林の中でグリーン方向に見えるわずかな隙間。ティショットのミスを挽回しようとそこを狙って木に当たり、あれよあれよと気が付けば大叩き……そんな事態を防ぐための考え方を、プロキャディ・伊能恵子に聞いた。

ナイスボギー! が増えるとスコアはまとまる

自身のスコアに対する許容範囲を広げることも、90台を出すためのポイントだと思います。

たとえば、林の中や難しいライからボギーで上がれたらナイスボギーですが、100切りを目指すゴルファーは意外とその感覚がなくて、ボギーに対して悔しがったりすることがあります。自分のなかのハードルが高すぎる気がするんですよね。

たとえばティショットがイメージしていたより曲がって林のなかに入った場合、なにを考えますか? 上級者ゴルファーの場合は「これ、どうやったらボギーで上がれるかな?」と、ボギーでしのぐために何が必要かを考える冷静さを持っています。そう考えると、色々な選択肢が出てきますよね。

画像: 古閑美保、片岡大育らのキャディを務めた伊能恵子(写真左)。江戸時代に日本地図を作った伊能忠敬の子孫としても有名(写真は2017年の関西オープン 撮影/大澤進二)

古閑美保、片岡大育らのキャディを務めた伊能恵子(写真左)。江戸時代に日本地図を作った伊能忠敬の子孫としても有名(写真は2017年の関西オープン 撮影/大澤進二)

でもこれが100切りを目標にしているゴルファーの場合は、「ボギーで上がるには」と考えるのではなくて、グリーンに近づくための林の隙間を探していると思うんです。それこそ1ミリの隙間を探している。

もちろん、そうやって狙った場合、林の間を上手く抜けられる可能性より、木に当たって跳ね返ってくる確率のほうが高くて、ずっとパーやボギー、悪くてもダボといい感じのスコアだったのがいきなり「8」とか「9」になって意気消沈してしまう。

画像: 林の中から1ミリの抜け道を探すのではなく、一度横に出すのもひとつの戦略だと伊能はいう(撮影/姉崎正)

林の中から1ミリの抜け道を探すのではなく、一度横に出すのもひとつの戦略だと伊能はいう(撮影/姉崎正)

林に入れてしまった時点で「どこに出したらボギーで上がれるかな」と考えて、一度横に出すことでスコアが大崩れすることは少ないですし、それも勇気というか、ひとつの戦略だと私は思います。

林に入ったということは1ぺナを打っているようなもので、一度フェアウェイの打ちやすいところに出して、そこからボギーを狙っていく。そして、ティショットを林に打ち込んだような難しい状況からボギーで上がることができたら、ナイスボギー。そう思うことができたら、意外とサードショットがパーをとれるチャンスにつけることだってできるはずですよ。

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