国内女子ツアー開幕戦で5位、2戦目で5位タイと上々のデビューを飾った西郷真央。平均ストローク4位と抜群の安定感を誇るツアールーキー西郷真央のスウィングにプロゴルファー・中村修が注目した。

西郷真央選手は2019年の日本女子アマを高校3年生で制し、プロテストの最終ホール5メートルのパットを沈めて通過ギリギリの18位タイで合格。QT(予選会)を10位で通過し、その資格で現在女子ツアーに参戦しています。

ここまで5試合に出場し、平均ストローク4位(70.6250)とルーキーでは笹生優花選手(1位)に次いで2番目に結果を残しています。昨年までアマチュアとしてツアーに出場していたものの、プロ転向後早々に結果を出している要因を調べてみると、パー5の平均スコアが4.6875で1位にランクされていることが挙げられます。

まだ5試合しか開催されていませんが、パー5でスコアを稼げているということは、マネジメント、正確な距離の打ち分け、パッティングに優れていることを表しています。そのスウィングを分析してみましょう。

画像: 開幕から2戦連続で上位フィニッシュしたツアールーキーの西郷真央(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

開幕から2戦連続で上位フィニッシュしたツアールーキーの西郷真央(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

まずは画像1をご覧ください。グリップはオーソドックスなスクェアグリップで握り、両腕はわきを軽く絞って体の横ではなく胸の前にセットしています。こうすることで手元と胸の動きが連動しやすくなり手打ちを防ぐ効果があります。右の画像を見ると、手元を胸の正面にキープしながら左腕が地面と平行になった位置で背中がターゲットを向くくらい早い段階から捻転が作られています。

画像: 画像A:オーソドックスなスクェアグリップで握り胸の前に手元をキープしながらテークバックする(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

画像A:オーソドックスなスクェアグリップで握り胸の前に手元をキープしながらテークバックする(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

続いては画像B。トップでからの切り返しでは左のひざの位置に注目です。トップでアドレスの位置からわずかに内側に動いた左ひざは、切り返しでは足の真上になるくらい大きく動いています。これは左サイドの動きによってクラブや手元が引っ張られていることを表しています。トップから手元が先に動いたりリリースが速くなってしまう人は参考にできるポイントですね。

そしてもう一点、左手の手首の向きにも注目します。左腕と手首が一直線のままフェースを開かずにテークバックし、ボールをつかまえる準備を早い段階で終わらせるとともに、インパクト前後では手首をこねる動きを排除。方向性を確保しています。

画像: 画像B:トップからの切り返しでは左ひざを大きく動かし、左サイドの動きに引っ張られるように手元やクラブが動き始める(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

画像B:トップからの切り返しでは左ひざを大きく動かし、左サイドの動きに引っ張られるように手元やクラブが動き始める(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

そして、画像Cでは左サイドの回転を止めずにインパクトに向けてクラブ下ろしています。インパクトでは余裕のある右ひじが伸びながらボールを押すようにインパクトしています。フェースを開かずに使うタイプのため、体の回転量が多く、それによってスクェアにインパクトしようとするタイプです。

画像: フェースを開かずに早い段階でつかまえる準備が整うことでインパクト前後で手首をこねる動きが入らない(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

フェースを開かずに早い段階でつかまえる準備が整うことでインパクト前後で手首をこねる動きが入らない(写真はNEC軽井沢72トーナメント 代表撮影/岡沢裕行)

西郷選手はジャンボ尾崎プロが主宰するジャンボ尾崎ジュニアアカデミーで腕を磨いた選手ですが、アカデミーで選手をサポートする尾崎智春氏によると、西郷選手の特徴はステディなゴルフをするところと話してくれました。

「西郷は今の自分にできることできないことをその日の調子に合わせてやれるので、70%の調子でもスコアを伸ばせるところが優れている点です。その日の調子に合わせたマネジメントでステディなゴルフができるので、調子の波の幅が少ないですね」(尾崎智春)

まだ19歳のツアールーキーなのに試合で結果を出せる術を心得ている点は、さすがに日本女子アマを制しただけのことはあります。同じく通称”ジャンボ邸”で練習する、原英莉花や笹生優花にも刺激を受けつつ、優勝を目指して努力を積み重ねていることだと思います。

まだまだ伸びしろたっぷりの西郷選手。まずは初優勝する姿を楽しみに待ちたいと思います。

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