朝のスタート前の練習場は、1コイン25球や30球を練習して練習グリーンへと向かうのが通常のパターン。その日のゴルフを決めるといってもいい朝の練習をプロゴルファー・中村修が紹介する。

クラブは4本持っていこう

まず、コースに到着して仲間とコーヒーを飲んでゆっくり話をしてからスタートするのもゴルフの楽しみの一つですが、遅くてもスタート30分前には練習場に行き1コイン30球くらいはボールを打ってからスタートしたいものです。

30球しかないので、何本持っていくかというと、SWかAW、7番、UT、ドライバーの4本程度が適切。一番長くて軽いドライバー、一番短くて重いウェッジ。その中間で、7番とユーティリティです。あれこれ練習するよりも、この4本に絞るのがベターです。

画像: スタート前の30球は、ウオーミングアップで体を動かしてから。短いクラブからドライバーへと自分のテンポを保ちながら打とう

スタート前の30球は、ウオーミングアップで体を動かしてから。短いクラブからドライバーへと自分のテンポを保ちながら打とう

打つ前に動的ストレッチ

さて、練習前のウォーミングアップですが、プロのトーナメントでは練習場につくと軽く素振り用のバットなどを振ってすぐに打ち始める光景を目にしますが、選手はクラブハウスでしっかりウォーミングアップをしてから出てきています。

ですから、皆さんが練習場についたら、まずは軽く体を動かしましょう。ゆっくりと筋を伸ばす静的ストレッチではなく、心拍数を上げ、血流をよくしパフォーマンスを上げる動的ストレッチをやりましょう。

動的ストレッチとはなにかですが、肩を回したり、手首や足首をブラブラさせたり、筋肉と関節を同時に動かすようにする運動です。決まった動作があるわけではないのでひざの屈伸運動や、肩回しなど幾つかの運動を組み合わせた自分なりのパターンを作っておくといいでしょう。

人間の体は、手首とひじその上に肩というように、グルグル回る関節と曲げ伸ばしする関節が交互に組み合わされていますので、関節の周辺に血流を促すように意識して動かすとケガの予防にもつながります。

ウェッジと7番アイアンの2本を互い違いに持つと、即席の素振り棒になりますので、右打ちだけでなく左打ちの素振りをしておくのもおススメします。ケガの予防とパフォーマンスアップのために練習前の3分から5分間を使ってしっかりと体を温めましょう。

ウェッジから始めてドライバーのあとは最後の仕上げ

30球しかないので4本持ってきたクラブを10球づつ打つと、球数が足りなくなります。お勧めしたいのは、まずはウェッジから始めること。練習前のウォーミングアップで体が温まっていれば50ヤードくらいを5球、70ヤード3球、フルショットを2球と進み、10球打ったら7番にクラブを持ち換えます。

7、8割のスウィングで3球、フルショットを3球。徐々にフルスウィングに移行します。このあたりで今日の体やスウィングの調子が見えてきますが、調子の良し悪しに関わらずここで気にしてほしいのは、スウィングのテンポです。

イチでテークバックして二イで打つ2拍子、チャー、シュー、メンで打つ3拍子など、スウィングの再現性とテンポは密接な関係にありますので、自分のテンポを保ちながら打つことを心掛けてください。

続いてUTへと移り、ほぼフルショットで4球。残りは10球あります。ドライバーに持ち替えテンポを気にしながら3~5球打ちます。残り何球かはウェッジやアイアンに戻り、グリーン周りを想定した短い距離を打ったり、最初のパー3を想定してアイアンを打っておくことも効果的です。

また、練習の際は、練習場のボールがレンジボールかコースボールかによってチェックするポイントが変わります。レンジボールであればコースボールとは飛距離が異なりますから、飛距離は気にせず、打出し方向がターゲットに向いているかをチェック。コースボールであればいつも通りの距離を出せているかも確認しておきましょう。

朝の練習で調子が悪いとチェックポイントを見直して、あれやこれやと修正したくなります。しかし、やればやるほど力みが出て、ドツボにハマってスタートを迎えることが多いのではないでしょうか。プロや上級者はそういう経験を何度もしているので、自分なりの朝の練習ルーティンを持っているものです。

スウィングのテンポを保って練習することに重点を置くことで、力みを取り除きスウィングの再現性を高め、雑念を排除することもできます。サンドからドライバーまで、一定のテンポで打つことだけにフォーカスして、練習してみてください。

スタート前の30球でやれることは限られます、しかし自分なりのルーティンを持てば、良いスタートが切れるのではないでしょうか。

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