2か月あまりの海外遠征を終え「樋口久子 三菱電機レディス」で今季の国内女子ツアー2戦目を迎える渋野日向子。海外での経験の成果を見せてくれるのか?プロゴルファー・中村修がそのスウィングに注目した。

トップがコンパクトになった

6月末の「アース・モンダミンカップ」以来の国内女子ツアー出場となる渋野選手。スコットランドでの2試合は予選落ちに終わりましたが、渡米後の4試合では予選を通過しある程度の手ごたえを感じての帰国になったと思います。

海外遠征でたくさんの課題を見つけ少しずつ取り組んでいることだと思いますが、アメリカに入ってからはショットの復調が顕著に見られましたので、今週はピンを狙う渋野選手らしいプレーが見られるのではないでしょうか。

画像: 2か月あまりの海外遠征から国内女子ツアーに復帰する渋野日向子(写真は2020年樋口久子三菱電機レディス 写真/姉崎正)

2か月あまりの海外遠征から国内女子ツアーに復帰する渋野日向子(写真は2020年樋口久子三菱電機レディス 写真/姉崎正)

早速そのスウィングを見てみましょう。ちなみに、写真は本日(10月29日)の練習ラウンドで撮れたての最新のものです。

アドレスでは左手の甲が正面からはっきりと見えるストロンググリップで頭をボールよりも右に置いたバランスのいい姿勢です。画像右を見るとトップの位置が昨年と比べるとシャフトが地面と平行の位置まで下がらないコンパクトな形に収まっています。

トップはコンパクトになりましたが、背中の捻転、体幹部のねじれは十分に確保されています。腕の運動量が少なくなったことで、より体の力で打てるようになっていますね。腕の運動量が減った分、体の回転力は必要になりますが、そのほうがタイミングのズレも起こりにくいと思います。

画像: 画像A 左手をストロンググリップで握りコンパクトになったトップの位置が確認できる(写真は2020年樋口久子三菱電機レディス)

画像A 左手をストロンググリップで握りコンパクトになったトップの位置が確認できる(写真は2020年樋口久子三菱電機レディス)

切り返し以降は左足で地面を踏み込んで左のわき腹で引っ張るようにクラブを下ろします。画像B左の左手首に注目すると、わずかに手のひら側に折れています。フェースがダウンスウィングの早い段階でボールを向く、渋野選手の特徴である動きです。

画像B右を見ると、フェースを早い段階でボールに向けるシャットフェースならではの、ややハンドファーストなインパクトになっています。下半身で作った回転力を腰、体幹部、上半身と効率よく伝え、エネルギーをインパクトに集中できていますね。トレーニングを積み重ねていることもあり、調子の悪い時期に比べて体のエネルギーをよく使えている印象を受けました。

画像: 画像B 左ひじを地面に向け早い段階でフェースをボールに向けインパクトでややハンドファーストでアッパー軌道で振り抜く(写真は樋口久子三菱電機レディス)

画像B 左ひじを地面に向け早い段階でフェースをボールに向けインパクトでややハンドファーストでアッパー軌道で振り抜く(写真は樋口久子三菱電機レディス)

この日の練習ラウンドではG425MAXドライバーを使用。ラウンドしている様子を見ると、新しいモデルのドライバーを思い切りよく振りきれているように見えましたが、終了後の会見では使うか決めかねていると話しました。

「(旧モデルで、エースドライバーの)のG410を持ってきてはいなかったのですが、アメリカでも調子が良かったので変更するか決めかねている。もう届いているはずなので明日のスタートまでに決めます」(渋野日向子)

会場となる武蔵丘CCのグリーンは仕上がりも非常によく、硬さスピードも十分。奥につけるとかなり早いラインが残ります。グリーン上、グリーン周りの寄せも念入りに練習していました。パッティングやアプローチに海外で培った成果を見せてくれるのではないでしょうか。

画像: 硬くスピードある武蔵丘CCのグリーン上で念入りに練習した(写真は久子三菱電機レディス)

硬くスピードある武蔵丘CCのグリーン上で念入りに練習した(写真は久子三菱電機レディス)

ドライバーショットは見ていて気持ちいいくらい振り抜きが良く、球を曲げることもありませんでした。2打目以降アメリカともまた違うピン位置の設定にしっかりと対応できるか、グリーンを外したときにしっかりとパーを拾って流れを切らさずにつなげていけるかというところに注目したいと思います。

画像: 最高の打感+最高のやさしさ!ジャーマンステンレススチール製「グランディスタ ヘンドリクス パター」の実力は? youtu.be

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