強風の影響を最小限に留める、低弾道の「ライン出しショット」。使いこなせれば強力な武器となるが、これがなかなか難しい。そこで、プロゴルファー・中井学が教える「ライン出し」の練習法を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

ターゲットを狙い打つ低弾道ショットは打てるか?

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフって自然の中でやるスポーツですから、いろんな状況に対応していかないとなかなかいいスコアは出ないわけです。アマチュアがラウンドしてて、やっぱ一番難しいなと思うのは風の強い日。プロでも強風だとスコアが出なかったりしますから、アマチュアがスコアを崩すのは仕方がありません。

風が強い日ってアマチュアの弱々しい球ではどうしても流されてしまうんですよ。そんなときにライン出しショットで低い球が打てたらどんなに良いだろうと思います。格好良いしね。月刊ゴルフダイジェストの9月号で中井学プロが「上手い人ほどアイアンは”ライン出し”」という特集でライン出しショットの打ち方をレッスンされていたので、さっそく試してみることにしました。

画像: 月刊ゴルフダイジェスト2020年9月号の特集「上手い人ほどアイアンは”ライン出し”」で中井学プロが紹介していたライン出しショットの練習法を実践してみた

月刊ゴルフダイジェスト2020年9月号の特集「上手い人ほどアイアンは”ライン出し”」で中井学プロが紹介していたライン出しショットの練習法を実践してみた

そもそもライン出しショットってどんな技のことなのでしょうか? 中井プロによると、ターゲットを狙って打てる低弾道ショットのこと。一番手短いクラブを使い、弾道の高さはフルショットの6割くらいで、キャリーはマイナス10ヤードってことらしい。仮に8番アイアンのフルショットが140ヤードだとしたら、7番のライン出しショットで130ヤードくらいを打つイメージでしょうか。

ではライン出しってどんな状況で有効なのか? まずは「風が強くて球が流されるとき」。やはり低い球だと風の影響は少なくなりますよね。

次に「番手間の距離が残ったとき」。これはアマチュアにとって難しい状況ですよね。振り幅を加減して打とうと思って緩んでしまったり、短い番手で強振してミスしたり……。

最後に「ターゲットが狭くて曲げたくないとき」。これぞまさにライン出しショットが必要になる場面ですよね。とにかくボールを曲げたくないときにライン出しが使えるとかなりの武器になりそうです。

しかし僕たちアマチュアでも簡単にライン出しなんて打てるのでしょうか? ライン出しで重要なのは「ロフトを立てて打つ」ということ。

画像: 左のアドレス時の構えよりも、インパクトでは右のようにハンドファーストでロフトを立てる

左のアドレス時の構えよりも、インパクトでは右のようにハンドファーストでロフトを立てる

ハンドファーストでインパクトしなさいってことなんですが、これが意外と難しいんですよ。中井プロが紹介しているハンドファーストができているかを確認するドリルをやってみました。

クラブの真ん中あたりを持って、クラブが体に当たらないように振るというものなのですが、いつもどおりの感じで振ると見事にグリップ部分が体に当たっちゃいます。かなりハンドファーストの意識を持って、なおかつ腰も回転していかないとできないんですよね。いかに普段のスウィングもアーリーリリースで打ってしまっているかが分かります。

画像: クラブの真ん中を持ってクラブが当たらないように振れるとハンドファーストができている証。僕は右の写真のように見事にグリップ部分が体に当たりました。

クラブの真ん中を持ってクラブが当たらないように振れるとハンドファーストができている証。僕は右の写真のように見事にグリップ部分が体に当たりました。

ほかにもテークバックで右に乗っていかずに、左7対右3の体重配分で構えて、それをキープしたままインパクトすることを注意したり、右手首の角度をインパクトからフィニッシュまでキープすることも大事なのだとか。やっぱりなかなかアマチュアには難しいのかもしれませんね。

とりあえずそのあたりを注意しながら打ってみることにしました。最初に普通のショットをしてみたところ打ち出し角が22度でキャリーが147.5ヤード。

画像: 普段通りに打つと、打ち出し角22度、キャリー147.5ヤードという結果に

普段通りに打つと、打ち出し角22度、キャリー147.5ヤードという結果に

次にライン出しのイメージで打ってみました。スウィングの大きさは肩から肩まで。1発目は綺麗に打てましたが、なんと飛距離が普通のショットと変わらず。ハーフショットのつもりが、思ったよりも大きく振っていたようです。コンパクトなスウィングにしたつもりが、結局飛んじゃうというアマチュアあるあるですね。2発目は見事に引っ掛けてしまい、3発目でやっとそれっぽい球が出ました。

画像: ライン出しのイメージで打つと、打ち出し角は18度とやや低めの弾道に。ただ、キャリー130.5ヤードと筆者的には少し飛距離が落ち過ぎてしまう結果に

ライン出しのイメージで打つと、打ち出し角は18度とやや低めの弾道に。ただ、キャリー130.5ヤードと筆者的には少し飛距離が落ち過ぎてしまう結果に

打ち出し角が18度なので、少しは弾道が低くなっていますが、目標の60%にはまだ遠いですね。そしてキャリーは130.5ヤードなので、これは少し距離が落ちすぎでしょうか。まあ、あくまでも計測値なのでコースでやった場合は多少違うのかもしれませんが、それにしてもやっぱりなかなか難しいです。

このあとも何発か打ちましたがどうしても引っかかる球が多かった。中井プロも記事の中で言われていますが、ロフトを立てようとするあまりどうしても右肩がかぶってしまって引っかかるようです。右肩が出ないようにトップから背中を少しだけ目標方向にズラすようなイメージで切り返すと、インパクトで肩がスクェアになりやすいらしい。これが難しいのよね。

もう一つ注意することがフォロー。ラインを出すというイメージから、どうしてもクラブをターゲット方向に突き出してしまいがちなのですが、そうではなくしっかりと体の左に振り抜くのが正解だそうです。たしかに目標方向にクラブを出すと、少しあたりが薄くなるような気がしますね。左に振り抜いたほうが捕まって低くて強い球になる気がします。ただ右肩が突っ込んだ上に左に振り抜くと、とんでもなく引っかかるので、そこは注意しないといけませんね。

画像: 写真左のように目標方向にクラブを出すのではなく、右のように体の左側に振っていく

写真左のように目標方向にクラブを出すのではなく、右のように体の左側に振っていく

ライン出しショット、なかなか難しいです。なんとなくちょっと低くなったりはしますが、強くて曲がらない球を打つのにはけっこうな練習量が必要なのではないでしょうか。でも、こういうショットって確実にスコアに結びつくものなので、できれば習得したいな~と思います。練習に行ったときに必ず30球ずつとかこのショットの練習をしていれば、だんだん打てるようになるんじゃないでしょうか。おそらくこのショットの練習をしていれば普通のショットもうまくなるような気がします。ぜひ練習に取り入れたいですね~。

画像: 振るだけでヘッドスピードが上がる!話題の練習器具「スーパースピードC」どう使う? youtu.be

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