前のミスや不運を引きずって悪いスパイラルに陥り、ボギーやダボが止まらない。一体どうやって切り替えたらいいのか? プロも教えるメンタルコーチ・池努が嗅覚と味覚を使った切り替え法を教えてくれる。

香りは脳をダイレクトに刺激する

プロゴルファーをサポートする中で、悪い方向に向かう気持ちの切り替えに「嗅覚(においに対する感覚)」や「味覚(味に対す感覚)」を活用することがあります。これはすごくシンプルで簡単に実践できるメンタル術なのでぜひ読んでほしいと思います。

まずは「嗅覚」についてお話しします。人は香りに敏感です。この香りを嗅ぐと〇〇さんを思い出す。この香りを嗅ぐとあのホテルのロビーを思い出す、というように嗅覚と出来事を関連して記憶していたりもしますし、この香りを嗅ぐとなぜかリラックスできる、集中できるというようにレモンやグレープフルーツなどの香りを嗅ぐと生理的にすっきりとフレッシュな感覚に導かれたりもします。

アスリートも練習時やプライベートに好んで香水をつける選手も多いようです。練習時にスイッチを入れるときの香水、オフ用の香水と分けて使っているアスリートもいます。香水を使い分けることで気持ちのスイッチを入れ替えているのでしょう。このように香りは私たちの気分や感情に影響を与えるのです。

画像: ミスショットや不運を引きずり気持ちを切り替えたいときには「嗅覚」や「味覚」を使うことが効果的だという(写真/姉崎正)

ミスショットや不運を引きずり気持ちを切り替えたいときには「嗅覚」や「味覚」を使うことが効果的だという(写真/姉崎正)

なぜ気分や感情に影響するかというと、香りは私たちの脳にダイレクトに刺激を伝え、その香りによって体は生理的な反応を示すからです。香りの分子を嗅覚がキャッチすると、自律神経系を司る視床下部や感情や本能をつかさどる大脳辺縁系にその信号が伝わり、リラックスを促したり、アクティブに脳を覚醒させたり、深い睡眠を誘導したりと香りに沿った反応を示すのです。

たとえば、レモンの香りを嗅ぐことはリフレッシュ効果があるので、1日のスタートや気持ちを切り替えたいときなど「スイッチ」的な役割をしてくれます。アロマテラピーの世界ではレモンの精油を香らせておくと、仕事のミスが少なくなるという実験結果があるとも言われ、集中力アップの効果が期待でき、生産性アップにも活かせるとされています。

ではこれをどのようにゴルフの気持ちの切り替えに応用するかを紹介していきます。すごくシンプルなのですがハンカチやハンドタオルなどにアロマオイルを1~2滴落として携帯し、気持ちを切り替えたいときにそのハンカチを嗅ぐのです。私がおすすめするのはグレープフルーツやレモンなどの柑橘系のものです。上記にも書いたようにそれらを嗅ぐことでリフレッシュや集中の効果がもたらされるからです。この“ハンカチメンタル”は女性選手がとくに利用しやすいようです。

ミントはリラックス効果、覚醒効果の両方が期待できる

また、次に「味覚」を使った気持ちの切り替える方法です。これはゴルフだけではなく仕事の時間の中ですでに実践している方も多いかもしれません。

結論から言うと錠剤型固形菓子といわれるタブレット菓子を利用することです。たとえば代表的な味はミントです。ミントに含まれる「メントール」という成分はリラックス効果と覚醒効果の両方を持ち合わせるので、不安やイライラを抑えることに加え頭をスッキリとさせる効果もあり、記憶力や注意力を高めるのに適しているとも言われます。

このタブレット菓子は仕事の合間や休憩時に使われている方や学生さんが試験勉強の合間などに使うことが多いのではないでしょうか。これをゴルフ時に使うわけですね。ミスにイライラしたり、後半戦で集中が下がってきたと感じたら使うというように。小さいケースで購入できるため、どこへでも携帯できることもメリットですね。練習時に気持ちをリフレッシュする、コンペや試合で気持ちを切り替えるスイッチとして利用するということもおすすめです。

また、最近ではミントだけでなくレモン、コーヒー、シトラス、ハーブなどたくさんの味が出ているようです。これは手軽に誰もができることですのでまずは一度試してみてほしいと思います。

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