渋野日向子をサポートし、渋野を“しぶこ”と呼ぶコーチ・青木翔は「対面以外でもコミュニケーションはとれる」という。とくにレッスンの間隔が空く選手とはLINEを使って「密にやり取りを行う」そうだ。自身の著書「打ち方は教えない」から詳しく話を聞いてみよう!

さまざまなコミュニケーションの取り方

僕はレッスンを極力、少人数で行うようにしています。練習レンジに並んでもらい、端から順番に見ていくスタイルもやってみたことがありますが、一人一人をチェックする時間が足らずに、結局、少人数のレッスンに行きつきました。

少人数での対面のレッスンは、生徒の状態をしっかりと把握することができます。

選手の状態や能力を細かく把握する必要があるコーチングでは、マンツーマンに近いレッスンとの相性が非常に良いのです。

画像: 帯同していなくても、選手とコミュニケーションをとる方法はある。青木はLINEを使い、選手らと密にやりとりしているそうだ(写真は2019年の日本女子オープン)

帯同していなくても、選手とコミュニケーションをとる方法はある。青木はLINEを使い、選手らと密にやりとりしているそうだ(写真は2019年の日本女子オープン)

一方で、多くの教え子と顔を合わせる時間自体は減ってしまいました。

またトーナメントの時期になれば、教えているプロの状態をチェックするため会場に行くことも増えます。するとますます、多くの教え子たちの状態をチェックするのが難しくなってしまうのです。

そこで活用しているのが、LINEなどのwebを使ったコミュニケーションです。

レッスンの間隔が開くジュニアや、試合に帯同できない時のプロとは、できる限り密にやりとりを行います。

内容は「今こんな状態」というヘルプや、練習内容の相談などなど。僕から出していた課題の抜き打ちチェックなんていうことも行います。

対面以外でもコーチングは可能

LINEでのコミュニケーションのポイントは2つあります。

1つは、常に扉をオープンにしておくこと。

選手には「どんなことでも連絡してきて」と伝えています。

気軽に連絡できる関係を作っておくことで、些細な変化を見逃しにくくなるのです。

もう1点は、選手の悩みに先回りできるよう、普段の観察を欠かさないこと。結果を予測しておけば、選手が目の前にいなくても、適切なアドバイスをすることができます。

昨シーズンのバンテリンレディス、初日で最下位だったしぶこから「どうしたらいいですか」と、電話がありました。でも、この苦戦は想定内。

そうなったとき、彼女が「失敗の理由」を探し、それを修正することも予想していました。だから、何も変えずいつも通りプレーするよう伝えたのです。

結果、翌日に「66」を出し予選を通過。選手をよく見て2手3手先を読めるようになれば、対面の機会が減っても的確な助言をすることができるのです。

「打ち方は教えない。」(ゴルフダイジェスト社)より

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