ゴルフコースは、元々の地形や環境を活かして設計するため、立地条件によってコースの特徴や難易度も変わってくる。日本でメジャーな6つのゴルフコースの特徴と、その攻略法をまとめて解説。

ゴルフコースの種類

ゴルフコースの設計は、元々の地形や環境をできるだけ活かした上で練られている。とりわけ国土面積の狭いうえに山岳地帯が多い日本では、立地条件によってコースの性質や難易度も大きく変わってくるわけだ。

本記事では、日本の主なコースの種類を6つご紹介する。

丘陵コース

丘陵コースの特徴

まず、山麓の地形を利用して作られているのが、丘陵コース。後述する山岳コースと同じく山地に作られたコースで、ふもと寄りのホールでは傾斜は比較的緩やかだが、標高の高いホールではそのぶんアップダウンや左右のアンジュレーションも強さを増す。

画像: 兵庫県「山の原ゴルフクラブ」はこれまで数多くのプロツアーが開催された丘陵コース

兵庫県「山の原ゴルフクラブ」はこれまで数多くのプロツアーが開催された丘陵コース

丘陵コースの攻略法

アップダウンや左右のアンジュレーションが強めなため、ティショット以外のショットは基本的に傾斜地でのショットになると考えておこう。もちろん、その対策法も頭に入れておく必要がある。

まず左足上がりのライではボールが左に出やすい。ボールの右側の地面が低く、左側の地面が高くなっているので、斜面なりに打つためにはアッパーブローでボールを捉える必要がある。そのためには、クローズスタンスで構え、インサイドアウト軌道でアッパーブローで振ろう。

左足下がりのライではその逆で、ボールが右に出やすい。ボールの右側の地面が高く、左側の地面が低くなっているので、斜面なりに打つためには、オープンスタンスでインサイドアウト軌道でクラブを振り、ダウンブローでボールを捉えたい。

つま先上がりのライでは、傾斜によって自分の立ち位置よりもボール位置が高くなるため、結果、フェースは左を向き、左方向へ飛びやすいライとなっている。真っすぐに打ち出したい場合にはわずかにオープンスタンスで構えて調整し、ライなりに左方向へ打ち出す場合にはクローズスタンスに構え、打ち出し方向を調整しよう。

つま先下がりのライはその逆で、傾斜によって自分の立ち位置よりもボール位置が低くなるため、結果、ボールは右方向へ飛びやすい。その分左を向いてオープンスタンスで調整するか、わずかにクローズスタンスで構え打ち出す方向を調整しよう。

山岳コース

山岳コースの特徴

山岳コースは、文字通り山中に作られたコースを指す。丘陵コースよりも高所に位置し、そのぶんアップダウンや左右のアンジュレーションも激しめ。崖から打ち下ろすようなホールや、ピンフラッグも見えないほどの打ち上げホールなど、高低差を利用した難易度が高めのコースが多い。また、コースの幅も狭めな傾向にあり、左右の景色からプレッシャーを感じやすい。

画像: 山岳コースでは、丘陵コース以上に高低差ができやすい(写真は神奈川県「小田原城カントリー倶楽部」)

山岳コースでは、丘陵コース以上に高低差ができやすい(写真は神奈川県「小田原城カントリー倶楽部」)

標高が高く空気が薄いぶんボールにかかる抵抗も減少するので、標高が低いコースよりもやや飛距離が出やすくなっている。

山岳コースの攻略法

山岳コースでも、丘陵コースと同じく傾斜地からのショットを頻繁に打つことになる。丘陵コースの項で前述した傾斜別の対策法を参考にしてみよう。

林間コース

林間コースの特徴

平地に広がる林を切り開いて作られたのが、林間コース。コースの周囲は高い木々に囲まれているため、ショットを大きく曲げてしまうと林に入れてロストボールが起こりやすく、運良くボールを見つけることができても、シビアなライで林からの脱出を行わなければならなくなる。

また、高い木々が壁となっていることで、地上と上空とでは風の強さが大きく異なる。そのため、ボールを高く上げる番手ほどその影響を受けやすい。風速を読み違えてボールが流されてしまうことのないように注意したい。丘陵・山岳コースに比べると、アップダウンは少なめだ。

