黄金世代の一人でツアー1勝の原英莉花。今季は下半身の強さを求めてハードなトレーニングを重ねているという。飛距離と安定感に磨きをかけるそのスウィングを、プロゴルファー・中村修が解説。

下半身の安定感が増した

初戦の「アース・モンダミンカップ」では5位タイに入り仕上がりのよさを感じましたが、第2戦目の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」では残念ながら予選落ちに終わりました。今季はオフから取り組んでいる下半身の強化、一年を通して戦える体力作りを続けているといいます。

結果、昨年よりも筋肉量が増え。見た目にもさらにアスリート体形になったように感じます。

画像: 下半身の強化、一年間戦える体力作りに取り組みアスリート体形になった原英莉花(写真はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 写真/岡沢裕行)

下半身の強化、一年間戦える体力作りに取り組みアスリート体形になった原英莉花(写真はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 写真/岡沢裕行)

では早速、8月に撮影したばかりの最新スウィング写真をチェックしてみましょう。

まずは画像Aをご覧ください。右のトップの画像を見ると、トップでのクラブの位置が昨年と比べてもさらに深くなっています。右足太もものの発達した内転筋からも下半身強化の成果が見て取れます。深いトップをとってもブレずにバランスがよく、トップの位置で誰かに押されても揺るがないような安定感を感じます。

画像: 画像A 昨年よりも下半身を強化したことで一段深くなっても安定度抜群のトップ(写真右)(写真はISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメント 写真/姉崎正)

画像A 昨年よりも下半身を強化したことで一段深くなっても安定度抜群のトップ(写真右)(写真はISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメント 写真/姉崎正)

彼女はジャンボ・尾崎将司プロの愛弟子としても知られますが、同じジャンボ邸で練習する仲間には「NEC軽井沢レディスクラシック」で初優勝を挙げた笹生優花選手や、上位争いをした西郷真央選手といった新鋭もいますから、彼女たちの存在にも大いに刺激を受けていることでしょう。

さて、スウィングに戻りましょう。画像Bを見ると、トップから左へ踏み込んで切り返し、インパクト前に踏み込んだ左足を伸ばすように使うことで、地面からの反力を使ってクラブを加速させています。173センチの恵まれた体を強化して、飛距離と安定感に磨きをかけている。そんな印象のスウィングですね。

画像: 画像B 左足を踏み込んで切り返し、インパクト前に左ひざを伸ばすように地面からの反力を得てクラブを加速させる(写真はISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメント 写真/姉崎正)

画像B 左足を踏み込んで切り返し、インパクト前に左ひざを伸ばすように地面からの反力を得てクラブを加速させる(写真はISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメント 写真/姉崎正)

もうひとつ、下半身をしっかりと強化することで、距離と方向性を確保しながら打つ”ライン出し”ショットにも好影響があります。フェースの向きクラブのスピードをコントロールしながら打つライン出しショットで大切なのは下半身と腹筋の力だからです。

画像Cをご覧ください。腕の力に頼ると再現性が低くなりクラブのスピードもコントロールできませんが、インパクト直後の左の画像を見るとフェースの向きもしっかりとコントロールされていますし、インパクトゾーンでおへその前にクラブをキープしているから、フィニッシュもコンパクトにおさまっています。しっかりと体幹を使ってクラブをコントロールしていることの表れです。

画像: 画像C 体力アップの効果はライン出しショットにも好影響を表している(写真はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 写真/岡沢裕行)

画像C 体力アップの効果はライン出しショットにも好影響を表している(写真はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 写真/岡沢裕行)

今の取り組みを続けていけばショット力は昨年よりも一段上がってくることは間違いないでしょう。あとはパッティングです。アースモンダミンカップのときはパッティングが好調でしたが、NEC軽井沢ではよくなかったようです。

原選手の場合、高いショット力をスコアに結びつけるパッティングがさらに向上すれば。常に上位で戦えるはずです。2勝目、3勝目と大きく飛躍するのはもう間近ではないでしょうか。

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