昨年の10月に発生した台風19号の被害を受けた「新東京都民ゴルフ場」が、8月1日に奇跡の再オープン!再営業から約1か月経過した現在はどのようになっているのか、ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロがプレーレポート。

首都圏はまだ30度を超える残暑の厳しい日が続いているが、8月1日から復活したという新東京都民ゴルフ場をプレーしてきた。昨年、10月の台風で大きな被害があり、一時は廃業が決まったものの、医療法人社団葵会グループが再建に手を上げたことで、再オープンの運びとなった。

8月1日のリニューアルでは、テープカットに青木功、倉本昌弘の両雄が参加。青木は63年前にキャディとしてこのコースに就職した縁があるという。青木の偉大なキャリアがスタートしたのが、このゴルフ場だったのだ。昭和30年に開場し、国内でも有数の歴史を持つ、河川敷ゴルフ場のはしりとなったコースだ。

画像: 8月1日のリニューアルに参加した青木功(写真提供/新東京都民ゴルフ場)

8月1日のリニューアルに参加した青木功(写真提供/新東京都民ゴルフ場)

コースは現在、9ホール1965yのパー31。パー5が1ホール、パー4が2ホールで、あとはパー3という構成だ。数字だけ見ると短く感じてしまうが、最長のパー3である7番ホールは199yとタフな設定で、意外にも距離が短いホールは少ない。

気楽に考えていたら、グリーンが小さく、河川敷らしく風の影響も大きくて、意外と一筋縄ではいかないホールが続く。手前で良いと思って打ったボールが、フォローの風に煽られ、硬いグリーンに跳ねて、奥の草むらに入ってしまうトラブルがあったりして、存外苦戦した。

画像: 昨年10月に台風の被害を受けた新東京都民ゴルフ場だったが、今年8月1日に再オープンした

昨年10月に台風の被害を受けた新東京都民ゴルフ場だったが、今年8月1日に再オープンした

一度、壊滅的な被害を受けたゴルフ場の復旧は簡単ではない。7月は長雨が続いたこともあり、重機が泥にはまって使えず、作業が難航したという。芝を張り替えたり、グリーンを新しくしたりしているが、まだ雑草も多く、十分に芝が定着していない箇所も少なくない。フェアウェイにあるボールが、スポッと鳥の巣のように芝草の中に埋まってしまうこともあった。バンカーは固く、雑草が我が物顔に根を張っている。

しかし、筆者個人の感想で言えばプレーは楽しかった。この魅力を伝えるのは難しいが、例えるなら、美しく整備された高級コースが、カウンターで食べる銀座の寿司屋なら、新東京都民ゴルフ場は、市場や海の近隣でしか食べられない珍味といったところ。普段味わえない驚きがあり、味わい深いクセの強さがある。

画像: フェアウェイにあるボールがスッポリ埋まってしまうこともあった

フェアウェイにあるボールがスッポリ埋まってしまうこともあった

現在も復旧作業は続いており、今後、徐々にコースは整備されていくだろう。出来たらその前に足を運んで、自然の中でボールを打つという、ゴルフの原点を味わってもらいたい気がする。JR王子駅から車で10分。都心からも20分強で行けるというアクセスの良さも首都圏在住のゴルファーにとっては魅力的だろう。

芝が定着し、ほんとうの意味でコースが仕上がるのは3年くらいかかりそうだという。それまでに大きな天災がなく、つつがなく整備されて欲しいと願うばかりだ。

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