再開した米ツアー「チャールズシュワブチャレンジ」を1打差の3位でフィニッシュしたザンダー・シャウフェレ。すっかりトップ選手の一人として定着したシャウフェレの好調なパッティングの秘密を在米ゴルフジャーナリスト、アンディ和田がレポート。

1.5メートル以内のカップイン確率98%

3カ月振りに再開となったPGAツアーで、優勝には届きませんでしたが、4日間安定したゴルフを展開していた1打差惜敗のザンダー・シャウフェレ(26歳)。 フィールドトップのパーオン率(80.6%)とキレのあるアイアンショットを連発していました。

シャウフェレはツアーに昇格してまだ3年半ですが既に4勝。メジャーではマスターズ2位、全英オープン2位、全米オープン3位を含む上位フィニッシュが多数。獲得賞金は既に1630万ドル(約18億円)を突破しています。

画像: 練習器具を使ってパット練習するザンダー・シャウフェレ(中)(写真は2019年の全米オープン)

練習器具を使ってパット練習するザンダー・シャウフェレ(中)(写真は2019年の全米オープン)

ショットメーカーのシャウフェレですが、パッティングのスタッツを見てみると、パットの名手ジョーダン・スピースやルーク・ドナルドなどと比較すると若干見劣りするものの、今シーズンの3メートル以内の成功率は「89.7%」でツアー13位。先週の試合では1.5メートル以内のパットはミスは一回のみで98%と、優勝争いできる要因になっていました。

試合会場で実践する練習メニューは4つ

そんなシャウフェレが試合会場で実践するという練習ドリルを4つ紹介します。

【1】真っすぐなライン探し
1分以内に完璧な真っすぐな2メートルのラインを探し出す。スマートフォンアプリのデジタル水平器で確認する。友人と競いあうのも良し。

【2】追い越しスピードドリル
1球ごとに前の球を追い越していくという練習法。5メートル先と10メートル先の2カ所にティを差し 、まずは5メートル地点のティを越えるようにパット。 ショートしたらゲームオーバー。ティを越すことができたら2球目は最初のボールを越えるようにパット。ショートしたら終了。 3球目は2球目の止まった位置を越えるようにパット。 最終的に10メートル地点を越えてしまったら終了。

要するに、5~10メートルの間に何個のボールを止めることができるかを競うドリル。また平らだけではなく、上り、下りも同じようにしてタッチの練習をすると、バリエーションが増えてきます。上りはやさしいけれど、下りは難しくなります。

【3】3つのラインで打つ
大きく曲がるラインを、強め、少しオーバー、ジャストタッチの3つのラインで狙う。ひとつの読みではなく、3つ読むことで、カップに向かう太くて曲がる線路のイメージが沸いてくる。

【4】止まった瞬間を当てる
10メートルのパットを打ち、打ったあとにボールを見ないで止まったと思うタイミングで「ストップ」と言う。 グリーンのスピードとボールが最後に減速していくイメージをしっかり感じ取れる。

シャウフェレのパッティングコーチを務めるデレック・ウエダ氏曰く、「ザンダーは自分の目でしっかりとしたグリーン読みを取得できるように訓練を重ね、ボールのある場所の傾斜、途中の中間点の傾斜、カップの場所の傾斜を的確に当てることができます。上達するための陰の努力は凄まじいですよ。パッティングの練習も自分一人で4時間費やすのも普通です。 我々が練習するコースにはフィル・ミケルソンも頻繁に来ます。 50歳になってもフィルのゴルフに対する熱意を観察しているからこそザンダーも影響を受けているでしょう」

最後にウエダ氏はとっておきの情報を教えてくれました。

「これは秘密の話ですが、ツアー競技では朝7時の早いスタートや午後2時の遅いスタートもありますよね。湿度が高い夏の試合では午前と午後ではロフトの違うパターを使用することもあります。 シャウフェレはロフト2.5度と3.5度とほかは同じでロフトだけ異なるパターをツアー会場に持っていきます。午後は芝が伸びるのでロフトの多いほうが適していますから」(ウエダ氏)

次なるメジャー制覇する若手は誰? という質問に必ず名前が挙がるシャフフェレ。 優勝時に祝福するチームシャウフレの一員にはご両親の他にこのウエダ氏も登場してくるでしょう。秋に行われるメジャー競技が楽しみですね。

画像: 【基本編】絶対決めたい!ショートパットの基本の打ち方・構え方~原田修平プロ~ youtu.be

【基本編】絶対決めたい!ショートパットの基本の打ち方・構え方~原田修平プロ~

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