画像: 東京五輪のゴルフ競技開催予定地である埼玉県「霞ヶ関カンツリー倶楽部」も林間コース

東京五輪のゴルフ競技開催予定地である埼玉県「霞ヶ関カンツリー倶楽部」も林間コース

林間コースの攻略法

林間コースではまず、林に入れないことを最優先に考えよう。とくにドライバーのティショットで大曲がりしてしまうと、それだけでダボやトリ、それ以上のスコアまで見えてくるほどの大きなリスクを背負ってしまう。

よりセーフティにフェアウェイへ真っすぐ飛ばす、あるいはミスのダメージを極力減らすために、短い番手でティショットを打つのも大いにアリだ。

また、自分の肌で感じる風速が穏やかであっても、ボールが飛んでいく上空付近は強風が吹いている可能性がある。より高い位置にある木々の先端部の揺れ具合を見て、風を読むことも忘れずに。

シーサイドコース

シーサイドコースの特徴

その名の通り、海沿いに作られたコース。最大の敵は海沿いから常に吹き続ける強烈な海風。木々が少なめなコースが一般的なため、海風の影響をモロに受けた状態でプレーしなければならない。また、海風によってグリーンが乾燥するため、転がりが速めになっていることが多い。

画像: シーサイドコースの静岡県「川奈ホテルゴルフコース 富士コース」は国内女子ツアー、フジサンケイクラシックの開催地でもある

シーサイドコースの静岡県「川奈ホテルゴルフコース 富士コース」は国内女子ツアー、フジサンケイクラシックの開催地でもある

シーサイドコースの攻略法

ボールを高く打ち上げるほど海風の影響を強く受けてしまい、狙った地点へのショットが難しくなる。海風の影響を抑えるためには、打ち出しの低いボールを打つ、もしくは海風によってボールが流されることを前提に、打ち出す方向を調整する必要があるだろう。

また、グリーンの速度も速いためパットのタッチにも注意が必要だ。事前で練習グリーンで転がり具合をしっかり確かめておこう。

河川敷コース

河川敷コースの特徴

川沿いの土地を利用して作られたコース。比較的平坦で敷地面積が少ない場合が多く、ショートコースである場合が多い。ハザードも少なめで、さらにプレーフィも比較的安価。市街地からのアクセスも良いため、都心に住む熟練のゴルファーはもちろん、初心者にもオススメしやすいコースと言える。

画像: 東京「赤羽ゴルフ倶楽部」は都心からのアクセスも良い河川敷コース

東京「赤羽ゴルフ倶楽部」は都心からのアクセスも良い河川敷コース

ただし、障害物が少ないということは風を遮るものも地形によって風の影響が軽減されるといったことも見込めないため、強風が吹くとその影響を強く受ける点には注意だ。

河川敷コースの攻略法

前述したように、河川敷コースは平坦かつ障害物やハザードも少なく、比較的難易度は低め。練習の成果を試す場としてはもちろん、思い切ったプレーでスコアの限界に挑戦するも良いだろう。風が強い日は、シーサイドコースの海風と同様に、打ち出しを低くする、あるいはボールが風に流される前提で打ち出しの方向を調整しよう。

高原コース

高原コースの特徴

標高が高いが比較的起伏の少ない高原地帯に作られたコース。分類上は丘陵コースと一括りにされる場合もある。アップダウンも少なく、高地であるため空気抵抗が少なくなることで標高の低いコースよりもやや飛距離が出やすい。

画像: 長野県の蓼科(たてしな)高原に位置する「蓼科高原カントリークラブ」

長野県の蓼科(たてしな)高原に位置する「蓼科高原カントリークラブ」

高原コースの攻略法

高原コースは丘陵・山岳コースに比べれば起伏が緩やかとはいえ、もちろん高低差はあるし、高地かつ平坦な土地のため風の影響も大きい。傾斜地での打ち方や風の読み、風の影響を考慮した打ち方と、前述した各コースタイプの攻略に重要な要素のすべてが随所で求められるだろう。

もちろん、事前情報を入れずにコースをプレーするのもゴルフの楽しみ方の一つだが、それぞれコースの特徴さえ掴んでおけば、バッチリ対応……とまではいかずとも心構えはできるはずだ。

画像: 困ったときに武器になる!UTでもできる、安全に寄せる“転がし”ショット youtu.be

困ったときに武器になる!UTでもできる、安全に寄せる“転がし”ショット

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