米女子ツアー「カンビア ポートランド クラシック」の2日目、前日に残した最終ホールをパーで切り抜け、1アンダー39位からスタートした渋野日向子。4バーディ1ボギーの3アンダーとしトータル4アンダー暫定20位タイへと順位を上げたプレーをプロゴルファー・中村修がレポート。

ショットがキレてバーディチャンスを量産した

雷で1時間半中断になった影響で初日の最終ホールを残していた渋野選手は、セカンドショットをバンカーに入れますが、3メートルくらいのパーパットを沈めて1アンダーで第1ラウンドを終了。

画像: 「カンビア ポートランド クラシック」の2日目、バーディチャンスを量産し20位へと順位を上げた渋野日向子(写真は2020年ANAインスピレーション 写真/LPGA Getty)

「カンビア ポートランド クラシック」の2日目、バーディチャンスを量産し20位へと順位を上げた渋野日向子(写真は2020年ANAインスピレーション 写真/LPGA Getty)

10番の512ヤードパー5からスタートした2日目は、サードショットを1メートルに寄せて幸先良くバーディでスタートします。今日の渋野選手はここからショットが冴えわたります。11番、12番、14番、15番、16番、17番と、左右手前奥と振られたピン位置に対してほぼワンピン以内のバーディチャンスにつけます。

ドライバーはフェアフェイをとらえ、アイアンはピンを指す。昨年のピンを果敢に攻める渋野選手のプレースタイルがいよいよ戻ってきました。バーディは10番と15番で2アンダーで折り返します。終了後の会見でも充実感を滲ませました。

「今年入って一番調子が良かったんじゃないのかなという内容の中で、パッティングはもったいないなというのもありましたが、3パットを打たなかったことはよかった。最後は詰めが甘いというか自分らしいというか、ダサいなと思いました」

「詰めが甘い」と自ら言ったのは、最終9番でのプレー。この日初めてと言えるアイアンのミスが出てグリーン右手前のラフに打ち込むと、アプローチもミスしてボギー。後半は2バーディ、1ボギーのプレーで、この日は3アンダー、トータル4アンダー暫定20位タイで2日目を終えました。後半も1ピン以内のチャンスを4回は作っていましたし、外してもボギーを打たない非常に落ち着いた安定したプレーを見せてくれました。

2日間のスタッツを見ると、フェアフェイキープ率は85.18%、飛距離250.0ヤード、パーオン率69.4% パット数は29パットとショットの復調は明らかです。その要因として、スウィングのテンポが一定であったこと、グリーンが柔らかかった初日と異なり、スピンコントロールができていたことがあげられますが、そのことを会見ではこう述べました。

「1クラブ上げて抑えのショットで打つことによってスピン量を減らせるのでそれをやっていました。だいたい距離も合っていたと思います。今週はリズムをすごく考えて打っていて、口には出さないですけど心の中で”チャーシューメン”と言いながら36ホール回っていたので、それがマッチしてくれたのが本当に良かったですね」

やっぱりゴルフにおいて”チャーシューメン”は偉大なワードなんですね。スウィングのリズムを整えることがいかに大切か、調子が悪くなるとリズムが狂ってくるということを改めて教えられました。

余談ですが、リズムを整えようとすることで、動き出しがスムーズになり、体の動く順番が下半身から体幹、上半身、腕、クラブと整うようになります。そうすると無駄な力みがとれ、力を入れるタイミングが揃ってきますから、シルバーウィークにゴルフをされる方は意識するといいでしょう。

渋野日向子選手に話を戻すと、明日の最終日に向け、今日以上のスコアで上位争いしたいと話していました。トップとは暫定で8打差がありますが、シブコチャージに期待しましょう。

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