前のコンペの前夜、カツカレーを食べて優勝できたから、それ以来コンペ前夜は必ずカツカレーを食べる。たとえお腹の調子が悪くても……これが“ゲン担ぎ”にとらわれている状態で、パフォーマンスを上げるルーティンとは別物だとプロも教えるメンタルコーチ・池努は言う。その違い、しっかり覚えておこう!

不要なゲン担ぎを排除し、シンプルなルーティンをつくる

あなたはルーティンとゲン担ぎを混同していませんか? またそれらに囚われていませんか?

多くの人がこれらを混同しているように感じるとともに「試合前(コンペ前)は〇〇をしなければならない」と囚われることでパフォーマンスを下げている人が多くいるように感じます。(〇〇に入る対象は客観的に結果やパフォーマンスに影響しないはずのものが入る)。

とくに競技ゴルファーに多いですね。「〇〇しなければならいない」と考えるとそれができなかったときに「〇〇していないからうまくいかないかもしれない、気持ちが落ち着かない」と不安になったりしますよね。それがまさしく囚われている状態です。

ちなみにゲン担ぎとは簡単に言うと「縁起が良いと思っていることを続けること」です。「部屋を掃除をするとゴルフの調子が良い気がするから試合やコンペ前には部屋掃除をする」「神社参りを定期的にしていないと仕事や日常で運気が下がりそうだから続けないと気持ちが悪い」などはゲン担ぎの一部です。

このようなゲン担ぎで問題なのがそれらの行動をとることが強迫観念に変わってしまっている場合です。「〇〇をしないと悪いことが起きそう。だから続けないといけない」これは明らかにゲン担ぎに囚われている状態です。

ここで言いたいのはゲン担ぎをすることが悪いことではなく、ゲン担ぎに囚われることがゴルフのパフォーマンス発揮に良くないということです。ポイントはゲン担ぎを重荷にしてほしくはないということです。ぜひ、この機会に不要なゲン担ぎは手放してほしいと思います。

手放すためには「これはゲン担ぎだ」と気づくことが大切です。コンペや試合前に「しなければならないこと」が多いと感じる人は一度、スマホにゲン担ぎ的な行動をリストアップしてみましょう。そして、客観的に不要だと感じることは一度辞めてみることをおすすめします。

ゲン担ぎとルーティン、どう違う?

また、次にルーティンについて解説します。実はゲン担ぎとルーティンはまったく別物でゴルファーが大事にすべきなのはルーティンのほうです。ルーティンとは「理想の状態」に向け、あらかじめ決めていた思考や行動を順序良く実践することをいいます。「なんとなくやっておいたほうが良いこと」ではなく、「意図的にやると決めたこと」はルーティンに入ります。

画像: ルーティンとは理想の状態に向けあらかじめ決めた思考や行動を順序よく実践すること(写真は2019年日本女子オープン 写真/岡沢裕行)

ルーティンとは理想の状態に向けあらかじめ決めた思考や行動を順序よく実践すること(写真は2019年日本女子オープン 写真/岡沢裕行)

たとえば、ショット時の理想の状態が「何も考えずにただスウィングできる状態」だとして、その状態になるために

1.【素振りを2回し、「集中、集中」とセルフトークする】
2.【ボールの後ろに移動し、大きく深呼吸する】
3.【そして球筋イメージを明瞭に描く】
4.【イメージを残したままボール横に入りスウィングする】

といようなものがルーティンです。他にもラウンド前の理想の状態が「身体と心が整っている状態」だとしたらその状態へ向け、【ゴルフ場についたら車の中で2~3分瞑想する→今日のゴルフのテーマをスマホに書き出す→体のストレッチとスウィングのためのウォーミングアップをする】などがルーティンになります。

このように自分がアプローチすべき理想の状態があるときにその状態に向け、必要な行動や思考をとることがルーティンになります。これはゲン担ぎとは違いますよね。

今回はゲン担ぎとルーティンの違いについて解説していきました。ゴルフ前にやることが増えていたという方はこれを機に不要なゲン担ぎについては手放してみることも良いかもしれませんね。

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