ゴルフの科学者ブライソン・デシャンボーがキャリー400ヤードの壁を突破した。11月12日開幕のマスターズで、この“400ヤードヒッター”は、オーガスタナショナルをどう攻めるのか……?

ただいま試合に出ずに淡々と「調整中」

自身のインスタグラムのストーリーで偉業を報告したデシャンボー。計測器のディスプレーに刻まれた数値はキャリー403.1ヤード、ボールスピード時速211マイル(およそ94m/s)、スピン量1957pmとある。

彼ならやるだろうと思っていたが数年前はドライビングディスタンス20位台、30位台だった選手がコロナの自粛期間を経てこれだけ短期間で400ヤード超えを達成するとは驚きだ。

しかも今回はマスターズ用に準備している48インチの秘密兵器を「使わずに出した数字」。

10月初旬のシュライナーズホスピタルに出場したあとは「マスターズまで試合に出ずに準備をする」と宣言し研究室、あるいは実験室ともいうべき練習スペースにこもったデシャンボー。当初は「
48インチのドライバーを使いこなすだけのスピードをつける訓練をする」と語っていたが、48インチを打ちこなすまでもなくキャリー400ヤードを達成したというわけだ。

画像: 48インチのドライバーを使わずにキャリー400ヤード超えを達成したというブライソン・デシャンボー(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

48インチのドライバーを使わずにキャリー400ヤード超えを達成したというブライソン・デシャンボー(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

ボールスピード時速211マイルは米ゴルフダイジェストによると「インディカーレースに匹敵するスピード」。生身の人間が実現できるスピードの限界を超えている。

11月12日開幕のマスターズでは全ホールとまではいけなくてもデシャンボーは400ヤード級のビッグドライブを炸裂させてくるはず。となればすべてのパー5はショートアイアンでグリーンを狙えるわ
けでバーディ量産は必至。

パー4も仮にティショットが400ヤード飛べば、グリーンまでの残り距離は最長で105ヤード(11番)、最短で40ヤード(14番)となる。ゴルフは真空状態でプレーするわけではない。風も吹けば体感温度も変わる。キャリー400ヤードを手に入れたからといって実戦で常にそれが実現できるわけではない。

それでもロングドライブは大きなアドバンテージ。デシャンボーがもし勝つとしたら相当調子が良い証拠だろうから優勝スコアが20アンダーに到達する可能性も。

プライベートでゴルフはほぼゼロ。「4時間かけてラウンドして65打しか打てないなら、その分練習場で300球打った方が身になる」というマッドサイエンティスト。マスターズでも我々の常識を覆す新たな戦略を見せてくれるに違いない。

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