再開したPGAツアー「ロケットモーゲージクラシック」に出場する松山英樹。復帰後2戦目を迎えた初日は1アンダーの87位と少し出遅れ気味。在米ゴルフジャーナリストアンディ和田が飛距離ナンバー1に生まれ変わったB・デシャンボーとの注目組をレポート。

データ示すデシャンボーの攻撃力

PGAツアーが再開して4戦目、シーズン36戦中26試合目の舞台はミシガン州にあるデトロイトGC。 昨年からスタートした「ロケットモーゲージクラシック」の大会初日は7アンダーでK・キズナ―ら3人が首位に並び、アンダーパーの選手が110人と今年もバーディ合戦になる模様です。

画像: PGAツアー復帰3戦目「ロケットモーゲージクラシック」の初日を1アンダー87位タイで終えた松山英樹(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 写真/姉崎正)

PGAツアー復帰3戦目「ロケットモーゲージクラシック」の初日を1アンダー87位タイで終えた松山英樹(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 写真/姉崎正)

世界ランク23位の松山英樹は同10位で3試合連続トップテン入りと好調のブライソン・デシャンボーと同組。結果は、松山は4バーディ3ボギーの1アンダー「71」で87位。 過去3週間で通算46アンダーと絶好調のデシャンボーは松山よりもボギーが1つ多かったですが、1イーグル、8バーディという内容で6アンダー「66」。 初日4位スタートと今週も好スタートとなっています。

松山とデシャンボーの初日の基本データは下記の通りです。

松山英樹B・デシャンボー
スコア7166
フェアウエーキープ8 / 148 / 14
パーオン12 / 1814 / 18
パット数2828
3パットホール01
バンカー0 / 10 / 0
リカバリー3 / 61 / 4

この基本データだけみると5ストローク差の違いがあまり見えてきませんが、デシャンボーはパー5で2回2オンに成功してイーグルも奪っていたり、攻撃的なゴルフでスコアを伸ばしていました。プレー後のインタビューでデシャンボーは「パー5で(2打目を)9番アイアンで打てるからピンを直接デッドに狙える」と語っていました。 トレーニングと食生活を改善し体重を増やし肉体改造中のデシャンボーのアイアン番手の距離は下記の通りです。

4番 255ヤード
5番 235ヤード
6番 220ヤード
7番 205ヤード
8番 190ヤード
9番 175ヤード
PW 160ヤード
47度 145ヤード
53度 127ヤード
58度 110ヤード

デシャンボーのアイアンは37.5インチで統一されたワンレングスのユニークなセッティングです。そして、 アイアンのスウィングはドライバーの激しいフルショットとは異なりリズムを抑え、距離を上手く合わせてきます。 この辺りがドラコン専門プロとツアープロの違いですね。 またデシャンボーは初日パッティングも好調で3メートルから5メートルの距離は3回中3回沈め、8メートルと10メートルもそれぞれねじ込みスコアを伸ばしていました。

画像: 9番アイアンで175ヤードを飛ばすまでに飛距離を伸ばしているブライソン・デシャンボー(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 写真/姉崎正)

9番アイアンで175ヤードを飛ばすまでに飛距離を伸ばしているブライソン・デシャンボー(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 写真/姉崎正)

今週のドライバー計測ホールは前半と後半のパー5ホール、7番と14番です。デシャンボーは7番は341ヤード、14番は376ヤードかっ飛ばし平均358.5ヤードで初日から計測ホールトップとなっています。

飛距離以外でもヘッドスピード、ボール初速でもトップとなっているデシャンボーのトラックマンデータを紹介します。 同じ14番ホールでは340ヤードと飛ばしていた松山英樹のスピードデータ、そして昨年第2ラウンドでの同じ14番ホールのデータも比較として載せてみました。

B・デシャンボー松山英樹松山英樹(2019)
測定ホール14番14番14番
ヘッドスピード(m/s)60.951.752.0
スピン量(rpm )290525873261
打ち出し角度11.710.38.8
ボール初速(m/s)87.577.877.6
飛距離(ヤード)376340314

こう見ると、松山も去年より26ヤード飛ばしていますが、デシャンボーはさらに異次元の飛距離です。昨年ツアーでボール初速がトップだったのはキャメロン・チャンプ。 最速は198.91マイル(88.4m/s)。 デシャンボーはボール初速200マイル(88.89m/s)を越えたいと話していましたが、この夏に実現しそうな勢いですね。

松山は最終ホールで2メートル強に寄せたバーディチャンスを逃してしまいました。6番ホール(パー4)の2打目はフェアウェイ残り90ヤード地点からのミスショットには驚きましたが、きっちりパーセーブ。 まだまだ本調子ではないようですが、明日以降ミスを最小限に抑えパー5や距離の短いパー4でチャンスを掴むことができれば昨年の15位(通算15アンダー)を上回ることはできると私は思います。

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