PGAツアーはいよいよ今週「チャールズシュワブチャレンジ」から再開となる。世界ランク5位、通算20勝のダスティン・ジョンソンも出場し、もちろん優勝候補のひとり。特徴的なスウィングの持ち主の“DJ”だが、アマチュアでも参考になる点はあるか? プロゴルファー・中村修が改めて注目した。

なんといっても特徴的なのはトップでの左手首のカタチだが……

2015年の全米オープンでは最終ホールでまさかの3パットを喫して惜敗。雪辱を期した翌年の全米オープンでは5番ホールのグリーン上でボールが動いたことに対するルール上の罰則が「無罰」から一転「1打罰」になることをプレー中に告げられるというアクシデントに見舞われましたが、冷静さを失わず、見事にメジャー初優勝を挙げました。そういうエピソードも含めてDJはなぜか憎めない可愛らしさがあります。

画像: 世界ランク5位、通算20勝のダスティン・ジョンソン(写真は2019年の全米オープン 写真/有原裕晶)

世界ランク5位、通算20勝のダスティン・ジョンソン(写真は2019年の全米オープン 写真/有原裕晶)

DJのスウィングの特徴はなんといってもトップでの左手首の形。左手が手のひら側に折れる特徴的なものです。そのことを2017年の「全米オープン」でブッチ・ハーモンに直接聞きました。するとブッチはこう答えました。

画像: トップで左手首が手のひら側に折れる形が特徴的(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 写真/姉崎正)

トップで左手首が手のひら側に折れる形が特徴的(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 写真/姉崎正)

「DJが私のところに来たときに、この左手首は直したほうがいいかと聞かれたけど、直さなくていいと答えたよ。スウィングはナチュラルなのが一番。DJにとってはこの左手首はナチュラルなんだ。そこを直すよりもフェードとウェッジショットに磨きをかけた。そうしたら世界1位になったのさ」(ブッチ・ハーモン)

本人にとってナチュラルな動きであれば再現性が高くスウィングも安定します。その見極めが、さすがのブッチというところです。

さて、DJのスウィングにはもうひとつ特徴的な部分があります。それが、一度目標方向に手元を動かしてから始動する点です。手を前に出すことからフォワード(前)プレスと呼ばれますが、こうすることでハンドファーストの形ができ、手首とクラブの角度をキープしたまスウィングしやすいという効果があります。

画像: 目標方向に手元を動かしてから指導するフォワードプレスを取り入れている(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 写真/姉崎正)

目標方向に手元を動かしてから指導するフォワードプレスを取り入れている(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 写真/姉崎正)

始動で一度手元を目標方向に動かすことで体の重心も動きます。重心が移動することで自然と下半身も使えるようになりますし、手首の形が一定になることで、再現性も高まります。ハンドファーストで当てることが苦手な人は取り入れてみる価値はあるでしょう。

画像: フォワードプレスで作った手首とクラブの角度をスウィング中にキープすることでハンドファーストに当てやすくなす(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 写真/姉崎正)

フォワードプレスで作った手首とクラブの角度をスウィング中にキープすることでハンドファーストに当てやすくなす(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 写真/姉崎正)

チャールズ・シュワブ・カップの会場のコロニアルCCはディフェンディングチャンピオンがケビン・ナということからも飛ばしが絶対条件のコースではありません。なので、必ずしも飛ばし屋のDJが有利! ということはないかもしれませんが、しかし、そこはDJのこと、やる気に火がついたら優勝争いも十分あり得ます。切れ味鋭いショットでピンを狙う姿が見られることが楽しみでなりません。

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