PGAツアーのプレーオフ第2戦「BMW選手権」で松山英樹が単独首位発進。そのスタッツを読み解くと……過去に優勝した試合との共通点が浮かび上がってきた!

ドライバー平均飛距離は321.5ヤード。フェアウェイキープ率は42.86%と高くはないが、パーオン率は72.22%と極めて高く、特筆すべきはストロークゲインドパッティング(パットのスコアへの貢献度を表す指標)で、数字がプラスなほど良いこの指標が1.328とプラスの数字になっている。

実は、先週のプレーオフ第一戦「ザ・ノーザントラスト」で、松山はストロークゲインドパッティングの指標で、シーズン初めて全体のトップ30入りを果たしている。パットが弱点と言われ続ける松山だが、ここに来て弱点のはずのパットがストロングポイントに転じている。最終ホールで決めた20メートルの超ロングパットはその象徴と言えるかもしれない。

そうなれば、元々松山にはショットの総合力を示す指標であるストロークゲインドティトゥグリーンでシーズンを通してツアー全体の2位と、世界最高峰のショット力がある。

画像: 今大会初日3アンダーの単独トップと好スタートを切った松山英樹(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

今大会初日3アンダーの単独トップと好スタートを切った松山英樹(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

フェアウェイキープ率が低いじゃないか、と思われるかもしれないが、昨今のPGAツアーではフェアウェイキープ率と成績の間の相関関係はさほど強いとはいえず、実際フェアウェイキープ率トップ10の選手にフェデックスランクトップ10に入る選手は一人もいない。

また、過去、松山がPGAツアーで勝利した試合には共通点があり、それは
1:初日のスコアが良い
2:パッティングの指標が良い
という2点で、それに加えてショットの指標が言わばいつも通りにいい場合に優勝しているのだが、今回はそれがともに(見事に)当てはまる。

PGAツアーの精鋭中の精鋭69人が出場してアンダーパーはわずか3人というショット力が問われるこの試合で、ツアー屈指のショット力を持ち、パッティング好調の松山が初日トップでスタートしたというのは、非常に明るいニュースだと言えるのだ。

もし仮に初日のリーダーボードのまま大会が終了したならば、松山英樹はフェデックスポイントランク2位で最終戦を迎えることになる。フェデックスカップ年間王者のボーナスは16億円(1500万ドル)という途方もない金額。日本人選手がその金額を手にし、年間王者の称号をも手にするという前代未聞の事態が、現実味を帯びてきている。

そして最終戦はBMW選手権終了時のランクをもとに、1位10アンダー、2位8アンダー、3位7アンダ
ー……とスコアにハンディをつけて争う試合となる。BMW選手権で好結果を残すほど、最終戦は有利になるわけだ。

果たして2017年のWGCブリヂストン招待以来の久しぶりの優勝は見られるのだろうか。松山英樹の2日目以降のプレーを楽しみにしたい。

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