想の弾道が出やすいようにカチャカチャで調整している

PGAツアーの飛ばし屋ダスティン・ジョンソンも、理想の弾道が出やすいようにカチャカチャで調整している

SIMを例にとれば、以下のように可変領域は広い。

ポジションロフトライ角フェース向き
STD10.5度56度スクェア
UPRT10.5度60度スクェア
HIGHER8.5度58度4度クローズ
LOWER12.5度58度4度オープン
代表的な4つのポジションであるSTD、UPRT、HIGHER、LOWERのロフト、ライ角、フェース向きをまとめた図。
さらに細かく調整が可能で、上記を含め計12のポジションを選択できる

「最近のカチャカチャは、以前の調整機能よりより味付けが濃くなっています。つかまらない印象のSIMですが、実は“STD(スタンダード)”ポジションがもっともライ角がフラット。調整して弾道がどう変わるか楽しみです」(クラブフィッター・小倉勇人)

画像: ネック調整機能は弾道にどれほどの影響を及ぼすのか。クラブフィッター・小倉勇人とノリー堀口コーチがSIMドライバーをSTD、UPRT、HIGHER、LOWERの4つのポジションで打ち比べた

ネック調整機能は弾道にどれほどの影響を及ぼすのか。クラブフィッター・小倉勇人とノリー堀口コーチがSIMドライバーをSTD、UPRT、HIGHER、LOWERの4つのポジションで打ち比べた

SIMの“裏挿し”メッチャつかまる!

SIMドライバーの代表的な4つのポジションで、小倉氏が打ち比べたデータが以下だ。

ポジション初速打ち出し角バックスピンサイドスピンキャリー
STD60.8m/s15度2785rpm右134rpm240.0Y
UPRT61.8m/s15度2533rpm左60rpm251.7Y
HIGHER60.3m/s16度3242rpm左610rpm234.6Y
LOWER61.5m/s14度2411rpm右238rpm249.1Y
小倉氏がヘッドスピード42~43m/sで試打したデータ。「スカイトラック」で計測

小倉氏が驚いたのはシャフトを真裏側に挿した「UPRT(アップライト)」ポジションにしたときつかまりの変化。わずかにフェード回転していたSTDに比べ、UPRTではドロー回転に。バックスピン量が減り、ボール初速も1m/s上がった。その結果、キャリーが10ヤード以上も伸びたのだ。

「もともと高打ち出し&低スピンのヘッドで、飛びのポテンシャルは高い。そこへきてライ角をアップライトにすると、ヘッドがターンしやすくなるし、フェースのトウ側上目でつかまえて飛距離を出せる弾道になります。SIMでボールがつかまらない人は、ぜひUPRTを試してほしいですね」(クラブフィッター・小倉勇人)

画像: 小倉氏はSIMを「UPRT」ポジションにした場合のつかまりやすさに注目した

小倉氏はSIMを「UPRT」ポジションにした場合のつかまりやすさに注目した

ハードヒッターのノリー堀口コーチも、「UPRTは見た目からしてかなりアップライトに感じるし、打ってみると右にそれる球は出ませんでした。スライサーでもつかまるはずです」とその効果を実感。

ポジション初速打ち出し角バックスピン打ち出し方向キャリー
STD66.7m/s16.1度2478rpm右0.1度256Y
UPRT66.9m/s15.7度2043rpm左3.1度255Y
HIGHER65.4m/s16.8度2709rpm左3.4度251Y
LOWER67.2m/s14.9度2236rpm右1.2度260Y
堀口氏がヘッドスピード46~47m/sで試打したデータ。「フライトスコープ」で計測

実際、UPRTでは打ち出し方向が左に変化し、つかまっていることを示している。しかし、飛距離データ的には「LOWER」ポジションがもっとも良い結果となった。

「STDよりロフトが2度減、フェースは4度も開きますが、ライ角は2度プラスになります。ロフトが絶壁に見えるぐらい立ちますが、初速は間違いなく上がりますね。パワーに自信がある人は、試してみるとさらに飛ばせる可能性が高いです」(ノリー堀口コーチ)

画像: ヘッドスピード46~47m/sで試打したノリーは、「LOWER」ポジションでもっとも良い結果が出た

ヘッドスピード46~47m/sで試打したノリーは、「LOWER」ポジションでもっとも良い結果が出た

今回、SIMドライバーの可変スリーブを調整して打った結果、弾道、飛距離ともに大きな変化が見られた。調整次第ではさらに飛ばすことができ、これまでしっくりきていないドライバーでも、調整次第では見違えるほど自分にぴったりの1本に仕上がる可能性も秘めていることがわかった。

月刊ゴルフダイジェスト6月号では、今回紹介したSIMのほか、MAVRIKシリーズ、ピンG410シリーズをはじめ、人気ドライバー10機種のカチャカチャによる変化を完全網羅。カチャカチャ系ドライバーユーザーは、ぜひ試してみてはいかがだろうか。

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