ボギーやダボが続いてスコアを崩してしまった経験は誰にでもあるはず。そんなときはどんな姿勢で歩いているだろうか。プロも指導するメンタルトレーナー池努が、調子の悪いときにこそ使ってほしい「調身」を教えてくれた。

姿勢を正せば呼吸も正され、心も正される

ゴルファーに必要なメンタルスキルである「姿勢」のコントロールについて解説していきます。

メンタルトレーニングの世界では「調身」・「調息」・「調心」という言葉がよく使われます。これはどういうことかというと座禅でも重要なこととして語られることですが、簡単に言えば心が乱れれば、息(呼吸)は浅くなって乱れ、身体(姿勢)も悪くなり乱れる。逆に姿勢を正せば(調身)、呼吸も正され(調息)、心も正される(調心)ということを指します。

今回は、この「調身」という体の姿勢を調整することでのメンタルの整え方を紹介していきます。

さて、ひとつあなたに質問ですが、あなたの職場や家庭で、ある人の調子が悪そうに見えたとします。あなたはその人のなにを見て「調子が悪そうだな」と感じますか? おそらく多くの人が「表情や姿勢」または声の大きさなどの状態を見て判断するのではなないでしょうか。

実は、ゴルファーのその日の調子も第三者から見れば、プレーやスコアを見なくてもある程度の見当がつくものです。私もサポートするプロゴルファーの試合を観戦に行くことがありますが、多くの場合、調子が悪いゴルファーは歩く姿勢が悪く、目線は下がり、表情も曇っているものです。

逆に調子がよいゴルファーは風を切って胸を張って歩き、目線は上がり、良い表情でゴルフをしているものです。私がプロの試合を観戦するときにあるメモをとります。

画像: メンタルや調子の良し悪しは、歩く姿勢に表れると池は言う

メンタルや調子の良し悪しは、歩く姿勢に表れると池は言う

例えば、「1~3番ホールまで姿勢〇、4番ホールでボギー、そこから8番ホールまで姿勢が乱れ、歩く時の目線が下に」このようなメモです。そして、試合後のフィードバックのセッションで選手に聞くのです。「5~8番ホール、ネガティブなことを考えていませんでしたか?」と。すると選手は「なんでわかったのですか?」と聞いてきます。そこで「歩く時の姿勢と視線に調子が表れているように見えましたよ」とフィードバックするのです。

このようにきっと、あなたも良いゴルフができているときの姿勢や表情、悪いゴルフをしているときの姿勢や表情を思い出してもらえると大抵が上記のように調子が姿勢に表れているはずです。メンタルトレーニングの世界的権威のジム・レーヤー博士も「人の心は表情や仕草、姿勢などでたいてわかるものだ」と言っているように「姿勢・表情は人の心を移す鏡」なのです。

また、姿勢を正すこと、つまり「背筋を伸ばす」ことは自律神経のバランスを安定させることにもつながります。背筋を伸ばすと気道が開き、呼吸をしたときに肺に入ってくる酸素の量が増えます。酸素の量が増えると、末梢の血管は拡張子、身体の隅々の細胞にまで血流とともに酸素が届くので全身の動きも良くなると言われています。

したがって、まずは姿勢が乱れているときはメンタルも乱れているという事実を知り、姿勢をコントロールする意識付けからスタートすることがおすすめです。調子が良い悪いに関わらず良い姿勢でテンポよく歩くことを心掛ける。シンプルですがとても効果的です。

姿勢を正せば(調身)、呼吸も正され(調息)、心も正される(調心)ということは言葉にすると当たり前のように感じますが、実際に調身をコントロールできているゴルファーとコントロールできていないゴルファーではメンタルに大きな差が生まれます。

きっと、「あなたにとって強いゴルファーとは?」という問いで出てくる選手は良い姿勢でゴルフをしているのではないでしょうか。調身・調息・調心という言葉はゴルファーとして覚えておいて損はない言葉だと思います。そして、心を整えるスタートとして「姿勢」を正すことを意識してみることをおすすめします。

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