松田鈴英を指導する黒宮幹仁コーチが教えてくれた、つかまったボールを打つための「ヘッドアップ打法」を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

右わきが締まり、インサイドアウトで振れる

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。

最近のドライバーは本当にミスヒットに強くなって、少々芯を外しても大きく曲がることがなく飛距離もそこそこ出ます。ただ、最近の大型ヘッドは慣性モーメントが大きくなってミスに強くなったぶん、スウィングの途中にフェースが開いてしまうとそれを戻すのが難しくなりました。なので、トップでフェースが開いてしまうゴルファーは球がつかまらずスライスになってしまうことが多いんです。

ボクもそのタイプ。ボールをつかまえようと無理やりフェースをターンさせようとするとボールは右に左に……。せっかくの大型ヘッドの特性をまったく活かせません。そんな大型ヘッドでのスライスに悩んでいるゴルファー向けに”面白いほどに球がつかまる「ルックアップ」のススメ”という記事が週刊ゴルフダイジェストの7/14号に載っていたので、さっそくやってみることにしました。

画像: 週刊ゴルフダイジェストの7/14号の特集「ルックアップのススメ」で紹介されていた、ドライバーでボールをつかまえるコツを実践してみた

週刊ゴルフダイジェストの7/14号の特集「ルックアップのススメ」で紹介されていた、ドライバーでボールをつかまえるコツを実践してみた

ルックアップといえば、古い人間のボクはデビット・デュバルやアニカ・ソレンスタムを思い出すのですが、最近はあまりルックアップをしてる人を見かけないような気がするんですけどね。ルックアップでボールがつかまるんでしょうか? 昨シーズンのドライビングディスタンスが3位だった松田鈴英プロもやってる方法らしいので、期待しても良いのかなと思います。

記事によると顔をずっと下に向けたまま打つと、体の回転が止まり、リリースが早まってしまってクラブが下から入るのですが、ルックアップで打つことで右わきが締まり、リリースのタイミングが遅くなることでイン・アウトに振れるとのこと。そのために軌道でボールをつかまえることができるので、無理にフェースを閉じたりしなくていいらしい。

画像: ボクは左の写真のようにリリースが早くてクラブが下から入りがちなのですが、ルックアップだとリリースのタイミングが遅くなり右写真のようにハンドファーストでインパクトできるようになるらしいです

ボクは左の写真のようにリリースが早くてクラブが下から入りがちなのですが、ルックアップだとリリースのタイミングが遅くなり右写真のようにハンドファーストでインパクトできるようになるらしいです

そもそもルックアップというのは頭の位置を変えずに顔の向きだけを変えること。頭が自体が上がってしまうのは「ヘッドアップ」。それではまったく意味がないわけです。

ルックアップをするために注意することは「目線」。アドレスの段階で上体が前傾しているわけですから、目線も傾いているわけです。その角度を保ったまま左に顔を向けるということなので、目線は左上の方向に向くということ。スウィングプレーン上を見るようにすると正しい方向に顔が向いていきます。

画像: 頭の位置を変えずに顔の向きだけを変えるのがルックアップ(左)で、頭の位置が上がってしまうのがヘッドアップ(右)。似て非なる動きなので注意しましょう

頭の位置を変えずに顔の向きだけを変えるのがルックアップ(左)で、頭の位置が上がってしまうのがヘッドアップ(右)。似て非なる動きなので注意しましょう

正しく目線が送れると体の回転もスムーズになります。目標方向を目線が向いてしまうと右肩が下がってしまい、クラブの軌道が縦になりすぎるので注意が必要です。

ルックアップはどのタイミングで顔を上げるのかというのが重要だと思うのですが、切り返し後、左腕が地面と平行になるくらいがベストタイミングということです。ただ松田プロは「切り返してすぐに顔を上げるイメージ」らしい。ボクも素振りをしてみて思ったのですが、たしかに切り返してすぐに頭を上げるくらいのイメージでないと間に合わない気がします。

上体の前傾角度通りにルックアップができていれば肩のラインがボールを指すようになるので、これはチェックしたほうが良いかもしれません。肩のラインがボールの手前を指してしまう人は体が右に倒れすぎということです。

画像: 左のように肩のラインがボールを指すように回転してくるのがいいのですが、右のように上体が倒れすぎて肩のラインがボールの手前を指してはダメ

左のように肩のラインがボールを指すように回転してくるのがいいのですが、右のように上体が倒れすぎて肩のラインがボールの手前を指してはダメ

さっそく目線に注意しながらボールを打ってみましたが、これかなり難しい。もともとボクは頭をしっかり残すという意識はあまりなかったのだけど、それでもルックアップは怖い。インパクトのときにはもう完全にボールよりも前方を見ているわけで、これでボールに当たるのだろうかと、かなり不安になります。

実際には空振りしたりすることはなく、一応ちゃんとインパクトできるのですが、やはりミスヒットがでてしまうことがありますね。おそらく原因は目線の送る方向が悪いのだと思います。どうしても目標方向を向きがちだし、少しヘッドアップ気味にもなってしまうんですよね。

上手く打てたときには少しだけ右に打ち出したボールがほんの少しドローして真ん中に戻ってきました。たしかに無理につかまえようとかの意識がなくてもボールはつかまる気がします。そして、ヘッドスピードが普段のスウィングのときよりも少し速くなりました。

ルックアップをやってみてボクが思ったのは、スウィングってこんなに体が回り続けるのかということ。どこかを止めるとか、溜めるとかということを考えずに、とにかく回り続けるイメージ。あくまでも腕とかクラブは体の回転についてくるだけって感じですね。手で打ちに行ってしまうボクとしてはかなり新鮮な感覚でした。手で一生懸命振っていたときよりもヘッドスピードが速いというのも驚き。

ただ、ラウンドでルックアップをやるというのはなかなか難しそう。どうしても怖くなって中途半端な動きになってしまいそうです。かなり練習をして、自然とルックアップができるようになり、自信が持てるようにならないと難しいかな。

でも、練習に取り入れるのはかなりいいんじゃないかと思いました。ボクは体の回転でスウィングすることや、下半身から切り返すイメージとか、なかなか今までのスウィングでは体感できなかったことが分かるようになりました。今までのスウィングにこの要素を少し取り入れていくことで、自分のスウィングがさらに良くなっていくような気がします。みなさんも一度ルックアップでこの感覚を体験してみるといいのではないでしょうか。

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