国内男子ツアー2戦目となる第85回「日本オープン」が15日から千葉県の紫CCすみれコースで開催される。7317ヤード、パー70とモンスター級のコースに挑む石川遼に注目しプロゴルファー・中村修がスウィングを解説。

トップの位置がフラットでコンパクトに

5年ぶりに出場した「全米オープン」では、難コースのウィングドフットGCで苦しみながらも予選を通過し、51位タイで終えた石川遼選手。7477ヤード、パー70という長さに加えて深いラフ、傾斜の強いグリーンのセッティングを戦い抜いた経験が今大会で生きてくるに違いありません。

会場となる紫CCすみれコースで石川遼選手にとってキーになるのは、やはりドライバーショットになるでしょう。早速スウィングを見てみましょう。

画像: 初の日本オープンタイトルを狙う石川遼(写真は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

初の日本オープンタイトルを狙う石川遼(写真は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

画像Aの左を見ると腰から後頭部までがほぼ一直線で前傾は深くありません、肩から腕をダランと自然に垂らした位置でクラブを握っています。バランスの良い、ドライバーショットのお手本にすべき姿勢です。

トップでフェースの向きは約斜め45度のスクェアで、左腕と手の甲は一直線となり、フェースの向きと連動しています。過去のスウィングと比べて見ましたが、一番変化したのはトップの位置。高さが低くなり、フラットでターゲットよりも左を向いた状態になっています。ダウンでクラブが立ち過ぎず、早い段階からプレーンに乗せられることで、安定した軌道で振れるようになります。

画像: 画像A:腰から後頭部までがほぼ一直線でバランスの取れた姿勢(左)、ややフラットでコンパクトに進化したトップ(右)写真は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

画像A:腰から後頭部までがほぼ一直線でバランスの取れた姿勢(左)、ややフラットでコンパクトに進化したトップ(右)写真は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

画像Bの切り返しではアドレスで作った前傾角がキープされシャフトは右肩よりも下で、スウィングプレーンに乗っています。アドレス、トップ、ダウン、インパクトとシャフトの角度が平行を保ち、非常にきれいにプレーン上を動いていることが見て取れます。

画像: 画像B 前傾をキープしながらクラブが立ちすぎなず早い段階でプレーンに乗る(左)、オンブレーンのままフォローまで振り抜く(右)写真は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

画像B 前傾をキープしながらクラブが立ちすぎなず早い段階でプレーンに乗る(左)、オンブレーンのままフォローまで振り抜く(右)写真は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

スウィングからは、ダスティン・ジョンソンやブルックス・ケプカのようなトップでフェースが空を向くシャットな使い方ではなく、フェースを開閉しながら打つタイプのスウィングだということも確認できます。

どちらが良い悪いではなくそれぞれメリットがあります。開閉するタイプはそのタイミングを変化させることでドロー、フェードや球の高低を打ち分けることができます。しかしタイミングがズレれば曲がるリスクもありますから、いかに安定させられるかが重要です。アイアンショットのキレ、多彩なアプローチのバリエーションは、フェースを開閉しながら打つ石川選手の持ち味でもあります。

日本オープンでは、ホールによってドロー、フェードとティショットを打ち分けて、難コースを攻略する姿が見られるはずです。多少ドライバーが曲がっても、セカンド地点からボールを曲げてグリーンに向かうタイガーばりのリカバリーショットという石川遼の真骨頂を見せてくれるはず。

2009年にプレーオフで敗れ「日本オープン」は勝っていませんので初のタイトルを目指す石川遼選手に期待したいと思います。

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