PGAツアー「ビビント・ヒューストンオープン」はカルロス・オルティスの勝利で幕を閉じた。ダスティン・ジョンソンや松山英樹らトップ選手の猛追を振り切ったオルティスはどんな選手? 海外取材経験20年のゴルフエディター・大泉英子がレポート。

「ただアグレッシブに我慢強く、目の前のことに集中するだけだった」(オルティス)

カルロス・オルティスが、世界ランク1位のダスティン・ジョンソンと松山英樹に2打差をつけ、ビビント・ヒューストンオープンでツアー初優勝を飾った。この優勝によりフェデックスカップランキングは7位に浮上。メキシコ人選手としては3人目のツアー優勝者となった。

画像: ヒューストンオープンを制したカルロス・オルティス(写真はGetty Images)

ヒューストンオープンを制したカルロス・オルティス(写真はGetty Images)

「いい気分だ。最後に(コーン・フェリーツアーで)優勝してから約6年も経ってしまったね。今週はとてもいいプレーができていて、最後は感情を抑えるのに苦労したよ。でも本当に嬉しい」

3日目を終えてサム・バーンズが首位に立っており、全米プロチャンピオンでツアー4勝のジェイソン・デイも好位置につけていたが、オルティスは自分のプレーだけに集中し、フェアウェイキープすることを心がけていたという。

今回、ヒューストンオープンの開催地となったメモリアルパークは、トム・ドークにより設計された市営コースで、どんなレベルのプレーヤーも楽しめるコースなのだが、PGAツアーのトッププロたちが合計33個以上トリプルボギー以上の悪いスコアを叩いてしまうような、チャレンジングなコースでもある。週の初めは彼もフェアウェイキープに苦しんだようだが、フェアウェイキープさえできれば、優勝争いのチャンスはあると信じ、精神的にもポジティブに、我慢強くプレーした結果、念願の初優勝を手繰り寄せることができた。

「何も心配することはなかった。ただアグレッシブに我慢強く、目の前のことに集中するだけだった。他人のことも全然心配していなかったよ。自分のことだけを考え、ベストを尽くせば、アグレッシブに攻められるし、大概のことはうまくいくと経験上、わかっていたからね」

彼はメキシコ・グアダラハラ出身で、元女子世界ランク1位のロレーナ・オチョアと同じ出身。彼はノーステキサス大学に進学し、それ以来12年間テキサスに住んでいるという。

「テキサスは僕の第2の故郷のようなもの。素晴らしい場所で、人々は本当に親切でよくしてくれる。今日もみんな応援してくれた。ここテキサスで勝てたことは特別だ」

今週は先週のバミューダ選手権に続き有観客で行われたが、「1日に2000人」と先週の4倍の観客を入れての開催となった。テキサスはメキシコと国境を接する州のため、ラテン系の人も多く、スペイン語での声援も飛び交った。先週のバミューダ選手権で優勝したブライアン・ゲイもそうだが、オルティスもまた、観客の声援が活力となり、好プレーにつながった一人だ。

なお、通常マスターズ前週の試合で優勝した選手は、マスターズ行きの切符を獲得するのだが、今年はコロナウイルスの影響で異例のスケジュールとなっているため、残念ながらオルティスには今週のマスターズの出場権はない。今週は5ヶ月先のマスターズ出場に向けて、家のソファでゴルフ中継を観ながらあれこれ思索する1週間となりそうだ。

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