弾道計測器の普及によって、インドア練習場などでアマチュアが自分のスウィングの計測結果を気軽に確認できるようになったが、重要なのはそのデータのどこに注目し、どう改善していくか。USLPGAティーチング会員の資格を持つ人気美女プロ・小澤美奈瀬と、プロゴルファー・中村修に、アイアンを打つときに注目すべきポイントを教えてもらおう。

重要なのはインパクト前後でのヘッドの挙動

中村修(以下中村):インドアの練習場などではトラックマンをはじめとする弾道計測器が普及してきて、今やアマチュアの方も手軽に自分のスウィングの詳細なデータを確認できる時代になっていますよね。

小澤美奈瀬(以下小澤):データをきちんと読み取ることができれば、改善もできますよね。ただ、表示されるデータが多いですから、きちんと見るべきポイントに注目して上達につなげたいところです。

画像: 弾道計測器でスウィングデータを計測しながら7番アイアンを練習するとしたら、注目すべきデータはどれ? 美女プロ・小澤美奈瀬に教えてもらおう

弾道計測器でスウィングデータを計測しながら7番アイアンを練習するとしたら、注目すべきデータはどれ? 美女プロ・小澤美奈瀬に教えてもらおう

中村:たとえば7番アイアンのデータを計測しながら改善を図るとしたら、どこに注目したらいいんでしょう。

小澤:まずインドア練習場では、多くの場合ネット代わりに白いスクリーンを使って、そこにプロジェクターでヘッドスピード、ボール初速、キャリー、トータル飛距離、打ち出し角度、スピン量、ミート率などの弾道に関するデータ、そして測定結果をもとにした弾道のイメージが映し出されますよね。

中村:そうですね。計測器の種類によってはデータの量などに多少の違いはあるかもしれませんが。

小澤:でも注目してほしいのは弾道に関するデータではなくて、インパクト前後でのヘッドの挙動を計測したデータなんです。

中村:弾道計測器「トラックマン」の場合だと、写真Aのように表示されますね。この画面って、スクリーンではなく別のモニターに表示されることが多いですよね。

画像: 写真A:中村がアマチュアゴルファーに多く見られる右に打ち出してスライスする弾道を再現した際のヘッド挙動を示すデータ

写真A:中村がアマチュアゴルファーに多く見られる右に打ち出してスライスする弾道を再現した際のヘッド挙動を示すデータ

小澤:もし表示のさせ方がわからない、という方は練習場のスタッフに質問してみると良いでしょう。そして、中でも注目してほしいのがアタックアングルとフェースアングル、そしてクラブパスです。

中村:アタックアングルは入射角を指す数値。そしてフェースアングルは、インパクト時のフェースの向きを表した数値。クラブパスは飛球線方向に対してヘッド軌道が何度ズレているかを示す数値です。ちなみに写真Aのデータは、僕がアマチュアの方にありがちな計測データを再現してみたものなんですが、いかがでしょう。

小澤:アタックアングルは「-5.4°」、つまり5.4度のダウンブロー軌道ということ。ですが、フェースアングルを見ると「7.9°R」、7.9度フェースが右を向いています。クラブパスに関しても「-2.2°L」、つまりややアウトサイドイン軌道です。

中村:上から打ち込んではいるんですが、フェースが開いてしまい、結果的に右に出てスライスしやすいスウィングになってしまっています。

小澤:とくにハンドファーストを意識しすぎて、アドレス時に作った手元とヘッドの位置関係をキープしたままリリースせずに振ってしまう方によく見られるパターンですね。

中村:では、この数値をどう変えていけばいいんでしょうか。

小澤:例として、私の計測データ(写真B)を見てみましょう。まず、アタックアングルは-4.0度。写真Aよりもやや控えめなダウンブローですね。ダウンブローの度合いが強すぎてもスピン量が多くなって弾道に悪い影響を与えてしまいますので、理想的なアタックアングルは-3度程度と考えておくと良いでしょう。

画像: 写真B:小澤が示した理想的な7番アイアンのアタックアングル、フェースアングル、クラブパスのデータ

写真B:小澤が示した理想的な7番アイアンのアタックアングル、フェースアングル、クラブパスのデータ

中村:フェースアングルは0.2度右、クラブパスについても-0.2度左。写真Aよりもフェースの開き具合、クラブ軌道の傾き具合も控えめですね。

小澤:もちろん、目指したいスウィングや弾道によっても変わるとは思うんですが、まっすぐな弾道を打ちたいなら、どちらの数値もなるべく0に近づけることが大事です。

中村:この結果に近づけるために、スウィング中に気を付けていることはありますか?

小澤:私の場合、アイアンを打つときは左右の足に体重を乗せる動きを意識しています。頭の位置がズレてしまうほど極端な体重移動ではないんですけど、アドレス時は左足側に体重を乗せて、バックスウィングで右、ダウンスウィングで左、インパクトからフォローでまた右に少し乗るようなイメージです。

画像: アイアンを打つ際は体重移動を意識しているという小澤。アドレス時から左足に体重を乗せ、バックスウィングで右足、ダウンスウィングでまた左足、インパクトからフォローにかけて再度右足に少し体重を乗せているという

アイアンを打つ際は体重移動を意識しているという小澤。アドレス時から左足に体重を乗せ、バックスウィングで右足、ダウンスウィングでまた左足、インパクトからフォローにかけて再度右足に少し体重を乗せているという

中村:スウィングを振り子の動きでイメージするとわかりやすいですね。ダウンスウィングで体重を左足側に乗せることで体の軸、ヘッド軌道における振り子の支点が左側へズレますから、そのぶんダウンブロー軌道が作られるわけです。

小澤:手元でハンドファーストを作ることを意識しすぎると、ヘッドが遅れてくるぶん写真Aのようにフェースが開いた状態でのインパクトになりやすいですからね。スウィングのテンポも取りやすいですし、最後に少し右足を踏み込むことで、クラブと体重移動の動きが逆方向、つまり引っ張りあうような形になって、よりヘッドを加速させることもできます。写真Aのような計測データになっている方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

取材協力/太平洋クラブ八千代コース

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